「オルルァッッッ!!!」
「甘いっ!!」
──濃い煙に覆われた荒野のド真ん中。
そこで、あたしは目の前のドチビと真っ向からキャッチボールで全面対決していた。
……いや、落ち着け
まず、あたしはドチビの顔面をマシンガンでぶん殴った、それが大前提だ。……あ? マシンガンを愛してるくせに扱いが雑? こまけぇこたぁいいんだよ、マシンガン愛は人それぞれだ。あたしの場合は最高のパートナーだな。ロングレンジで使ってよしショートレンジで使ってよし、さらにクロスレンジで使ってよしと非の打ちどころのない完璧さだ。銃剣突撃? 邪道。
とにかく、そこであたしは文句を言いまくった──マシンガン撃たせろコノヤロウ!!
「あぁん!? 敵が見えなくてもマシンガンくらい撃てるだろうが頭沸いてんのか!?」
「テメェいい度胸だ! あたしの煮えたぎるマシンガン愛でメタメタにしてやる!!」
「やってやろうじゃねぇかこの野郎! よーしここは穏便にキャッチボールで決めてやる!!」
いやチキったなお前。そこは銃撃戦だろどう考えても。
まあ、あたしとしてもこんな所で無駄に負傷を増やすのは本意じゃあねえ……という訳で、あたしはそれを快諾。
そして、余った資材から即席でグローブ(鋼材で作ったスプリング式の手袋)とボール(わかりやすく鉄球)を作成し──
「くたばりやがれっ!!」
「ブチ込んでやる!!」
──160km/sオーバーの豪速球で相手を仕留めようとするキャッチボールが始まった。いやこれキャッチボールじゃねえわ。キャノンボールの間違いだわ。
ともあれ、そんな殺人豪速球を投げ合いつつ、時系列は現在に至る。相変わらず決着はつく気配がない。コイツ、チビのくせに中々頭おかしい膂力してんだよな。人工筋肉とか何使ってんだ?
「そんなことボクが知るか。あとチビとか言うなぶっ殺すぞ」
「殺すとか軽はずみに言ってんじゃねえよ、チビに見える」
「やかましい!!」
顔面目掛けて鉄球がすっ飛んでくる。
あたしはそれを難なく片手でキャッチし、すぐさまドチビの顔面目掛けて投げ返──
「──むっ!?」
──そうとしたその時、とんでもない爆音があたしの耳朶を叩いた──しかも1発きりじゃねえ、マシンガンさながらに音が繋がってやがる。
コイツは……なんだ?
「……マシンガン、じゃねえな。機銃……いや違う、機関砲。だがガトリングにしちゃあ妙だ、銃身回すモーターの音が聞こえねぇ……まさか!!?」
気が付くと、あたしの体は一直線に駆けだしていた。ちなみに鉄球はしっかり投げつけてからな。
ぶっちゃけ煙幕のせいで音源が何処にあるかは大まかな方角くらいしかわからねぇが、こんだけ派手な音してるんなら煙幕の外にさえ出ちまえばすぐ見つけ出せる!
「待ってろボフォォオオオオオオオスッッッ!!!」
「なんだ急に騒がしっ、タコスッ!!?」
後ろから何か変な声が聞こえてきた気がするが、んなこたどうでもいい!
どこの新人かはしらねえがたっぷり可愛がってやんよぉ!!
