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……夢を、見ている。
アレはいつだったか、
そう、アレは確か──
……暗闇の中で、誰かが祈っている。
あれは、聖女だろうか? 何に祈っているのかは、暗くて伺えない──『祭壇のようなものへ向けて祈っている』ということしか分からない。
……ただ。
『彼女』が一心不乱に祈っているのだけは、何よりも明確に伝わってきた。
“Amen , Amen , Gospel Amen ”
“Amen , Amen , Gospel Amen ”
“Amen , Amen , Gospel Amen ”
“Amen , Amen , Gospel Amen ”
彼女は一心不乱に祈り、何かを謳っていた。そこへ、私は歩みを進める。
その時、私はようやく気付いた。
……『私』は誰だろう? 名前も、姿も、自分のことを何一つとして覚えていない。『私』は、一体何者だ?
分からない。分からない。分からない。
──ほどなくして、『私』は思考を放棄した。この調子では、どれだけ熟考したとしても、『私』は私を思い出すことはないのだろう。であれば、目の前の『彼女』を調べるほうが、よほど理に適っている。
“So, I'm scary, scary, scary ”
“So, I'm scary, scary, scary ”
彼女は歌う。彼女は唄う。彼女は詠う。
それは恐怖であり、それは絶望であり、それは空虚だった──それは、あまりにも痛ましい鎮魂歌だった。
その歌を聞いたとき、『私』は何かを思い出す。
……気付けば、『私』が立っているのは暗闇ではなく、曇り空に覆われた大地だった。記憶にない、けれどどこか懐かしい景色。
そして、どうやら地面に倒れているらしい私に手を差し伸べる、一人の青年。記憶にない、けれどもやはりどこか懐かしい、その姿。
彼は私を引っ張り上げ、快活そうな笑顔でこう呼びかけてきた。
“Wake up! to keep the speed of sound ”
“Crack the code that written by myself ”
“Dirt and dust damage your part ”
“Time is too short to count aloud ”
“Wake up! Like a sleepless owl ”
“Control your mind to alive Here is ”
“an invisible cave Wake up and run ”
“if you want an end of the dark ”
……『私』は彼の手を取った。そして、彼と共に駆け抜けた。何処にあるかも分からない。『私』の望む答えを目指して。
そして気付けば、『私』は私になっていた。無数の屍を積み重ねて山の上に立って、私は私を確立した。
“Wake up! to keep the speed of sound ”
“Crack the code that written by myself ”
“Dirt and dust damage your part ”
“Time is too short to count aloud ”
“Wake up! Like a sleepless owl ”
“Control your mind to alive Here is ”
そして、雨降る荒野で、私はふと気が付いた。気が付いて、しまった。
私の背後にそびえ立つのは、今まで積み重ねてきた屍の山。彼らの放つ虚ろな視線に貫かれながら、私はふと、こう思ってしまったのだ。
“──私の今までの旅路に、意味はあったのか?”
……気付いたときには、もう遅かった。私はあまりにも殺し過ぎた。私はあまりにも進み過ぎた。
……私は、ひたすら前へと歩むことしかできなくなっていた。
……そして。
暗闇の果てを目指した先で、私は仲間に出会った。私と同じ、辿るべき光を見失った者たち。
FN MAG。P90。MGL-140。
こんな私に愛想を尽かさず今までついて着てくれた。こんな私を見切ることなく今まで一緒にいてくれた。
それだけで、私にとっては望外の喜びだ──今となっては、その礼も言えないけれども。
欲を言うならば──死ぬ前に、彼女たちに伝えておきたかった。
意識が薄れていく。大地に立っていた私の肉体 が、深淵へと沈み込んでいく。
次に目覚めるのは、いつになるのだろうか。また仲間と一緒に生き抜けるようになるのは、いつになるのだろうか。
それだけを思って──私の思考は、再び闇に包まれた。
その時に耳に届いた歌声。あの聖女のものだ。
最初に聞いたときには分からなかったが、今となってははっきりわかる。
そうだ、他ならぬ彼女こそが──
“All is fantasy ”
“All is fantasy ”
オリ人形のスペックシートとか需要あります? ……欲しい?
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構わん。行け
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(需要は)ないです
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いいから本編だ!!