真・恋姫†夢想 ~黒足物語~   作:みつお・ライブ

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 ど、どうも、みつお・ライブです。

 週一を守るとか言っておきながら、こんなに開いたのは理由があるのですが、言い訳にしかならんので割愛します。

 こんなダメ作者ですが、よろしければ生暖かい目で見てやってください......。

 では、第六話、スタートです。







第六歩 交錯する思い

 

 

 

 

 ーー汝南都、袁術の居城に向かう道中ーー

 

 

 

 「はぁ~......、ほんと憂鬱よねぇ~」孫策が、溜め息をつきながらこぼす。

 

 「そう気を落とすな、雪蓮。......策を忘れた訳でもなかろう」難しい顔の周瑜。その顔は、どこか思い詰めている様にも見えた。

 

 「まあ、ね......サンジくんには悪いけど、孫呉が力を取り戻すためには、これが最良の選択なのよね」

 

 「......そんなに、サンジ殿に嫌われ無いか心配か」

 

 「違う、違う、そんなんじゃ無くてね......何と言うか、不思議な予感がするのよ。......これから先、サンジくんに頼りっぱなしって訳にもいかないしね♪」

 

 「雪蓮ちゅわぁ~~ん! 冥琳ちゅわぁ~~ん! 城門が見えてきましたよ!」

 

 「......まさか、本当に馬より早いとはな......どんな脚力をしているんだ、いったい......」

 

 「あははっ♪ 私も最初は驚いたわ。何てったって徳謀の一撃を、真っ向から蹴り止めるくらいだもんね♪」

 

 「ハッハッハ! サンジ殿の蹴りは凄まじいですぞ。なんせ、我輩を宙に蹴りあげた位ですからな」

 

 「......"あちらの世界"は、皆その位強いのだろうか? 一度、サンジ殿に"向こう"の話を聞かせて貰いたいものだ」

 

 「そーんなの、冥琳がお願いしたらすぐに聞かせてくれるわよ♪」楽しげに雑談をかわす孫策一行であったが、軍の先頭はそろそろ城門にたどり着き、既に整列を始めていた。

 

 

 「......それにしても、活気の無い町並みねぇ......まあ、解りきっていた事だけど」孫策が呟く。

 

 「袁術はまだ幼い。恐らく、"袁術"という隠れ蓑の裏で、甘い蜜を啜る奴等に、良いように使われているのだろう。......だからと言って、許す気は毛頭無いがな......」冷静に見解を述べる周瑜。その目には、微かに怒気が篭っているように見えた。

 

 「客将! 孫策様御一行、入場!」門兵が叫ぶ。兵の練度が低いのか、整列している袁術軍は孫策の護衛に比べると、大分見劣りした。

 

 ーーこいつは酷え......客を迎えるマナーがまるでなって無ぇ! 下町の料理店でも、まだ上の対応をする。目から、姿勢から、雰囲気から! もてなしの気配がてんで伝わらない! そりゃ、こっちが格下かもしれ無ぇけど、これはあまりにも酷すぎる......ーー

 

 冷静に、袁術軍の現状を見抜く孫策一行。護衛の兵を幾ばくか引き連れ、袁術の居城へと案内された。

 

 

 

 

 ーー汝南都、袁術の居城、城内ーー

 

 

 「にょほほほほ♪ よく来たの、孫策」独特の高笑いをあげながら、袁術が労いの言葉を掛ける。

 

 「あーはいはい、ありがとありがと。......それで? 今日は何の用かしら?」投げ遣りに孫策は言葉を返す。

 

 「はいー♪ 今日は、お嬢様が是非にと仰っていたのでー♪ 最近"勝手に"将軍職を与えられた、さんじさん? を紹介して欲しいんです♪」人差し指をピンと伸ばしながら、バスガイド風の格好をした張勲が言う。

 