「……は?」
──意気揚々と音源の下へと駆けていったあたしだったが、現実は無情だった。
そこで待っていたのはオープンボルト教団の入信希望者でもなければそもそも人型ですらない、頭が八つのデカい蛇。
その内の一つの口の中から、機関砲の銃身が一本にゅっと飛び出している。
「は??」
──それは、あたしにとってあまりにも許されざる光景。
マシンガンを兵器としての存在価値しか認めていない、非人道的極まる運用方法。
「は???」
向こうもあたしに気付いたらしく、その砲口をあたしへと突きつける。
その様子を棒立ちで眺めるあたしの右肩に、パチ公がポンと乗った。そして、短い脚でぺしぺしとあたしの頬を叩く。
そこで、あたしはようやく我に返った。
「──
訂正、欠片も正気になんざ戻ってはなかったな。まあ予想はついてたが。
──発砲。威嚇射撃のつもりなのか、40mm弾が一発だけあたしの顔目がけて飛んできた。
あたしはそれを片手であっさりと受け止め、
「……なあ。なあなあなあ。そりゃひょっとしてあたしに対する宣戦布告か? ナメてんの? 馬鹿なの? 死ぬの? 死ぬなら手伝うよ? 介錯するよ?」
ぐしゃり、と人形義体の握力に物を言わせて握りつぶす。
さて、さてさてさて。目の前であたしを生意気にも睨みつけてやがるクソ蛇はどう調理したモンか……。
とりあえず首はもぐよな? んで、口こじ開けて、マシンガンの類積んでない頭はその場で踏みつぶすか。で、積んでたら中身だけもらって踏みつぶす?
いや待て、一息に殺しちゃつまらねえよな。ここは一つ、地獄の苦しみでも味わってもらうか。
ガチャン、とあたしは愛用のマシンガンを構える。
「──行くぜ相棒! 野郎オブクラッシャァァァアアアアアアア!!」
【ゴアァアアアアアアアッッッ!!!】
さあいくぜ、今必殺のマシンガン突撃ィッ!!
ヘビ野郎もあたしのことを脅威だと認識したのか、口の中の機関砲をようやく撃ち始めた。アクションがおせぇんだよこのノロマが!!
撃ち出される40mm弾の雨あられをステップで回避し、あたしはヘビ野郎のある場所めがけてマシンガンを乱射。……あん? マシンガンで、しかも移動しながらの狙い撃ちなんざ出来るわけがない?
──チッチッチィ、甘いな
大量に撃ち出される7.62mm弾の嵐──その内の一つが、ヘビ野郎の首の付け根めがけて一気呵成に襲い掛かる。
そして。
【クガァアッ!?】
バキン! と甲高い音を立てて、突然ヘビ野郎の首の一つが倒れ込み、地面に叩きつけられた。よっしビンゴ!!
──説明してやろう、あたしが狙ったのは首を支える複合ジョイントだ。ヘビっつーのは基本的に体をくねらせて移動してるわけだが、この時ネックになるのが背骨。コイツを形作る骨の数が少ないと、必然的に動き方も不格好になるし移動速度も遅くなる。実際の蛇の背骨は500個くらいのパーツで出来てるって話だから、まあそのあたりの弱点は見事にカバーしてるって訳だな。さっきまでの滑らかな挙動を見る限り、目の前のヘビ野郎もそのあたりは結構いいところまで再現してるんだろう。
……で、あたしはそれを逆手に取った。
『骨が多い』っつーのはイコールで『関節が多い』につながる。
つまり、そのうちのどれか一つでもぶち抜かれちまえば……必然、こんなザマになるってこったな。
「ハッハーッ!! ざまぁみやがれクソ蛇野郎! オラオラ残りの首も全部関節外してやんよォ!!」
【アァァァアアアアアアアッ!!】
あたしが挑発した直後。
バキン! と音を立てて、残りの蛇頭の口からも多種多様な銃火器……訂正、
RPG-7、150mmTbtsKC/36連装砲、マウザーM1918、etc……おおよそ一体の人形に向けるにしてはオーバーキルすぎる大火力がこれでもかとばかりにあたしに向けられている。
あたしは肩に乗っていたパチ公と顔を見合わせて、
「あらぁ……なあこれちっとばかしヤベェんじゃね?」
『キャイン!!(特別意訳:何自分から地雷踏みに行ってんだこの馬鹿マスター!?)』
──直後。
少し前までとは比べ物にならない威力と密度の弾幕が、あたしパチ公めがけて放たれた。
深層映写、いかがお過ごしでしょうか。私はE3-3までクリアしたところで一旦装備と限定人形の堀にシフトしました。とりあえず編成拡大用のNZ75だけでも集めとかないと。あとグローザさん。SPPはこの前落としたし。
本章が終わった後にリク編を書いたら短編集の方を進める予定です。最近全然書いてないし。