ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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Hey-o,here comes the danger up in this club(ようテメェら、イカレた奴らのお出ましだぜ).
When we get started man, we ain't gonna stop(道を塞ぐ奴らは全員スクラップにしてやんよ).
We gonna turn it out, 'till it gets too hot(なあ、水を差すなんてしないでくれよ?).




Travel & Trouble 2

【A──urrrrrrッ!!】

「人違いじゃボケェ! よそを当たれ!!」

 

鉄パイプを振りかぶる黒騎士──『湖光騎士(デュ・ラック)』。

アーサーがなんだとか叫んでるし、まあ間違いなく元ネタはアレだろうな。あのー……名前なんだっけ。とにかくアーサー王伝説に出てきた伝説のヒトヅマニア。

いや名前なんざどうでもいい、目下最大の問題は……。

 

「なんで伝説譚に出てくる騎士が鉄パイプ振り回してんだ!? しかも無駄に使いこなしてやがるしよぉ!!」

『資材ガ足リナカッタノ』

「配分しっかりしろやァ!!」

 

鋭く重い鉄パイプの振り下ろしを的確に受け流しつつ叫ぶ。ちっくしょう長物の扱いが無駄に巧いなコイツ! 今ちょっと危なかった!

レンジが近すぎるからマシンガンは使えねぇ、っつーか使うにしても撃つんじゃなくて殴る用になっちまう! それでマシンガンが壊れたら発狂するぞあたし!?

 

「畜生やりづれえっ!」

【AAHHHHHHHH!!!】

 

絶叫。

黒騎士は乱雑に鉄パイプを振り回し、的確にあたしの急所を狙ってくる。

この野郎、見るからに重い鎧着てる癖して動きが警戒すぎんだろ! しかもこの動きは棒術か!? ジジィん所で師事してる時に似たようなモン見たぞオイ!

 

【UaaaaaaAAA!!】

 

ジャカッ、と金属同士の擦れる音が響く。

気が付くと、奴は鉄パイプを持っていないほうの手でサブマシンガンを──って何ィッ!!?

 

「っっぶねぇっっっ!!!???」

 

慌てて横っ飛びに黒騎士の正面から飛びのくと、案の定奴は下から上へ振り上げるようにサブマシンガンを乱射した。っつーかありゃMP5か? まさかたぁ思うが急にムテキフィールド張ったりしねぇよな!? くっそまた懸念材料が増えた!

 

【Arrrr!!】

 

間髪入れずに黒騎士は跳躍し、あたし目がけてまっすぐに鉄パイプを振り下ろす。あたしはそれをギリギリのラインで躱し、すかさず顔面にヤクザキックをぶち込んだ。

しかし向こうもさるもので、体の動きを最大限に駆使してダメージを最小限に抑え、その勢いを利用するように回転蹴りを放ってきた。本当に騎士なのかお前。絶対見てくれだけだろ。

 

「クソがっ、おちおちマシンガンも撃ってられねぇ!」

【OOOOOOOOOAA!!】

 

っつーかそれ以前にリーチの差がきつい! 棒相手に素手は流石のあたしもきついぜ!

そして、あたしの叫びに応えるかのように、黒騎士は懐から何かを取り出した。

取り出したそれの正体に、あたしは思わず目を見開く。

明らかに懐から出せる上限を超えたサイズ! 本体横に備え付けられた巨大な弾薬箱! そして一つにまとめて束ねられた6本の銃身!

まさか、まさかその銃は──

 

「JM61A1──ッ!!?」

【Arrrthurrrrrr!!】

 

──直後。

あたしへ向けてまっすぐに、20mm弾の嵐が迫りくる。

 

■ ■ ■

 

「……なんだぁ?」

 

気が付くと、ボクはリーダーやMGLと一緒にテントで寝かされていた。

おっかしぃなぁ、確かボクは外で斥候兼偵察兼鉄砲玉やってたはずなんだけど。なんでここにいるんだ?

あと、さっきから外が凄いやかましい。銃声、打撃音、衝撃音etc……なんだ、一体外で何が起こってるんだ??