 「はーいはい、それ位お安いご用よ......でもその前に、折角だから、家の新しいお抱え料理人を紹介したいわね......サンジくん、お願いできる?」含みのある言い方で、孫策はサンジを呼ぶ。

 

 「畏まりました、雪蓮様......」妙に落ち着いた様子のサンジが、孫策に軽く礼をしながら答えた。

 

 「あらー、その方がサンジさんですねー♪ 料理が得意なんですかー。......どうします? お嬢様ー?」張勲が、玉座に座る少女袁術に訊ねた。

 

 「うむ! 妾のために、蜂蜜を使った美味しい料理を作るのじゃ!」エイオーと、右手を空に伸ばしながら、袁術は偉そうに告げる。

 

 「......よろしいですか、孫策様?」またもや恭しく接するサンジ。

 

 「ええ、お願いするわね、サンジくん」これまたよそよそしい態度の孫策。

 

 サンジは恭しく礼ををし、案内されるままに調理場へと姿を消した。

 

 

 ーーこのよそよそしい態度は、袁術軍の軍師に危機感を持たせない為の策であり、サンジも泣く泣く了承している。ーー

 

 

 食事をする為、中庭に用意された宴席へと移動した袁術達。

 

 「......そろそろ、目的を教えてれても良いんじゃないですか~? 周瑜様~?」張勲が問いかける。

 

 「さて......何のことやら、見当もつきませんなぁ」大袈裟な身振りで、言葉を濁す周瑜。

 

 「もぅ、惚けないで下さいよ~」今も尚食い下がる張勲だが、意外な伏兵が横槍をさす。

 

 「七乃! 七乃! いったいどんな料理かの?! 楽しみじゃの♪」袁術が問いかける。

 

 「ぅえっ! わ、私ですかぁ~? う~ん、多分美羽様の大好きな、蜂蜜料理ですよ~♪」突然水を向けられ、戸惑う張勲。しかし、持ち前の頭脳をいかし、しっかりと返した。

 

 「そうかの! そうかのぅ♪ うははー♪ 楽しみなのじゃー♪」無邪気に笑う袁術。

 

 ここぞとばかりに、周瑜は孫策と話し込むふりをして、張勲からの追撃をかわす。その見事な手腕に諦めたのか、張勲は袁術と楽しげに話し込む。

 

 

 ーーしばらくして、サンジが料理や取り皿等を運んでくる。ーー

 

 「お待たせ致しました......それでは......」運んで来た皿から蓋をはずす。

 

 

 

 食欲にダイレクトに響く匂いと、思わずよだれが出そうになるその出来映えに、一瞬、時が止まったように感じた。

 

 「この地方で採れる、今が旬のフルーツをふんだんに使った、"フルーツケーキ"です。」

 

 それは、直径十五センチ程のケーキだった。色が映える様に並べられた数々のフルーツが、宝石の様に輝いている。香ばしいケーキの匂いと、甘く優しいフルーツの匂いが、見事に調和していた。

 

 持ってきたナイフとフォークで、綺麗に切り分けていくサンジ。袁術達は、今か今かという目で見ている。

 

 「......すごいのじゃ、あんなにフルーツ乗っておるのに、一つも崩れないのじゃ......」

 

 「......本当にすごいですね~♪ ーーあぁッ! 美羽様のお顔がとろけてらっしゃる♪ あれを食べたらどんなに可愛い顔をするんでしょう! ......ますますサンジさんが欲しくなりましたね......ーー」 

 

 皆にケーキがまわったところで、サンジが料理の説明を始める。

 

 「この地方特産の、"ジュエルべりー"や、"オーシャングレープ"、"サプライナップル"、"バラバナナ"等の果物を使った"フルーツケーキ"です。隠し味に......『蜂蜜じゃ!』......そうです、スポンジに蜂蜜が練り込んであります。存分に召し上がり下さい」

 

 我慢できなかったのか、袁術が一口を食べてしまう。その一口で、蜂蜜に気づいた袁術は大興奮だった。

 

