あまり関わりが上手くない提督が鎮守府に着任するお話   作:木啄

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 こんばんわ、木啄です。
今日も今日とて更新しておりますが、作っては更新なので、正直誤字あたりの修正が
毎度毎度追い付いていないような気もします。

少しだけ間をあけてためて作ったほうがいいのだろうか?なんて思ったりもしています。
そのあたりはまた調整することにします。

それでは、本日もまた、新しいキャラが出てくる・・・かもです



その8 提督、艦娘を作る

 入渠を終えた軽巡が一人、ソファーの上でくつろいでいると、二つの足音が近づく

 

 「ん・・おう、疲れお二人さん。今日も頑張ったんじゃねーの?」

 

  入渠を無事に済ませてから、談話室で一人くつろぐ天龍を前に、今さっき出たばかりでまだ少し髪の毛が濡れている朝潮型二名が姿を見せる。

 

 「本日も演習のお相手ありがとうございました、天龍さん」

 

 「お疲れ様です!天龍さん!」

 

 礼儀正しくお辞儀をする長女の朝潮とは相反するかのように

元気よく手を振る次女の大潮。

 

 大潮とは若干の付き合いがあるのでしょう、その元気の良さには天龍も既に流石に慣れたようで、手のひらをひらひらと動かしています。

 

 「しっかしここはほんとに誰もいねえなぁ。まぁしゃーねえか」

 

 まだ鎮守府としての機能を完全に取り戻せてはいないので、未だに封鎖というよりか

使えない施設が幾つか存在しているのも事実で。

 

 ・・・まだまだ寂しい感じが消えないのは仕方ないのかもしれません。

 

 「ですが、これからもっと沢山の仲間を増やして、いつかは私たちも海域を取り戻す作戦に参加出来たらいいと思います。大潮はどう思いますか?」

 

 「はい!同意見です!!私も朝潮姉に賛成です!」

 

 牛乳パック片手に元気のいい大潮に、そんな妹を見て少しばかり微笑んでいる姉の朝潮。

 

(妹・・ねえ)

 

 艦娘による適性検査によって艦娘になった”天龍”は、もともとが一人っ子というのもあり、姉妹という存在に今一どういった感覚なのかわからないでいる。

 

(ー俺にも居るんだろうな。妹ってやつだ)

 

 会ったことはない。しかし知識だけでは知っている姉妹艦のもう一人の存在。

名前は確かー・・たつー・・

 

「っと、そんなことはどうでもいい・・・って、そういえば提督の姿見えねえな?」

 

 普段であれば演習が終わったぐらいに一度顔を出してくるのがこの鎮守府の長たる提督・・もとい、”神楽暁”という男なのです。

 

 様子を見にと言ってはいますが、実際は”3人の安否確認をしに来ているなんていうのは知る由もないでしょう。

 

「こちらから様子を見に行ってみましょうか。本来であればたちのほうから報告をするべきかもしれませんし、どうでしょう?」

 

 流石はしっかり者の朝潮。もとい提督の秘書艦でもあります。そんな彼女の意見に二人は頷いて、早速行動に取り掛かります・・といっても、ただ単に司令室に行くだけですけど。

 

「しっかしまぁ、あの提督いっつもなんかしてるよなぁ。

ちゃんと休息とってんだよな?」

 

「はい。私が居るときには休憩をとってもらっています。時々無茶をしてずっと職務にとりかかっているなんてこともありましたから。」

 

 まじかよ、といった感じの表情を浮かべる天龍です、無理もありません。

 

 天龍の性格上。時間があれば”さぼる、寝る、食う”の基本3行動、ある意味妖精さんみたいな性格です。

 

「うっひゃあ・・すっげえなぁ。真面目の真面目、くそ真面目ってやつじゃね?」

 

「司令官に対してその言いぐさは少し問題かもしれませんが

実際のところはそうですね」

 

「司令官は頑張り屋さんですからね!!たまには休んでもらわないといけません!!」

 

 えぇ、そうですね。と朝潮は頷きながら、司令室の前に止まる。すると天龍は首をかしげて見せる。

 

「・・・ん?音がしねえぞ。いないんじゃねーの?」

 

