どーも、ミツオ・ライブです。
今回も、難産でしたが、完成したので投下します。
時間がないから大変ですが、週一は守りたいと思いますので、皆さんどうかこれからも、よろしくお願いいたします。
ーー汝南都、袁術の居城にてーー
「にょほほほ。七乃、蜂蜜水を飲ませてたも」豪華な衣装に身を包んだ、金髪ロングの女の子。身の丈百五十センチほどで、可愛く右手を突き上げている。
バスガイドの様な衣服をまとった、七乃と呼ばれた女性が、目をきらきらと輝かせて言う。
「お嬢様ー、あんまり蜂蜜水を飲みすぎると、おねしょしちゃいますよー?」指をピンと立て、嬉々として七乃らしき女性が指摘する。
「ぴぃっ、......な、七乃、妾はおねしょなどせぬよの? そうよの?」表情をコロコロ変える少女。先程まで喜色満面だったのが、今はおどおどしながら訊ねていた。
「んー、どうでしょうねー?」眉を八の字にしながら、笑顔のままで七乃らしき青髪の女性が答える。
「わ、妾はおねしょなど、したこと無いのじゃ! だ、だからいくら飲んでも平気なのじゃ!」顔を赤らめながら少女が言う。
バタンと戸が開く。伝令と思わしき男が、少女の前で膝まづき報告する。
「袁術様、突然の無礼ご許しを。報告、孫策が何やら黒衣の男を拾ったもよう。何でもよにも珍しい料理を作るとか。領内にて、頭に黄色の頭巾を被った、不審な輩が多数出て来ている模様。......以上、報告を終わります」出ていこうとする男を、七乃らしき少女が呼び止める。
「待ってくださーい。んーそうですねー、一度孫策さんを呼んでみましょうか。伝令さん、孫策さんにその男を連れてくる様にお伝えしてください」丁寧だが、どこか見下した口調で言う。
「......わかりました。それでは、失礼します、袁術様、張勲様」礼儀正しい男はその場をあとにする。
「さてと......これから少し、忙しくなりそうですねぇ......」張勲は頭に指をあて思案する。
「で、七乃、蜂蜜水はまだかの?」楽天的な袁術の声が、玉座の間に聞こえていた......
ーー呉、孫策の居城にてーー
「......では、近いうちにサンジ殿御本人と、供に入城してくだされ。それでは、失礼します」伝令が城を出ていく。
「めーりーん、もうばれちゃったわよ、サンジくん匿ってる事」孫策が少し困った様な顔で、隣に立つ周瑜にこぼす。
「まぁ、いずれバレていた事だ。......ふむ、サンジ殿には申し訳ないが、得意な料理を策に組み込ませて貰うとしよう」周瑜の頭のなかには、緻密な策が描かれている様であった。
「......そうね、形振りかまってちゃ居られないわね。うん♪ じゃ、その事は冥琳に任せるわね」一瞬、
厳しい王の顔をする孫策。が、直ぐに笑ったかと思うと、周瑜に案件を丸投げにした。
「......まあ、良いだろう。お前はこういうとき、勝手な行動をして私を困らせるからな」艶やかな流し目に微笑をたたえたその顔は、男ならば誰でも劣情を抱くような美しい顔だった。
「んふふ♪ だから冥琳ってば、大好きよ♪」人目も憚らず、孫策が抱きつく。サンジが見ていれば、鼻血を出して卒倒していたであろう光景だった。
「こ、こら! 雪蓮! こんな所で抱きつくな! ッ! どッ、どこを触っている!」顔を赤らめ、狼狽する周瑜。孫策は、どこ吹く風と言ったふうに、聞く耳を持たなかった。
「ふふっ♪ じゃあ、閨に行きましょうか♪ そこなら冥琳も良いんでしょ?」周瑜にくっついたまま、移動を始める孫策に、周瑜は半ば諦めた顔でーーしかし、どこか期待した顔でーーなすがままに、引き摺られて行った。
ーー呉都、孫策の居城、中庭にてーー
太陽が西に傾き始めていた......
「ふぅんぬぅぅぅう!!」
羅刹のごとき顔の程普。決して小さくない身の丈だが、これを遥かに越える大きさの、鉄髄蛇矛(てつずいだぼう)を軽々と振り回す!
