ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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グローザさんもゲットしたのであとは外骨格堀だけですね!
大丈夫、5日に1本のペースで落としていけば間に合う間に合う!(白目)


Travel & Trouble 8

ガツッ!! と、硬い物が地面に落ちる音がする。

──気が付くと、あたしの目の前には見慣れない奴が立っていた。

そいつは右手を開き、ヘビ野郎へ向けてまっすぐに伸ばす。

その直後、ヘビ野郎はそいつごとあたしを仕留めようと、一切の迷いなく発砲した。

 

「お、おい! アンタ──!?」

 

あたしは思わず声をかける。

そいつは、そんなあたしの方をちらりと見ただけで、そのまま前方のヘビ野郎に再び視線を向けた。

そして。

 

「──ふんっ!!」

 

轟音。

衝撃波が周囲に撒き散らされ、砂煙が舞う。

──そして、先ほどまでの騒音とは打って変わって、静寂があたしの耳を包み込んだ。

……あたしは、死んだのか?

そう思ったが──

 

()()()()()()()!』

()()()()()()()()()()

 

──結論から言うと、あたしは生きていた。

目の前のよく分からん奴も、パッと見た限りじゃ無傷と言って差し支えねぇだろう。

そいつは右手で砲弾を掴んだまま、あたしの方に目を向ける。

 

「──無事か?」

 

■ ■ ■

 

……潮時か。

私は耳元のインカムを操作し、通信を開く。

 

「依頼内容の再確認。502小隊、とやらの救援で間違いないな?」

『ああ。つい先ほど、不在防衛線の旧司令部が倒壊したとの一報が入ってな。他の連中は廃墟が倒壊したとしか思っていないだろうが……私としては、あいつらという切り札がなくなるのは痛手だと感じでいる。まあ、アイツらの事だしどうせどこかで生き残っているだろうとは思うが……念のためだ』

「そうか。ちなみにそのメンバーの中に、なんでもかんでもマシンガンで解決しようとするアホはいるか?」

『……? 私の知る限り、そんな愉快な性格をしたマシンガナーは502小隊にしかいないが……』

「ならばよし。容姿や銃種などが事前に渡された情報とほぼすべて一致する戦術人形が一体、私の目の前で不明な巨大自立兵器と交戦している」

 

ぶふっ!! と通信の向こうで噴き出すような音が聞こえる。

私はそれを気にも留めず、淡々と続けた。この手の面倒ごとは深く踏み込まずに表面だけサラッと流していけばいいのだ。『好奇心はDinergateも殺す』というだろう?

 

「ともあれ、アレとその仲間を助ければいいわけだな? 見た限りではどうやら損傷しているようだ、修復ユニットのスケジュールを調整しておけ」

『ゴホッエホッ……ちょっと待て、まだ話は終わっていな──』

「では、これより作戦行動に入る。オーヴァ」

 

通信終了。

私はインカムの設定を緊急回線以外全カットに設定し、その場から()()()()()

──今私が何処にいるのか、だと?

そんなもの、決まっているだろう。

『飛び降りる』という表現を使ったんだ──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

本来、陸上での稼働しか想定されていないのが我ら戦術人形だ。では、これは如何なるカラクリか?

それは、私の装着しているある装備に起因する。

 

──自律稼動型複合浮遊装甲『ワイルドハント』。

 

詳細な説明は省くが、鉄血のハイエンドモデルであるスケアクロウの小型ビットから着想を得た装備だ。ただ、今のところは試作型が一基、つまり私が装備している物しか出来ていないらしい。事実上、私の専用装備というわけだ。まあ、量産したとしても私──いや、()()ほどに扱いこなせるものは居ないだろうが、な。

それはさておき。

私はまっすぐに飛び降り、要救助人形──データベース該当1、マシンガン『FN MAG』の前に着地する。

 

「お、おい! アンタ──!?」

 

私に気付いたようで、背後から焦ったような声が聞こえてくるが──まあ、まずは私目がけて飛んでくる150mm弾をどうにかするのが先か。

右手を開き、ヘビ野郎へ向けてまっすぐに伸ばす。

その直後、掌の中に砲弾が収まった。すぐさま手を閉じて弾頭をホールドし、衝撃は事前に背中にマウントしておいた複合装甲のうちの一つ──爆発反応装甲(リアクティブアーマー)を意図的に誤作動させることで相殺する。

 

『ナイスキャッチ!』

『勝ちましたわ、プロ結果』

 

視えざる声が、私を脇から囃し立てる。

私はその言葉を無視して、 要救助者に視線を向けた。……右腕を喪失しているが、それ以外に目立った外傷はない。どうやら、身に着けている外骨格がうまい感じに鎧の役割を担っていたようだ。

ゆっくりと顔をあげて私の方に視線を向けたため、私は彼女に簡潔に問うた。

 

「……無事か?」

「! あ、ああ……」

『ま、()()()()から見た限りでもヤバそうな感じの損傷はねぇな。外骨格とマシンガンだけでこの状況を切り抜けるたぁいい気骨だ。気に入った、殺すのは最後にしてやる』

 

声が戯言をほざく──私はそれを無視して、再び大ヘビに向き直った。

首を不規則に蠢かせながらこちらを睥睨するソイツに対して、手に持つ愛銃を突きつける。

そして、

 

「私は人形依頼人は秩序。十二の十字を身に纏い、これより使命を実行する。ショットガン型戦術人形『XTR-12』起動──メインシステム、戦闘モードに移行」

 

何時ものように、言葉を紡ぐ──さあ、仕事の時間だ。

 

『キッヒヒヒ! 野郎ども、仕事の時間だァ!!』

 

声が叫ぶ。

それと同時に、私の腰部に装着されていたジョイント、そこに接続されていたシールドがパージされる。

しかしそれは万有引力に従って落下することなく、私の周囲の空中で浮遊し始めた。

 

「……オイオイ、こいつはあたしの目が狂ってんのか? 盾が宙に浮いてるように見えるぜ……」

「安心しろ、いたって正常だ。コイツは実際に浮遊してい「浮かばせるんなら盾よりもマシンガンにしろよ!! IOPの連中何にも分かってねぇなマジで!?」お、おう……?」

 

不思議な観点からキレだし、思わず私は困惑した。なるほど、これは確かに『愉快な性格』だな。ヘリアンが胃痛を訴えるのも頷ける。

ともあれ、だ。まずは目の前のコイツを破壊するところからだな。離れた場所で指示を飛ばしているらしい忌々しいハイエンドモデルのガラクタは後で料理すればいいだろう。

 

「さあ、始めるか」

『各員戦闘配置に着け!』

『攻撃せよ!』

『(^q^)セメロー』

 

浮遊盾を侍らせ、私は突撃する。

さあ、ゴミ掃除の時間だ。




という訳で新メンバーはUTAS-Defence社製コンバットショットガン『XTR-12』でした。『声』の描写からわかる通り、コイツもコイツで経歴含めてなかなかどうしてぶっ壊れてるから気を付けよう。

そしてどうやらスペックシートは需要あるみたいなんで、本章が終わったあたりでリク短編と一緒に描き上げたいと思います。
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