もっと言ってくれてもいいのよ……そりゃこんなキチガイ集団にリクっつったって何するんだって思う人が大半だろうけども。
というわけでD08地区まで出向です。カカオの錬金術師=サンが書いてる417ちゃんクッソかわいいから見ろよ見ろよ~
『元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん』
https://syosetu.org/novel/179549/
(2019/5/03追記)
致命的な書き違えがあったので訂正。
何回も読み返してたはずなのになんで今まで気づかなかった私。
「リーダー。D08地区まで行く気はありませんか?」
「良いじゃない。行きましょう」
「「いや色々と待って???」」
以上の極めて慎重なやりとりを経て、私達──あぶれ者の寄せ集めこと502小隊は現在、D08地区の検問に並んでいた
──これが、これまでのあらすじ。よく分からない? 知らないわ、そんなことは私の管轄外ね。
MGLに曰く、D08地区にてある指揮官が結婚式をやるらしい。それだけならばよくある話なのだが、なんと新郎が1に対して新婦が9とかいう、神話くらいでしか見かけないような超ド級の結婚式ならぬ『重婚式』なのだとか。その時点で私はそこの指揮官が刺されないか非常に不安になったけれど、MGLによると夫婦仲は至って良好らしい。毎度思うが、彼女はそういう情報をどこから集めているのだろうか? 一度質問したことがあるのだが、その時MGLは暗い笑みと共に私を見据え、
「ねえ、リーダー。
とだけ言ってきたのだ。それ以来、知るのが怖くて聞くに聞けない状況が続いている。聴いてしまったが最後、私は越えてはいけない一線を越えてしまう──そんな気がしてならない。
それきり私は何も聞かず、忘れたことにして過ごしていたのだが……忘れたころにやってくる、とはよく言ったものだ。
とはいえ、結婚するというのならば、同じ戦術人形な間柄──逆に言えばそれ以外の接点は全くない──としては冷やかしに行くのもやぶさかではない。
そんな訳で、私は即断したわけだ。
なのだが……。
「恐ろしく混んでるわね……。ここの司令部はそんなに人気なの?」
そう。
今現在、ここはとにかく大勢の戦術人形や指揮官で検問前があふれかえっているのだ。やたらと胸部装甲の強化された戦術人形と男性が必死で片付けてはいるが、人数が減った先から増えていっているので全然減る気配がない。
……そう言えば、事前に出かけると通信で伝えておいたヘリアンは、一周回って悟ったような表情をしていた。顔は土気色で、胃でも痛めたのか口の端から血が垂れていたが。
とりあえず祝儀代わりにMGL謹製の原寸大スケール銅像を持っていくと伝えたら、溢れんばかりの罵詈雑言と共に却下ということを伝えられた。限界を迎えたのか、そこで吐血して昏倒したが。
「まあ人気なんだろうな。じゃなきゃこんな人も物資も集まんねえだろ」
「じゃあ物資だけ集まってるウチの司令部はどういう判定になるのさ」
「決まってんだろ、お前と一緒でガワだけのゴミだ」
「よしそこに直れコノヤロウ、その過熱しまくったマシンガンの銃身みたいな性根を修正してやるよぉ!!」
「だァれがクソの役にも立たねぇガラクタだオラァ!? いいぜやってやろうじゃねぇかよこの野郎!!!!!」
P90の挑発に、MAGがたまらずキレる。というか罵倒だったのか、今のワード。
というか落ち着け、目立ってる、すごい目立ってるから。すごい注目されてるぞお前ら。いい加減止まれ。
「二人とも落ち着きなさい」
「大体前々から気に入らなかったんだよ!! 人の図体みて判断しやがって! 何が『マシンガンもどきのポンコツ』だブチ転がすぞ!?」
「だから二人とも……」
「テメェも人のこと言えねえだろうがよ!! お前あたしに言ったこと覚えてんのか!? 『市街戦だとマシンガンとか邪魔なだけじゃない? ぶっちゃけいらないよね』──ふざっけんなマジでこの場でスクラップにすんぞ!? あ゛ぁ!?」
「落ち着きなさいって」
「だから──」
「なにを──」
「……、」
私はP90の背後に回り、後ろからしなだれかかるように抱き着く。
「あ? 何だいリーダー、今忙しいから後に──」
「──そぉいッ!!!」
気合一発、全力でバックドロップをかました。
轟音と共に砂煙が舞い上がり、見た目華奢な首が折れることなく地面にめり込む。
ビィイイン! とアニメか何かのように直立不動のポーズになって動かなくなるP90。
その様子を見てドン引きするMAGに、私は笑顔でこう言った。
「この首を支点に逆立ちしてる馬鹿が見えるわね? ──10秒後の貴様の姿だ」
「戦略的撤退ッ!!」
「逃がすか」
即座に逃走を選んだMAGの後頭部を掴み、そのまま流れるようにバックドロップ。再び轟音と共に土煙が舞い、戦術人形の首が地面にめり込む。体格差の都合上で全力でやらざるを得なかったが、力加減を誤ってスカートが思いっきりめくりあがってしまった。「パンツ! パンツです!」「黒の紐、だと……!?」とか聞こえてきたような気がするが、まあ無視無視。
すかさずその体に緑色の布を巻き付けると、逆さに直立していた二つの体はあっという間に季節感をガン無視したクリスマスツリーへと変身を遂げた。
パンパンと手をはたき、私は若干こちらから距離を置き始めている周りの方々に頭を下げる。
「……えー、ウチの馬鹿どもが大変失礼をいたしました。現時点をもってコイツらはインテリアに転職いたしましたので、どうかお目こぼしを」
「お、おう……」
とまあそんなことがありつつも、私たちは無事にD08地区に入ることが出来たのだった。あれだけのことをやらかしたのに何故弾かれなかったのかが不思議でならない。
「うわぁなんだありゃ! デッケェ~!!」
数分後。
頭に包帯(あとベルトリンク)を大雑把にまいた状態で、MAGが復帰した。並のハイエンドモデル程度ならあの一撃であっさり頭を割れるはずなのに、コレは何処まで頑丈なんだ……?