「そうですね・・何か物音がしてもおかしくありません」

 

 流石は艦娘といったところでしょう。

 

人の数倍、気配を感じ取り、物音を聞いたりと、艤装がなくてもある程度の能力はそのまま体に潜在的能力として存在しているようです。

 

「とりあえずノックして入ってみましょうかー???司令官、居ますかーっ?大潮ですーっ入りますよー???」

 

 元気よく扉を叩いてから、ガチャリと扉を開ける。するとそこには誰もいません。

 

 何故なら今、提督は工廠に居て、その事をこの3名に伝えていないため、どこにいるのかも知る由がないのですがー

 

「・・ん?おい、妖精さんがいるぞ」

 

 偶然?にも、司令室の提督の机の上でお菓子をむしゃむしゃと食べている3名の妖精さんがそこに居て、なにやら楽しそうにパーティーを開いています。

 

 しかし本来であればそこは作業机。

 

 もしここに提督が居たのであれば、苦笑いを浮かべながらどうしたものかと頭を悩ませているに違いありません。と3名は頭の中で考えています

 

「あのっ、すみません妖精さん」

 

 朝潮が声をかけると、3人の妖精さんは「いったいなあにー」と言いたげな様子でこちらを見ています。少しめんどくさそうな感じです。

 

「提督を見ませんでしたか?この時間帯は普段、職務をしている筈なのですが」

 

「提督さん提督さん。どこいったっけなぁ」

 

「あそこだあそこ、妖精ファクトリーだ」

 

「んだんだ、提督さんかわいいねー」

 

 相も変わらず3人目は提督のことを愛でています、余程気に入ったのでしょうね。

 

 それはさておき、妖精さんの”妖精ふぁくとりー”という物が一体なんなだろうかと思い、今度は大潮が尋ねてみます

 

「その”妖精ふぁくとりー”ってどこにあるんですかー?」

 

「どこだったけなぁ」

 

「あそこだあそこ、こーしょー」

 

「んだんだ。提督さんおいしそうだ」

 

「旨そうには見えねえだろ流石に」

 

 流石に我慢ならなかったのが、すかさず天龍が突っ込みを入れています。ナイス突っ込み、なんて言いはしませんが、大潮は内心そう思って・・顔に出ていました。

 

「まぁいいや、提督は工廠にいんだろ?」

 

「しかしまだ工廠は閉鎖されていますよね?工作艦が来ていないからという理由で」

 

「何か用事かもしれませんね!先程の”妖精ふぁくとりー”っていうやつかもです!」

 

 ”とりあえず工廠に行ってみよう”

 

 天龍を旗艦に?朝潮と大潮がそれに続いて鎮守府内を歩き始めます。

 

 窓から差し込む午後の日差しも暖かいもので、もしも可能ならばこのままお昼寝したらとても気持ちがいいのかもーなんて、3人の艦娘は考えます。

 

 しかしまずは提督の捜索が大優先。いま、提督がもし居なくなったら

未曽有の危機に瀕してしまうからです・・!

 

 それだけはなんとしても防がなくてはいけないー

 

 などと何故か提督が行方不明扱いにされ、何か事件にでも巻き込まれたのではないのだろうか、というどうしてそうなった状態になりつつあります。しかし止める人はいません。

 

「ったく、めんどくせえ事になってねえといいけど・・」

 

 天龍がぼそりと呟き、二人も黙ってその言葉に頷いたのでした。

 

ー。

 

 一方、まさか自分が突如行方不明になり、もしかしたら拉致監禁そして何か事件に巻き込まれてしまったんじゃないかと心配されているとも知らない提督といえば

 

「・・・む?何やら時間が表示されたな」

 

 タブレットには20分と表示されていて、これが0分になると、中から艦娘が出てくるとのことで一体どういう仕組みなのか再度聞いても、工事長は内緒とウインクするだけであった

 

「レシピや、投下する材料の違いによっても、もしかすると違うかんむすさんが出てくるのかもしれませんなぁ、まだこれが1回目なので、なんともいえませんが」

 

「ちなみになんだが、そのレシピというのはどこかに書いてあるのか?」

 