 

「……とりあえず確認してみるかな」

 

もそもそと起き上がり、リーダーやMGLの体をうっかり蹴らないようにそっと移動。

そして、テントのファスナーを開け、気になる外の様子を見る事に。

……目の前で今まさにファスナーを開けようとしていたと思しき、自律人形っぽい人型と目が合いました。

 

【……、】

「……ん~?」

 

突然の出来事に、双方硬直。そのまま、1秒、2秒、3秒……。

そして、5秒ほど経過した後で、ようやく互いに再起動。

ボクらは銃を突き付けあい、そのまま銃撃戦に突入──するわけがない! 曲がりなりにも502小隊の一員が、素直にそんなことを受け入れてたまるか!

ボクは体躯に物を言わせて前方へ跳躍──そのまま、目の前の(推定)自律人形の顔面にドロップキックを叩き込んだ。

とんでもない音が響き、あっけなく自律人形の首が吹っ飛ぶ。

 

「あーびっくりした、誰だこんな悪戯する馬鹿……は……?」

 

テントから外に出ると、そこには居るわ居るわ大量の自律人形。

どいつもこいつも、アイカメラを不気味に輝かせてこっちを見据えている。

見た目が完全に同一の自律人形がみんなこっちを見てくる様はちょっとしたホラーだ。かくいうボクもちょっとビビった。

 

「っ──煙幕投射っ!!」

 

反射的に、ボクは今所持している発煙手榴弾のほぼすべてをぶち撒けた。普通の発煙手榴弾から手製の発煙手榴弾『ミラーハウス』まで、とにかく千差万別多種多様お構いなしの大盤振る舞いだ。

あっという間に、辺り一帯は濃い煙幕に包まれて極度の視界不良に陥った。

ザザッ、と耳元に付けた無線機がノイズを発する。

 

『起きたかボンクラ!! 生憎だがこっちは手が離せねぇ、そっちはそっちで解決しろ!』

「いや何の騒ぎなのコレ!? プリーズ! プリーズエクスプレインミー!」

『襲・撃・に・決・ま・っ・て・ん・だ・ろ!! 口より先に手を動かせこの指定廃棄クソ雑魚ポンコツ人形ォ!!』

「テメェ後で覚えてろよ絶対ブチ転がすからなッ!!」

 

怒りのままに叫び、そのまま通信を切断。

そして、煙幕越しに手を伸ばしてきていた自律人形の首元に懐から抜いたナイフを走らせ、そのまま容赦なく寸断した。リーダー手製の高周波ブレード『メガロドン』──まあ、なんというか、案の定えっぐい性能してました。

銃を撃つと敵をおびき寄せる事につながりそうなので、ボクは隠密行動の意も含めてナイフキルで敵を殲滅することに。

幸い、向こうの方は自分勝手に動くばかりで『協調性』という言葉を知らないらしい。はっはっは馬鹿め、そこから先は地獄だぞ。

 

「ウェルカム!」

【──!?】

「グッバイ・ストレンジャー!」

【──!!】

 

背後から忍び寄り、瞬発力に物を言わせてわんさかいる敵をことごとく17分割。そんなおおよそ人の所業とは思えないことを繰り返し、出来上がったのは煙幕と残骸の散らばる地獄絵図。我ながら『これはひどい』と言い切れる惨状だ。

……その割には、さっきから自律人形の数が全く減ってる気配がしないんだけど。

 

「……これ本当に減ってる? 減った先から補充とかされてない?」

 

ちなみにボクの考えは大正解で、実は煙幕の外側から続々と自律人形が押し寄せてきていた。といってもまあ、煙幕の中にいるボクがそんなことわかる訳もなく。

ボクは一度態勢を立て直すため、リヤカーのところまで撤退した。

……そういえば、MAGのあんちきしょうはともかくとして、パチ公は一体どこで何をやっているんだろう?

オリ人形のスペックシートとか需要あります? ……欲しい?

  • 構わん。行け
  • (需要は)ないです
  • いいから本編だ!!
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