あまり関わりが上手くない提督が鎮守府に着任するお話   作:木啄

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 最近非常に寒いですね、冬に逆戻りな気もします、木啄です。

”お気に入り件数が60越え”になっていて驚きました、私なんかのと言ってはあれかもしれませんが、それでも見てくださっている方々がいらっしゃるというのは素直に喜ばしく思い、これからも頑張って更新していこうという気持ちがより一層強くなれました。

これからもよろしくお願いします。

では、本日ものほほんとやっていきましょう



その9 鎮守府のおやすみ その1

 本日の鎮守府は珍しくお休みです。

 

 というのも、大本営から定期的に送られてくる内部情報文・・シンプルに言えば各鎮守府などで起きている出来事や問題などをいちまいの新聞のような形で各鎮守府に送られてくる訳なのですが、そこにとある問題提起がされていました。

 

 それはー

 

 ”艦娘の休日が圧倒的に少ない鎮守府が存在する”というもの。

 その文章を見て、提督は

 

「本来であれば艦娘達によって海が守られている、何故上官である提督がそれを理解しない・・これは我々の鎮守府でも何れ起きる可能性もある・・ふむ」

 

「しかし司令官。私たちの鎮守府は艦娘の数が4名と、未だ少ない状況の中、一気に全員を休ませる・・というのは、少し危険ではありませんか??」

 

「だがしかし・・」

 

 提督が珍しく口ごもる。

 どうやら本気で他の鎮守府の艦娘達の事を含め、考えてくれているというのが目に見て分かり、そんな提督を見て天龍は

 

「提督の気持ちはありがてえけどよ、俺たちの事ももっと信頼していいんじゃねえの?

たまには少しぐらい俺たちを無理させてもいいと思うぜ?」

 

「天龍さんの意見に賛成です司令官!普段から司令官は大潮達を大切にしてくれてるのはよーくわかっていますから!!ねっ、”暁”ちゃんっ!」

 

 先日から新たに加わった新しい艦娘”暁”は、提督をじーっと見ては

「そうねっ」と頷く

 

「司令官は見た感じレディーを大切にしてくれそうだしっ、悪くないと思うわよ」

 

「ふ、ふむ・・”暁”もそうなのか・・?」

 

 暁・・つまりは同じ名前、だけど性別は正反対。

 そんな”暁”がそういうのであればそうなのだろうか、など何処か戸惑う提督。

 

 仕方ありません、艦娘が突然”暁ちゃん”と呼ばれたら、同じ”暁”である提督は一瞬鳩が豆鉄砲を食ったようにきょとんとするのも無理はないと思います。

 

 とはいえ、いい加減この状況にも慣れ始めてきた提督、流石はその対応能力の高さ。

 あの妖精さんたちとも、最近では流暢とまではいきませんが、楽しそうに?会話をしているところを時々朝潮や天龍が見ていたりします。

 

 しかしー

 

”「おーい提督」”

 

”「・・・む、天龍か」”

 

 ・・と、対人になると途端に表情が固くなるのは、やはりまだ完璧には慣れていないのかもしません。

 

 千里の道も一歩から。

 焦らずゆっくりと艦娘達とのコミュニケーション能力を高めていきたいと思う提督は、こっそりコミュニケーションの本を先日購入しました。

 

 役に立つかどうかは・・謎ですが。

 

 それはさておき、半ば提督の強引な決断により試験的に導入された全員お休みの日。

 

 普段からにぎやか・・ではありませんが、それでもやはり静かな鎮守府というのも最近では少し珍しいと感じるこの頃で、朝潮と提督しか居なかったあの時は、いつもが静寂みたいなものだったのを考えると、うれしい進展かもしれません。

 

(普段から騒がしいというわけではないが、やはり活気があるほうが民間の目から見ても悪くないという気もするしな)

 

 そのため、早いところ人員に関して問題解決を図らなければ。

 

 自室を簡単に掃除機でゴミを吸い取り、バケツに汲んできた水を雑巾に浸して、水拭きを始める鎮守府の顔でもある提督。

 

 ”心の清掃は部屋の掃除から”、とまではいかないかもしれないがー

 

 それでもやはり、掃除をすることで常に清潔感が保たれるというのは、部屋にとっても悪くはないだろう、というのが提督の考え方で。

 

 一方の艦娘達はというと、外出許可証の届け出があり、今現在は恐らく4人で親睦会でも開いているのかもしれない、と提督は考えている。

 

 何れは戦場に赴く彼女達。

 お互いに良い関係を築くことで、ここぞというときにお互いの力が発揮されることだって多々あるということ、この提督が一番よく理解しているからです

 

「さて・・と、こんなものか」

 

 元々睡眠と着替えだけにしか使っていない自室、その為あまり目立つ汚れは無く、基本的に綺麗なままではあるものの、やはり気分的にも気持ちが良くなることはとても大切で。

 

「ふむ・・これからどうするべきか」

 

 時間はむしろ有り余っている・・ならばー。

 

・・・・。

 

 一方艦娘4人組といえば

 

「しっかしまぁ、港町だってんのにこんなに賑やかだなんて驚きだな」

 

「割とこの町は観光的にも人が多く訪れる場所なのかもしれません。司令官も何れは町との交流も考えていきたいと仰っていました」

 

「ふーん、そうなのね。司令官もこればよかったのに、何してるのかしら?」

 

「きっとお部屋のお掃除ですよっ!!司令官は真面目ですからっ!」

 

 ”・・それを言ってしまうと大潮、貴方は不真面目に聞こえてしまいますよ。”