 提督が尋ねると、工場長はひとしきりうなったあとー

 

「W●kiを使うといいかも「それいじょうはいけない」

 

 何か言ってはいけないような事を言い出したので、提督は何故か体が勝手に工場長の口をふさいでいた、恐るべし無意識。

 

「実はもう一つ、同じような水槽を作っております。そっちはまだ未完成でして」

 

「ふむ、上手くいけば同時に二つ回せるかもしれない・・というところか」

 

「まぁ、そうなります」

 

 少し言い直したような感じがあるものの、工場長はどこか楽しそうに、今現在建造中の水槽をじーっと眺めているとー

 

「失礼するぞー、提督はいるかー・・ってうお。なんだありゃ」

 

「失礼します。朝潮です、提督はいらっしゃいますか??」

 

「大潮でーす!!わあ!!すごいですね!!」

 

 3人の声が響き、途端に工廠の内部がにぎやかになる。

 

 それまではほかの妖精さんの声もしてはいたものの、比較的静かだったため、提督は直ぐにあの3人だろうということに気が付いたのだ

 

「あ・・!!居ましたよ朝潮姉!!天龍さん!司令官です!」

 

「ん?おぉ、マジだ。生きてたか」

 

「司令官!ご無事で何よりです・・!!」

 

 3人の表情は何故か”物凄い心配していたんです” といった感じで、提督は若干困惑する

一体何があったのだろうか。と

 

「む、すまない、何かあったのだろうか?」

 

「む、すまない、じゃねーって、どこで道草くってんのか心配して探してたんだぜー?」

 

「は、はい。司令官の姿が見えませんでしたので・・・」

 

「3人で探していましたー!でも見つかってよかったです!えへへ!!」

 

 朝潮、大潮、天龍。3名の言葉に、提督はすまない、と頭を下げる。

 

 ・・恐らく入渠後に普段様子を見に行くのが最近の恒例だったためか、今日は見当たらないということで恐らく心配になってしまったのでしょう。

 

(だがしかし何故工廠にいっているだけでここまで大騒動になったのだ・・?)

 

 提督は知らないのです。まさか3人の妄想に近い想像でここまで事が大きくなってしまっていたということを知る由もないのでしょう・・。

 

「提督さん。そろそろ時間が、もうじき解放されますよ」

 

 工場長の言葉に、提督は頷いてから、再び視線を水槽の方へと向ける。

 

「恐らく、これが人類初めての作戦かもしれません。ボクら妖精と、提督さん含めた人間さんの協力によって。」

 

 史上初の、艦娘が出来上がるのですからー。

 

「史上初の艦娘ってなんだ・・?こっから出てくんのか・・?」

 

「私たち艦娘が・・?」

 

「それって物凄いんじゃないですか・・?っ」

 

 画面に表示されている数字が、カウントダウンを始める。

 

「さ、提督さん。あなたがこの鎮守府の長であり、かんむすさんのリーダーでもあります。

だから、まずは提督さんが見届けてあげてください。」

 

 ”かんむすさんの誕生を”

 

 工場長の言葉に、提督は無意識に唾を飲み込み、じっとその機械を見つめるー。

 

 大きな音とともに蒸気が上がったと思うと、モーターのような駆動音・・そして。

大きな扉が、ゆっくりと開かれー

 

「・・・・」

 

「・・・・ん・・んん・・」

 

 開かれた扉の先に居たのは、小柄な女の子だった。

 

「おぉ・・まじか・・」

 

「わぁ・・・!」

 

「すごいです・・」

 

驚きの声を上げる3名の艦娘と、その声を耳に届いてはいるも、不動の姿勢でじっと、その少女を見つめる提督。そんな提督の視線に気が付いたのか、”少女”は提督をじっと見つめたと思うとー。

 

「あなたが・・司令官?」

 

 ゆっくりと開いた口から、言葉が漏れる。そんな彼女の言葉に、提督は「そうだ」と返事をする。するとー

 

「・・こほん。私は・・”暁”。特型駆逐艦の一番艦、暁よ。・・よろしく、司令官」

 

 そう言うと、”暁”はゆっくりとお辞儀をしたー。

 

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