ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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UMP外骨格3つドロップしました。チカレタ……。いやでも200週程度でそろったのでまだ手軽な部類なんですかね。

だが休んでる暇はないぞガーデルマン、次はランカーマップだ!! アカンこのままじゃ資材が死ぬゥ!


Where The Backstage

何時とも知れぬ時、何処とも知れぬ場所で。

彼女たちは集まり、なにがしかを話していた。彼女たちは各々が好きな体勢でくつろぎ──その視線の先には、独断専行を重ねたハイエンドモデルの末路が空中投影によって映し出されていた。

 

『「人形師(マリオネッター)」がやられたか……』

 

銀の髪をした少女が言う。彼女は何処を見ているのか分からない目の下にくっきりと隈を刻み込み、虚ろな視線を辺りに彷徨わせていた。

 

『フフッ、だが奴は我ら四天王の中でも……アイツ何番目くらいに弱かったっけ?』

 

彼女の言葉に、ラフな格好をした女が座る椅子をきしませながら嗤う。彼女の脇には大量のスクラップが転がっており、そのどれもが中心に拳の跡を刻み込んでいた。

 

『そも、私としては四天王という枠組み自体初耳なのだがな』

 

ケタケタと笑う女の背後で、一見すると英国紳士のようにしか見えない男装の麗人がため息をつく。麗人は手に持った杖でコツコツとリノリウムの床を叩きながら、女の返答を待った。

女は相変わらず獰猛な笑みを浮かべながら、麗人の発言に対して軽い口調で答える。

 

『四天王っつーかこの集まり全体が鉄血工造の面汚しみてぇなモンだしな』

『否定はしない』

『いやそこはしようよ……あー、眠い』

 

そしてそこへ、体を不気味に蠕動させる不気味な影が声を挟んだ。辛うじて人型であると認識できる形状は保っているが、しかし、不定形に蠢くその姿は見る者に冒涜的な何かを呼び起こさせる。

 

『成功か失敗かで言えば成功、大成功か大失敗かで言えば大失敗……そういう存在ですものね。ワタクシも、アナタ方も』

『ヒヒハハハッ!! 「功罪の仔ら(バイプロダクツ)」たぁよく言ったもんだよな、えぇ!? ウロボロスとルーラーが聞いたらなんて言うよ!!』

『残念、アイツはとっくにどこかの戦場でくたばってるよ。ついでに言うとルーラーに関しちゃ企画倒れ』

『そういやそうだったな』

 

そんな風に談笑する彼女らの周囲で、小さな光がぱちぱちと瞬いた。それは次の瞬間には爆発的に膨れ上がり……光学迷彩が解除され、巨大な鉄と血肉の塊が現れる。

生体部品、機械部品を問わずありとあらゆるパーツをかき集めて接続したような姿を持つソレは、老若男女いくつもの声が重なって歪んだような不気味な口調で、疑問気な声(?)を発する。

 

『せ、Nジョ……て、キ……て、テて、テテテTTTTキききKKKKキKKKキき……?』

『あー待て、落ち着け「集合体(アグリゲイター)」! 敵いない! 大丈夫! ここ安全!』

 

慌てるような女の声を聞き、塊──『集合体(アグリゲイター)』は自身に接続された砲の照準を少しだけ揺らがせた後、再び光学迷彩を起動して姿を消した。

その様子を確認して、麗人がため息をつく。

 

『……危なかったな、「無頼人(ルフィアン)」。下手を打てばこの辺り一帯が更地になっていたぞ』

『うっへぇそりゃ恐ろしい。っつーか予想出来てたんなら手伝えや「傍観者(バイスタンダー)」!』

『表沙汰には立ちたくないものでな』

『オーマイファック!』

 

吐き捨てる女──『無頼人(ルフィアン)』。それに対して、麗人──『傍観者(バイスタンダー)』はやや軽蔑するような視線を向けながらも、こう言った。

 

『……ともあれ、これで大体の案件は片付いたな』

『ふあぁ……案件とかあったの?』

『呼び出した張本人が何を言っているのですか、「不眠家(インソムニア)」……』

 