 

 なんて一瞬考えはしたものの、口にするのは野暮というもの。

 

 朝潮はそっと胸の奥に言葉をしまって、これからの事を考えます。

 

「ですが、天龍さんの突然のひらめきには驚きました。司令官も外出許可の手続きを快くしていただいて、感謝しかありませんね」

 

「まぁなー。だってあいついつも一人なんだろ?たまにはわいわい賑やかになんかやんねーとな・・っと。それ重いだろ、暁、持つぜ」

 

「へっ??だ、大丈夫よ!レディーはこれぐらいへいきよっ」

 

 身長が一番小さい暁。しかしその両手には重そうな袋を二つ持っていて、本人はいいのかもしれませんが、見てるほうはだいぶ苦しそうに見えます、そんな暁をみて

 

「ほらよ、こっち持てよ」

 

「ふぇ?あ・・ありがとう。」

 

 天龍の持っていた軽いほうを手渡し、暁の重たい袋を片方交換すると、再び鎮守府へと歩き始める艦娘一行、その手には食材や飾り付けに雑貨など、日常品も含めた様々な物を購入していました。

 

「特別給与って訳じゃねえけど、提督から金ももらってたしな、ありがたいもんだぜ」

 

「はい、ですが今回の買い物で殆ど使い切ってしまいました・・大丈夫でしょうか?」

 

「仕方ありませんよ朝潮姉っ。暁ちゃんのお部屋とかのインテリアも考えないといけませんし!ねっ!暁ちゃん!」

 

「う、うん。」

 

 まだここにきて数日、それでも必死に仲良くしようと頑張る暁と、そんな彼女を迎え入れた3人の間では、確かにゆっくりと、そして確実に絆は深まっていることでしょう。

 

「さーて早いとこかえってぱーっとやろうぜ!!」

 

「そうですね、私たちの腕の見せ所ですし」

 

「暁だって頑張るわっ」

 

「大潮もお手伝いしますからねー♪」

 

 4人は元気よく、そして笑顔で、彼女たちの家でもあり拠点でもある鎮守府へと足を進ませるていきます。

 

 ・・ちなみに袋の中は、お菓子や白菜やおネギなどなど、一体何を作るのかは、彼女達の秘密、そんな4人が楽しそうに買い物を終えて、帰路についている最中、提督は一体なにをしているかというと。

 

・・・。

 

 「新しい艦娘の作成ですか?ですが今日は休日なのでは?」

 

 妖精ふぁくとりー、もとい工廠にて、提督は私服のまま足を運んでいました。

 

 「まぁな。だがやはり今現在の問題を解決しようと思っていたら・・ついな。」

 

 ”ははぁ、提督さんは頑張り屋さんですなぁ”と、工場長も若干呆れを見せていました。

 

 「あまり根詰めすぎもよくありませんよ提督さん。貴方が倒れてしまったら、守る人がいなくなってしまいますからねー」

 

 「う、うむ。肝に銘じておくことにする・・」

 

 とはいえ、ボクも実は気になっていたんですけどね、と。

 工場長は少し恥ずかしそうにちっちゃいながらに体をくねらせています。

 

 「さーて、それじゃあレシピを開きましょう。どんな数値で建造しますか?」

 

 機械の起動音と共に、あの大きな水槽らしき機械が動き始める。

 その間に工場長は手際よく手元にあるタブレットを提督に差し出します。

 

 「ところでこのレシピなんだが、資材を多く入れたら入れるだけ何か変化があるのか?」

 

 提督は前回の事を思い出しながらタブレットを受け取るも、少しばかり頭を捻り、手元の資材の量などなど確認しています。

 

 「運といいますかなんといいますか。これは一種の儀式、言わば降霊術みたいなもので、艦の記憶や、そこに宿る魂をボクらの技術で融合させて新しいかんむすさんを生み出す、みたいなものなので、どれだけ投入すればこれが出てくる・・というのはありません。」

 

 「なるほど・・ならばこれから模索しなければならない訳か・・」

 

 「とはいえ、海軍の大本営さんと以前から準備をしていましたからね。

とりあえずこれだけ投入するとこういうのが作れるかも~みたいなものはあります。

信憑性は無いですが」

 

 なんとなく何が言いたいのかわかってきた提督、それは前話を参照するとわかるかもしれません、恐らくですが。

 

「いや、それはいい。遠慮しておくとしよう・・」

 

 提督は苦笑いを浮かべながら、とりあえずこれくらいかといった感じに数値を入力していくと、工廠に設置されてあるクレーンが動き出し、それぞれの資材がこの大型装置へと投入されていきます、そしてー

 

「お、出てきましたよ提督さん。”2:00:00”です。どうやら交信が成功したみたいです」

 

「ふ、ふむ。そうなのか・・それなら良かった」

 

 少しばかり緊張していた表情も、普段の冷静な顔に戻・・いや、普段から冷静というか、滅多な事で慌てふためいたりはしませんが、なんとなく工場長からみた感じそういう風に見えていたようです、実際のところはわかりません、提督のみぞ知るもの、です。

 

「さて、どうしましょうか?あと他にやることもありませんし、おしゃべりします?」

 

「私と話していて楽しいのか・・?」

 

 提督は苦笑いを浮かべると、周囲にいた妖精さん含めて皆がうんうんと頷いています。

 ”堅物なのがいじりがいあるです”と、一人の妖精さんが言うと、再び周囲の妖精さんが一斉に頷いていて、なんだかそれはそれで複雑な心境になる提督でした。

 

 

 

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