 「んっ......! 今まで、食べた事無いくらい美味しい...... はい、美羽様あーん♪」

 

 「あーん♪ んぅぅーー♪ 美味しいのじゃー! ......孫策! この料理人を妾に譲るのじゃ!」

 

 「ダーメ、サンジ君は一応"将軍"だもの。そう簡単にはあげれないわね♪ (パクっ)ん、たくさんフルーツが乗ってるのに、全然喧嘩せずに纏まってるわね♪」

 

 「むむむー......!」

 

 「んー、そうねー......じゃあ、こうしましょう! サンジ君と、今そっちに居る家の将軍を交換しちゃえば良いのよ!」

 

 「ッ!! 美羽様それはッ」

 

 「うむ! 分かったのじゃ! サンジは妾が貰ってやるのじゃ♪」

 

 「ふふふっ♪ これで"交換成立"ね。じゃ、私の家族を返して貰うわね」

 

 「......んー、美羽様がそこまで仰るなら、仕方無いですね~......ーーまぁ、取り敢えずここは頷いて、実は返してあげなーい、ってのが一番ですね!ーー」

 

 「......その台詞、忘れないでよね」

 

 獣の様に、獰猛な笑みを浮かべる孫策。張勲は、己の背筋が寒くなるのを感じたが、顔には出さず圧し殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーー孫策一行、帰り道道中ーー

 

 「......上手くいったわね~、明琳、徳芳♪ ......"思春"、"蓮華"、ご苦労だったわ」嬉しそうに孫策が言う。

 

 「ええ、円滑に策が進んだからな」周瑜が言う。

 

 「ハッハッハ、この位お安いご用ですぞ。 ......しかし、どう言うことですかな? 我輩は、サンジ殿の近くでキョロキョロしていただけなのですが......」疑問を浮かべる程普。

 

 「あぁ、それはな......ーー」

 

 

 

 ーー纏めると単純な策である。目的は、サンジと呉の将校の交換である。その為に、サンジは料理を振る舞い、袁術の舌を虜にした。料理中程普がそばに居たのは、そこに注目を集めて、孫権と甘寧の脱出を容易にするためであった。......ここには居ないが、"周泰"と言う名の隠密が、同時刻、別の城に囚われていた、"孫尚香"、"陸孫"を救出していた。ーー

 

 

 

 「......ふむ、なるほど。 我輩も釣り餌の一つと言うことか。 流石は公謹殿だな」納得、といった表情の程普。

 

 ここでようやく、助け出された孫権が口を開いた。

 

 「姉様......心配をお掛けしてスイマセン。 それと、助け出してくれて、ありがとうございました」詫びをいれるかの様な態度の孫権。すぐ後には、同じく頭を下げる甘寧の姿もあった。

 

 「気にしなくても良いわよ♪ 蓮華が無事で、私も嬉しいしね」慈しむ顔で応える孫策。その目には、安心の色がありありと浮かんでいたーー

 

 

 

 

 ーーその頃、袁術の居城では......ーー

 

 

 「ええぇ~っ! 孫権様と甘寧さんが居ないんですか!?」狼狽する張勲。

 

 「交換したんだから当然でしょう、張勲ちゃん」対照的に、落ち着いているサンジが言った。

 

 「そ、そうですけどぉ」張勲は、考えが纏まらないのか、あたふたしている。

 

 「サンジ! お夕飯は、何にするのかの?」元気に聞く袁術。

 

 「もっちろん! 袁術ちゃんが、喜んでくれる料理だ!」サンジも元気がよかった。

 

 「もうっ! 美羽さまぁ~...... ーーんー、取り敢えずまだ、あせる必要は無いですね~♪ サンジさんはこっちに有るわけですから、孫策様も無理はしないでしょうしーー」危険は少ないと判断した張勲。

 

 「うははー♪ 夜が楽しみなのじゃー!」

 

 袁術の元気な声が、今日も城に響いていた。ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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