そんな彼女が見ているのは、ちょっとした体育館くらいのサイズはありそうな結婚式場。屋根の十字架は一体なにを間違えたのか、十字架というよりもほとんどロングソードやミゼリコルデと言って差し支えないものとなっている。大丈夫かこの結婚式。
「いいかリーダー──制圧戦においてマシンガンは最強。よく覚えておくんだな」
「今の状況と全く繋がらないじゃないのよ」
「タネが分かんねえ内はまだまだってこった」
「撃っていいわよね?」
「その『うち』じゃねえよ。結婚式場で何やらかす気だオイ」
「別に」
「別にじゃ済まねぇんだよなぁ?」
私達がそんな風に談笑……談笑? とにかく会話しているその脇で、MGLは見慣れぬ男性と会話をしていた。少しばかり耳を傾けてみると……。
「いやぁ助かりました。最近はこっちもやる事があんまりありませんでしたからね。お陰でリフレッシュ出来そうです」
「ははは、そりゃずっと世話になってきたからな。あの時お前さんが教えてくれなきゃ、俺はビル街でダイ・ハードして今頃墓の下で寝ぼけてただろうさ。感謝してもしきれねぇぜ」
「あはは、言い過ぎですよう。あ、そうそう、あの人はどうです? ええと、名前がー……そう、『AL』さん! 今でも元気してます?」
「ああ、アイツもしっかり死にぞこなってやがる。こないだも俺らに黙って自分好みの戦術人形を経費でオトそうとしてやがったから、総出でボコして止めたがな」
「相変わらずですねー……」
「どうも」
私は目を回したままのP90を引きずりながら、二人に声をかける。というかこの男、だいぶガタイがいいな。
MGLは私を見て、彼に私の事を簡潔に伝えた。
「ああ、この人が今の私の上司です。『サベージ 110BA』って言います。それでリーダー、この人が『UJ』──私の数少ない、損得勘定抜きで付き合える友人の一人です」
「どうも、紹介頂いた『UJ』だ。もろもろの事情で本名は言えないから、コードネームで勘弁してくれ」
「110BAよ。今はこの選りすぐりの外れ物を指揮する仕事についているわ」
「ま、よろしく頼む」
「ええ」
手を伸ばし、握手する。
とそこで、式場の方にも動きがあったようだ──人が続々と入っていっている。
私は引きずっているP90の頭を叩いて起こしながら、
「ああ、そろそろ始まるみたいね」
「そうらしいな。では、俺はこの辺りで失礼させてもらおう──まだ、やる事が残ってる」
「そうね。じゃあ、縁が『合ったら』──また会いましょう」
彼は手を振りながら去っていった。
それを見届けてから、私達は現地の戦術人形に案内されて式場の中に入っていく。
さあ──激動の重婚式が始まる。
しれっと現れたキャラ紹介
・『UJ』『AL』
本名不詳。MGLの元同僚で、何やら表ざたには出来ないことをしているらしい。
また、コードネームは一部略されており、『ユニオンJ』は『ユニオンジャック』、『AL』は『Ark Lolicon』が正式名称。ALの正式名称がおかしい? 察して。
多分本編にはもう少ししないと出てこない。
他コラボ作品(コレと本家除いてもあと9作品くらいありますやんか)のクレジットはこの番外編のラストのあとがきに書きます。
バリバリ絡みますからね~