よしじゃないが。
という訳で更新です。
どうぞ。
「……で、コイツはどういう訳だ?」
「私に言われても困る……」
突然の招集に、MAGが疑問を呈する。
問いかけると、ヘリアンは死にそうな顔で一枚の書類をMAGへと突き出す。MAGがそれを受け取ると、敗北者はそのままばったりと机に倒れ込んだ。
投げ出されたその腕をP90が手に取り、何かを確認してから首を横に振る。
「……うん、まあ、その……大往生だったよ」
「いやいや生きてますからね!? 勝手に殺しちゃダメですよ!?」
「ああもう面倒だ、手っ取り早くトドメでも刺せば良かろうが」
「だからぁ!」
無情なことを口走る二人にMGLが憤る。コイツら曲がりなりにも自身の恩人的なサムワンに対して冷酷すぎやしないか。
その横で、MAGは紙に目を通した姿勢のまま固まっていた。四六時中マシンガンマシンガンと騒いでいないと死ぬんじゃないかと疑われるレベルの暴走機関車である彼女に何があったのか。
「MAG、結局それには何が書いてあったのさ?」
「……、」
「……ヘーイ?」
MAGの目の前でP90が手を振る。しかし反応はない。
P90はムッとした顔になり、髪の毛を引っ張ったり頬を抓ったりしてみたが、やはり目立った反応は見られない。
最終的に、イライラがあっさりと頂点に達したP90はMAGの脛目掛けて全力でローキックをぶち込んだ。
「アッ─────────────!!!???」
某アニメの青い猫を彷彿とする悲鳴をあげ、両手で脛を押えたMAGが天高く飛び上がる。しかしここは屋内であり、天井が多少高めにとってあるとはいえ上のスペースに限りがあることには変わりない。
結果。
MAGは脛に大ダメージを受けるに留まらず、駄目押しとばかりに後頭部を天井にうちつけた。そして、どういう原理か飛び上がった時の勢いを保持したままで床に叩きつけられる。
「うわあ痛そっ」
その惨状に、思わずMGLはそう呟いた。実際問題相当のダメージが入ったようで、MAGは床に倒れて目を回している。
その隙に、P90は彼女の手から紙切れをひったくり、中身に目を通す。
一通り読んでから、彼女は一言こう言った。
「……あーらら、これマジ?」
そして、その紙をMGLに手渡した。その脇で、XTRはボソボソと声を発する無線機に耳を当て、顔を顰めている。
MGLが目を通した紙にはこんな事が記されていた。
『
』
「……ええと、つまり?」
「見事なまでの汚職事件だね。上が一斉に動けばもみ消せるとでも思ったのかなー?」
MGLの問いに答えるP90。いつも通りの明るい声色と言動に反して、その表情はいつになく険しい。
どうやら、今回は本気でヤバ気な事案の様だ──P90のその表情を見て、MGLもそう悟った。
その横で、XTRが呟く。
「リンクス……ああなるほど、奴が動いているのか」
「知っているのか雷電!」
「誰だ雷電。ではなくだな」
P90がボケを交えて食いつき、XTRはそれをにべもなく切り捨てる。
そして、彼女は顎に手を添えて首を傾げたままこう言った。
「先ほど顔を見合せたきりだが、あの手の輩は往々にして大胆不敵だが用心深く繊細だ。おそらく、既に粗方解決の目算はついてるぞ」
「話は聞かせてもらったァ!!」
その時、バァン! と扉を蹴り上げながら誰かが執務室へと入り込んできた。扉はその衝撃であっけなく大破した。
そしてそこから、胸元までファスナーの下ろされた緑のライダースーツに黒のチューブトップという過激すぎる服装の麗人が姿を現す。
突然の事態にP90は紙を放り捨てると懐からアーミーナイフを取り出し、素早い動きでそれを構えた。XTRは一応と言った様子でどこからかハンドガンを取り出し、銃口を突きつける。MGLは二人の様子を見てから慌てて懐を探り、なにもないので仕方なく自身の仮面に手を添えた。コイツ、周りを巻き込んでSAN値テロを引き起こす気満々である。
その様子を見た麗人はおどけたように両手をあげて、
「オイオイ待て待て、話せば分かるって。オレは別にアンタらを消しに来たわけじゃねぇよ」
「それは分かっているが、まあ念のためだな。言っておくが、そこから前後左右上下問わず少しでも動けば私のパイファー・ツェリスカが火を噴くぞ」
「お前なんてモン使ってんの!?」
リンクスが突っ込む。ちなみにだが、パイファー・ツェリスカとは600N.E.……まあ要するに象を狩る時などに使う弾丸を使ったリボルバーだ。しかも驚くことにRPG-7と同程度の重量を誇る。
当然、生身の人間が扱う武器としては射撃時の安全面にかなり難がある訳で。戦術人形の莫大な膂力に物を言わせた結果だろう。
そして、翠玉の麗人は観念したように言った。
「ったく……それ読んだならわかると思うが、オレは今クルーガーのヒゲ野郎と共謀して大粛清……間違えた。あれだ、いわゆる『働き方改革』ってのを計画してる。……どうだ、乗るか?」
「乗るかって言われてもなぁ」
「ついでに言うが、今こっちに全速力でオレの所属してる組織のトップが向かってきてる。奴が到着したが最後、これは詳細を省くが結論だけ言うとオレもお前らも全員死ぬ」
「怖い!」
迫真の様子でリンクスが言う。その様子をしばらく見ていたP90とXTRだったが、
「……話だけは聞くよ」
「どうやら嘘入っていないようだな?」
『心理学振りまーす』
『……(カラカラ) XTRはどうやらリンクスが嘘をついていないということが分かりました』
『よっしゃ成功したなこれ』
「TPRGやってる場合か馬鹿どもォ!!」
無線機越しに暢気なことをしゃべる『聲』に、XTRが怒鳴りつける。その様子を見たリンクスは嗤いながらこう言った。
「オーケー、とりあえず話は聞いてくれるんだな? ──ここだとセキュリティが甘そうだからな。ちっとばかし場所を変えようぜ」
EX1-3が難し過ぎて禿げそうです