こんな小説を楽しみにしてくれている方、本当に申し訳ありません!
「気分はいかがですか?」
「良さそうに見えるなら、眼鏡を新調した方が良いんじゃないか?
なんならその眼鏡叩き割ってやるからここから出せよ」
「遠慮させて貰います」
装甲艦・タルタロスの一室にある、犯罪者を閉じ込めるための鉄格子付きの部屋。
その部屋で、ディーは顔に青筋を浮かべて、鉄格子越しに此方を見ているジェイドを睨みつけて、口調を荒げている。
「先ほどの時とは口調が違いますね……怒ってます?」
「訳も分からず軍人に拘束、拉致られ、連れてこらてたら牢屋にぶち込まれる……これで怒らない訳ねえだろ!」
「おや、そうなんですか。謝罪しましょうか?」
「テメェ……いやもういい、ヤメだヤメだ。形だけの謝罪に意味はねえ」
感情を剥き出しにしてジェイドに詰め寄ろうとしたが、ディーは頭をガリガリと掻き毟ると、大きく溜息を吐いて備え付きのベッドに腰掛けた。
「それで?ただの民間人の俺をこんな檻にぶち込んだ理由を聞かせて貰おうか?」
「おや口調は戻さないんですか」
「敬語を使う気なんざ失せたよ」
ディーは大きな溜息を吐きながら、さっさと話せと目でジェイドに訴えた。
「漆黒の翼はご存知ですか」
「噂の盗賊だろ。それが俺と何か関係あんのか?」
「貴方がその漆黒の翼の一員と思い貴方を拘束しました」
「はあぁっ!?」
ジェイドの話しに驚きディーは再び鉄格子まで近づく。
「なんでそうなんだよ! 俺が漆黒の翼な訳ねえだろうが!」
「ええ知っていますよ」
「はっ、知ってるだぁ!?」
「本物の漆黒の翼は先日、ローテルロー橋を落としタルタロスの追跡を振り切りました」
「じゃあ何で」
「建前ですよ。貴方に頼みたいことがありましてね。それと話したいこともね」
釈然としないディーをよそにジェイドは部屋にある椅子に座る。
そしてディーに話し始めた。
「単刀直入に言います、貴方にイオン様の護衛を依頼したいのです」
ジェイドの口から出てきた言葉にディーは間抜けな顔を晒した。そんなディーに構わずジェイドは話しを続けた。
「今回の件を鑑みましてね。これから先、あの方に勝手な行動を取られるのは非常に困るのです……直接の護衛は付いているんですが、どうも彼女はイオン様に甘すぎる所がありましてね」
「なるほど、今回みたいな事がまた起きるかもしれない……だから護衛役とは別に監視がいるってわけだ」
「ええ、その通りです。引き受けて頂けますか」
ディーはベッドから立ち上がり、鉄格子まで静かに歩くと椅子に座るジェイドを見下ろす。
鉄格子を両手で掴み、顔を鉄格子の間から覗かせている。
「聞いていいかな。なんで俺なんだ? そんな重要な事を依頼するなんて、自分の部下に任せりゃいい。なのに会って一日もたってねぇ身元も分かんねえ奴にんな重要な任務を任せるか、普通」
「それは、依頼を受ける、ととっても構わないのでしょうか」
「質問の答えによるな……で、何でだ?」
答えを促すディー。ジェイドは椅子から立ち上がり鉄格子に近ずく、鉄格子越しに二人は視線を交錯させる。
二人とも表情は笑顔だが、空気は険悪そのものだ。一言も話さず部屋の中は静寂さに包まれていた。
「貴方だからです」
静寂を破ったのはジェイドだった。
「俺だから? 意味がわかんねえな、どう言う意味だ」
「そのままの意味ですよ……
ジェイドの口から出てきた名前に目を見開くディー。だがそれもほんの一瞬、すぐさま表情を戻すとジェイドを睨みつけた。
ジェイドはそのまま話しを続ける。
「チーグルの森で会った時、どこかで見たことがあると思いましたが思い出せませんでした。ライガ・クイーンと貴方の戦いを見るまでは」
「……」
ジェイドの話しに静かに耳を傾けるディー。
「昔、戦場で見た剣捌きでした。それで思い出した時、ある種の懐かしさと疑問が生まれました。貴方は死んだと聞かされていましたからね」
「分かった、もういいアンタの依頼を受けるよ」
「そうですか、それは良かった。あのデューイ・キリトシアに……」
「ただな」
ジェイドの言葉を遮ったディーの瞳には敵意と殺意が込められている。
「その名前で二度と呼ぶなジェイド・カーティス。デューイ・キリトシアは死んだ、俺は……ディー、ただのディーだ。次呼んだら……」
その続きをディーが言うことはなかったが、ジェイドはその続きが何なのか理解していた。ディーの目が語っているのだ。
ーーお前を殺すーー
そう語っているのだから。
「分かりました、では詳しい話しは後ほどするとして……ハインケル曹長!」
「はっ! 失礼します!」
ジェイドが扉の向こうに呼びかけると、マルクト軍の軍服を着た青年が入ってきた。
「少し所用がありますので私はこの変で、後で迎えを行かせます。それまではこのハインケル曹長が貴方につきますので……曹長」
ジェイドが視線を送ると、ハインケル曹長は鉄格子に近づき鍵を開けた。ディーはそのことに目を丸くした。
「いいのか」
「ええ、それと」
ジェイドはどこからかボロボロの鞄と外套を取り出した。
「俺の鞄と外套! てかどっから出したんだよ、それっ!?」
「企業秘密です」
「企業秘密ってアンタ……」
呆れるディーを尻目にジェイドは部屋の扉を開けるとそのまま部屋を後にした。後に残されたディーとハインケル曹長の二人の間に気不味い空気が流れる中。
「よ、よろしく」
「……ふん」
挨拶を交わそうとするディーだったが、ハインケル曹長は嫌悪感を露わにしながら椅子に勢いよく座った。その様子に小さな溜め息を吐きながら、ディーはベッドに横になると目を閉じると、数分もしないうちに寝息を立て始めた。
リアルが忙しかったのと新しい小説のネタが浮かんでしまいどうしようかなと考えてしまった……
ヴェスペリアとハーツのネタが浮かんだけど本当にどうしよう?
では、また次回!