「ッ! クソッ、何つー馬鹿力だ!」
当たれば確実に死ねるそれを、見事なまでの体捌きでサンジはかわす。
「おいッ! オッサン寸止めじゃねえのか......よ!!」
降り注ぐ剛撃の雨を掻い潜り、蹴りを浴びせようとするサンジ。
しかし、腕に着けた篭手で危うげ無く捌いていく程普。四十を越えるその身体だが、武力は相変わらず衰えを見せなかった。
「おぉう、良い蹴りを放つ。しかし、まだまだ本気では無いなぁ? 死ぬ気でかかってこんかぁーい!!」
地に叩きつけたる蛇矛。爆発音と供に、クレーターが出来上がる。"呉に赤髪の程普あり"と、言わしめるだけの事はあった。
「ば、化け物だ、このオッサン。ルフィのじいさん見てえだな......」
一撃の威力をしっかり見切り、距離を大きく取りつつ対処するサンジ。おもむろに腕を捲り、程普に相対する。
「いくぜ! うおぉぉおおーー!!」
ドンッ! と、地を強く蹴ると、一足飛びに程普に迫るサンジ。
「むっ! 遂に来るかぁ!!」
低く唸ると、程普は鉄髄蛇矛を、大きく上段に振りかぶる。一撃必殺のその構えに、隙らしき隙は全く無い。尋常では無い殺気を撒き散らし、サンジの本気を迎え撃つ。
「吹ッ飛べ! 木犀型斬(ブクティエール)シュート!!」
地に手をつき、逆立ちの要領から身体をバネのように縮め、溜めた力を一気に爆発させる!!
「ぬぅうん!! 降龍落雷撃!!(こうりゅうらくらいげき)」
程普の顎を狙うその一撃は、上段から降り下ろされた蛇矛に阻まれた。
ドガァァアアン! 凄い衝撃が走り抜け、辺りの木々がミキミキしなる。二人は上下に弾き飛ばされ、サンジは地を滑り木に激突し、程普は宙に浮き上がり、体勢を崩し落下した。
「痛ってえぇ......オッサン、生きてるか?」所々に傷を負ったサンジが、立ち上がりながら問いかける。致命傷を避けている辺りは、鍛練といえどもお互いの力量の高さを物語っていた。
「ハッハッ、この位で怪我など......ッ! こ、腰に少々来てるのぉ......ま、まぁ大丈夫であろう。いやはや、歳はとりたく無いものだ......」腰を叩きながら程普は笑う。その顔は清々しく、まだまだ衰えない猛将の若さを彩っていた......
「ここに居たか、サンジ殿。少々頼みたい事があるのだが......」
「何ッでしょう冥琳ちゃん! 冥琳ちゃんの頼みなら、例え火の中、水の中、どんな事でも承ります!!」
「そ、そんなに難しい事じゃない。今度、袁術の所に出向くことになったのだが、それにサンジ殿も付いて来て欲しいのだ」
「冥琳ちゃんとお出掛けッ! 今がッ! 俺の人生のッ! 絶頂期だぁぁああッ!!」
「い、いや、雪蓮と何人かの兵士も供に来るのだが......」
「なッ!! ......冥琳ちゃんだけじゃなく、雪蓮ちゃんも、一緒、だと......!! 俺はもう、死んでも良い......いや! 冥琳ちゃんと、雪蓮ちゃんと一緒に出掛けるまで、死んでも死なねぇ!!」
「......ふふっ、そこまで言われると、流石に悪い気はせんな......ふむ、では、よろしく頼むぞ、サンジ殿」
「はいッッ! お任せください冥琳ちゃん!」何時もの様に鼻の下を伸ばしながら、恭しく礼をする。
「ふっ......ではまた、な」手を振りながら、周瑜は去る。
「さて......では我輩も、仕事に戻るとしようか。サンジ殿、鍛練に付き合ってもらい、感謝する。また、よろしく頼み申すぞ」伯符殿は仕事をされているかな、と、一人言を呟きながら蛇矛を担ぎ上げ、腰をさすりながら程普も仕事に戻って行く。
「......皆、忙しそうだ。どれ、俺も腕に縒りを掛けて、雪蓮ちゃん達のディナーを作りますか」厨房へと歩くサンジ。
ーー確か袁術は、民に重税を強いる様な奴だったよな......雪蓮ちゃん達とも仲が悪い様だし、野郎なら一発蹴り飛ばしてやるか......ーー
ーー汝南都、袁術の居城にてーー
「のうのう七乃、その男は料理が得意なんじゃろ? 妾は、蜂蜜をタップリ使った料理が食べたいのじゃ♪」
「うふふー♪ じゃあじゃあ私は、美味しい杏仁豆腐が良いですねー♪」
「うむ! なら早速、孫策からサンジとやらを、貰う準備をしておくのじゃ、七乃♪」
「わー♪ 流石お嬢様、相手方の事情を全く考えないんですねー♪ そこに痺れる憧れるぅう! よっ! 憎いねっ! この、我儘大党首! 傾国の美少女! 脳みそ空っぽ!」
「うははー♪ もっと褒めてたも、七乃♪ うはははーー♪」
ーー今日も、袁術の居城は、平和であったーー
解りにくかった方に解説など
閨 男女のカップルが、やらしいことをするところ
鉄髄蛇矛 程普の武器、三メートルを越える長さと、重さ六十キロをほこる蛇矛。装飾は少ない。