影が呆れたように言う。それに対して、少女……『不眠家(インソムニア)』は、人間用の睡眠導入剤を大量にのどの奥に流し込みながら、虫のように無機質な視線を向けて言った。

 

『……だぁーって、この集まりだって暇を持て余したあぶれ者が暇つぶしに集まるだけの会合じゃん? そりゃアグリゲイターは例外にしてもさ……「影法師(ミラージュ)」だってその暇なメンツの一人でしょ?』

『確かにその通りではありますが、その筆頭格に言われると腹立たしいですね……』

 

影……『影法師(ミラージュ)』が眉をひそめる。

その様子を見て、ルフィアンはけらけらと笑いながら、

 

『オイオイ言われてんなぁミラージュ! こいつはもしやご傷心かい?』

『やかましい』

 

そんな風な他愛のない話を続けていた時、不意に通信が届く。

インソムニアが先ほどまでマリオネッターの死体映像をキャプチャしていたコンソールを操作すると、空中投影されている映像が着信を表すそれに変化する。

その宛先欄には、『代理人』の三文字が。

 

『……、』

 

インソムニアは黙って通信を開く。

それと同時に、投影映像もまた代理人──エージェントのバストアップに切り替わる。

 

『仕事です。さあ働きなさい』

『……ちなみに内容は?』

 

バイスタンダーが聞き返す。

エージェントはそれに眉を僅かにひそめ、そのあとすぐに平時の表情に戻ってこう続けた。

 

『……どうやら、昨今はハイエンドモデルの鹵獲がかなりの件数発生している様子。我々としても到底容認できるものでは無い』

『……あー、そういやデストロイヤー型とドリーマー型を中心に向こうに持ってかれてるって話だったな? ドリーマーはさておきデストロイヤーに関しちゃ扱いを雑にしすぎたテメェの責任だと思う訳だがよ』

 

笑いながらエージェントを馬鹿にするルフィアン。

その言葉に対してエージェントは今度こそ露骨に顔をしかめ、

 

『……いちいち不愉快ですね、貴方は。これで性能まで出来損ないであればすぐにでも解体処分にしたのですが』

『残念だったな、この通り俺は本来のコンセプト通り近接最強だぜ?』

『ええ、射程はともかくその攻撃力と破甲力は一考に値します。という訳で、働け』

無頼人(ルフィアン)ってコードネーム付けときながら行動縛るってどういう考えしてんだテメェ?』

『あーもう分かったから少し黙れお前』

『アウチッ!!』

 

インソムニアがルフィアンの頭を叩く。どんな威力でぶっ叩いたのか、轟音と共にルフィアンの頭が地面に叩きつけられ、めり込む。

その隙に、ミラージュが脇から口を挟んだ。

 

『……それで、仕事とは? いい加減内容を聞かせなさい、エージェント』

 

それに対して、エージェントはある座標が赤い光点で示されたマップを映像に映し出す。その座標の意味をいち早く理解したのか、アグリゲイターが再びステルスを解いて姿を現し、叫ぶ。

 

『ギ、ぎギGI……ギィ……WhWhWhererereRE it-it-it-it alllLlLlLl StStStStartTTTtTtedDDDDDDDDdDdD!!』

『うおっどうしたアグリゲイター!? なんだ、この場所になんかあるってのかエージェント!?』

 

何時もの彼女(?)らしくもない過剰反応に、状況が理解できていないルフィアンが困惑する。

それに対してエージェントはやや呆れながらも、こう言った。

 

『決まっているでしょう。──グリフィン&クルーガー総司令部を特定しました。総力を挙げてカチコミです』




『見えた』ッ! 『完結』までの一本道ッ!!
よっしゃ次シリーズのネタ考えよう!

……じゃなくて。
本話を持ちまして第3章『境界旅程』は完結となります。
この後はリクやコラボなどの番外編を書いた後に一時的にこっちの方の更新を止めてプロットの構築と他作品の更新に移るので、恐らく本編の更新はかなり遅くなるものと推測されます。
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