この後はランキングマップや装備&人形掘りで適度に優雅に過ごしていきたいと思います。
とりあえずクリアした感想としましては──……
“
バキンッ!!! と甲高い音が響く。
同時、ヘビ野郎の八本ある首の一つ──艦砲を搭載していた頭が、口の中で小爆発を起こして大きく仰け反った。
それに引っ張られる形で他の首の照準もズレたようで、正確無比にあたしの事を狙っていたはずの弾丸があらぬ方向へと飛んでいく。
「なっ……なんだぁ!?」
何よりも困惑が最初に来た。
それは、リヤカーから飛来した一発の弾丸が引き起こしたものだが──彼女はそれを知る由もなく、何かマシントラブルでもあったのかと思うだけだった。
それ以上の思考をやめて、あたしは意識してスイッチを切り替える。
「──ま、理由も何にも分からねぇが! マシンガンの神様──マ
バッ、と素早い動きで立ち上がり、外骨格のスプリングを軋ませて再び走り出す。外骨格が無事でよかったぜマジで!
そして、左腕一本でマシンガンを目の前のヘビ野郎へと構えて突きつけながら──
「右腕は逝っちまったがあたしにはまだ左腕があるんだよなぁ!? その次は右脚か? それとも左脚!? まだまだ終わんねぇよッ!!」
──迷うことなく引き金を引いた。
マシンガンが唸りを上げ、7.62mm弾の雨あられが大蛇へ向けて降り注ぐ。
だが、そこは曲がりなりにも超大型装甲機械人形の底力。見上げるような巨躯のあちこちで火花を散らしながらも、特に堪えたような様子もなく体勢を立て直す。が、ジョイントの破損した首だけなんか起き上がれずに地面でのたくってた。とりあえずざまぁみやがれ。
【キイィイイイイイイッ!!!】
甲高い金属音みてぇな叫びをあげながら、ヘビ野郎が首を振りかぶる。
その動作から次の行動を察知して、あたしは全力で横っ飛びに退避した。
直後、先ほどまであたしが立っていた地点に首が振り下ろされる。地響きと共に砂煙が撒き散らされ、辺り一面の景色が砂塵に覆われて曖昧になっていく。
「あっぶねぇ!」
あたしは、地面に振り下ろされた半ば埋もれた状態で止まった首を容赦なく踏みつけた。
暴れる頭を押さえつけ、口の中に無理やりマシンガンを突っ込んだ。そして、躊躇なく引き金を引く。ああ? 撃ち方だぁ? フルオートに決まってんだろ!
結果、口からヘビの頭の中へと大量の7.62mm弾が入り込み、内部構造を滅茶苦茶に破壊していく。
ヘビ野郎の首はしばらくビクビクと痙攣していたが、すぐに大人しくなった。
「まず一匹ィ!!」
……いや、首の本数が多いだけで元をただせば一匹な訳だし、『一本』っつったほうがよかったか?
それはさておいて……ヘビ野郎の首を一本ぶっ壊したと同時に、カキン! と音を立てて射撃が止まった。間違いねぇ、弾切れだ。
あたしはステップ踏んでヘビ野郎の背後に回り込んだ。奴さんもどうにかついてこようとしてるみてぇだが、8本ある首のうちの2本がイッちまったせいで動きが追い付いてねぇ。見た目に違わず首の一本一本がバケモンみてぇに莫大な重量してるから、ちょっとしたアンカーみたいになってるな。
「はん、甘ぇなぁ!!」
そんな風に吐き捨てるあたしだったが、実際のところは内心で壮絶に焦っていた。
いやあ、別に隠すほどの事じゃなかったんだが、あたしの持ってた弾薬箱はさっきのがラス1。あとは全部リヤカーの荷台に雑に詰んでる。サイズ的な問題もあるからな、一度にそこまで個人携行できるわけじゃねえんだよ。外骨格にマウントしたりして数を増やす努力はしてるが、それでも正直心もとなかった。で、結果がコレだ。
カシュン、という音と共に空になった弾薬箱がパージされる。
(やべぇやべぇ弾切れしちまったやべぇ今弾薬箱持ってねぇやべぇこのままじゃ普通にジリ貧で押し負けるやべぇやべぇやべぇやべぇやべぇ!!??)
やがて、砂煙の中から一本の首が姿を覗かせる。
その口からは対戦車ライフルの銃身が飛び出していて、その照準はあたしにしっかりと定められていた。
「だと思ったぜ畜生ォ!!」
──発砲。
飛来する弾を見て、あたしは条件反射で壊れた右腕を振るっていた。
おかげで右腕がひじの少し上あたりからブチ切られたが、代わりに弾は外させてもらったぜ。右腕は元からぶっ壊れてたし、こりゃ実質ノーダメってことで良いな!?
まあ、たかが一発失敗したくらいで諦めるほど、ヘビ野郎もヘタレじゃあねえ。
ドゴン!! ──ドゴン!! ととんでもない爆音が連続して響き、いくつもの14mm弾があたし目掛けて一直線に迫る。その度に割と死ぬ気でサイドステップをして、逐一ギリギリのところで弾丸を躱していくわけだが……これ、弾薬箱に加えて右腕もパージしてなかったらとっくの昔に風穴あいてたな。いやマジで。
だが、それにもいよいよ限界が来る。
「ぬわっ──!?」
地面に転がっていた鉄血人形にけっつまづき、あたしの体が見事にひっくり返る。
そして、その隙を大蛇は逃さなかった。
ガコン、と音を立てて、ようやく被害から復旧した様子の艦砲がMAGへと照準を合わせる。しかも折の悪いことに、転んだ拍子に残骸が外骨格に絡みつき、見事に足を引っ張っていた──この有様じゃ、避けようにも避けらんねぇ。
『死』という単語が、あたしの脳裏をよぎる。
──だが。
「……まだだ」
「──リーダーの為に戦えてねえじゃねえか────!!」