……まぁ、愛国心? なにそれ美味しいの? な彼女はむしろ一夏君に上等かますことの方に不快感を示してイロイロやらかしそうですね^^;
聞かれてなくてよかったネ(白目)
「ちょっとよろしくて?」
二時間目も無事(?)終了した後の休み時間、俺は金髪ロールのお嬢様風な外人さんに話しかけられた。
ちなみにこのIS学園は世界中から生徒が集まる為に外人さんも多く、このクラスの生徒も約半数が外人さんだったりする。
俺、日本語しか話せねーけど大丈夫か?
「……誰だっけ?」
思い切りずっこける外人さん。入学初日の数時間しか経過してない状況で名前と顔をすぐに覚えられるヤツなんているのかね?
だからこの人の名前を覚えてなくてもしょうがないよな?
「あ、貴方自己紹介を聞いてませんでしたの!?」
「ワリィ、ワリィ。で、アンタ誰? 俺とA.T談議でもしに来てくれたのか?」
「違います!」
「なんだ、ツマンネ」
「まぁ、なんですのその態度!? この私に話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言う物があるのではないかしら?」
「……」
なんか、めんどくせーのに絡まれたよコンチクショー。
今の世の中は完全に『女尊男卑』の風潮に染まっている。理由は当然ISの存在だ。
ISは世界最高戦力の座に君臨し、他の軍事兵器は全て鉄屑と化した。『男と女性が戦争したら男陣営は三時間で制圧される』とも言われている程にだ。
そうなると『ISは女性にしか扱えない』と言う絶対条件が『女性=偉い』及び『女性>男』と言う等式を成り立たせ、『男=奴隷または労働力』なんて事がまかり通る世界になってしまった。
故に街ですれ違っただけの見ず知らずの女性に男がパシらされている光景が珍しくない。 目の前のこの外人さんもそんな風潮に染まった『今時の女子』だった。
正直こーゆーヤツ苦手なんだよ。
「私を知らない? イギリス代表候補生にして入試首席のこのセシリア・オルコットを!?」
「あー、そういやそんな名前だったな」
代表候補生ってのは俺的解釈ならオリンピック候補生のIS版みたいなヤツだ。
でもよほどの情報通でもなけりゃそんな事を知ってる方が不思議じゃね?
箒と言い、このオルコットと言い……あれかね? 今日の俺は女難の相でも出てんのかね?
「で、そのエリート様が何か御用でしょうか?」
「そう、エリートなのですわ! 本来なら私のような選ばれた人間とはクラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。その現実をもう少し理解して頂ける?」
鼻に着きそうな距離で突き付けて来るんじゃねーよ。ついでに自分に酔ってねーでさっさと用件言えよ、この金髪トルネード。
「大体、初日から授業に遅れたりする上にISの事を何も知らない貴方がよくこの学園に入れましたわね? ……唯一男でISを操縦できると聞いてましたから少しは知的さを感じさせるかと思っていましたけど……期待ハズレですわね」
「ハッ、こちとらISに関する知識なら小学生並しかねぇぞ。恐れ入ったかコラ」
「何を自慢気に言ってるんですか!? まぁ、私は優秀ですから貴方のような人間にも優しくしてあげますわよ?」
……コイツの態度が優しさなら俺のセカンド幼なじみは天使、いやそれすら超えて慈愛の女神だな。
そーいや元気かな、アイツ……後で電話してみるか。
「ISの事で解らない事があれば、泣いて頼むなら教えて差し上げてもよくってよ? 何せ私は入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」
「へぇー、入試ん時の教官になら俺も勝ったぞ?」
「は?」
実際には突っ込んで来た教官を避けたら壁に激突、そのまま気絶しただけなのだが。
「わ、私だけ。と聞いてましたが?」
「俺だって詳しくは知らねぇよ、女子では〜とかってオチじゃねーの?」
丁度その時三時間目開始の本鈴が鳴り、オルコットとの話にもオチがついた。
「また後で来ますわ! 逃げない事ね! よくって!?」
そう叫んでオルコットは自席へと戻って行った。うん、別に来なくていいよ。
―――――――――。
三時間目の授業は結構重要な事らしく千冬姉が教壇に立ち、山田先生までノートを手に持っていた。
「さて、授業の前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める」
クラス代表。簡単に言えば学級委員長みたいなモノで、そのクラス代表が出る対抗戦とは各クラスの実力推移を測るモノらしい。
千冬姉の説明をなんとか俺が理解した所でクラスメイトの一人が手を挙げた。
「はい! 織斑君を推薦します!!」
「は?」
「私もそれがいいと思います!」
「って俺かよ!?」
「他にはいないか? いないのなら無投票当選だぞ?」
突然の推挙に戸惑う俺をよそに淡々と事を進める千冬姉。
正直、俺としてはかなり微妙だ。だってメンドk……ゲフンゲフン、A.Tの練習時間が減る。
物心ついた頃から学校、中学からはそれにバイト以外の時間はずっと仲間達とA.Tの練習に充てて来た俺としては戴けない。
しかし
しかもクラス代表になれば実戦に事欠かないらしく、生来『身体で覚える』タイプの俺としてはかなり助かる……かもしれない。
そんな事を考えていた俺の思考をこれまた突然甲高い声が遮った。
「待ってください! 納得がいきませんわ!!」
机を思い切り叩いて立ち上がったのは先刻のオルコットだった。
「そのような選出は認められません! 男がクラス代表なんていい恥晒しですわ! 私に、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
そこから始まるオルコットのバリゾーg……じゃなくて罵利雑言の嵐。
人を猿、日本を島国呼ばわりしたり、文化を後進的と批判したり……とにかく言いたい放題だった。
普通なら怒るのかもしれないが中学の頃『A.Tをやっている』と言うだけで不良扱いされ、教師達から罵倒されていた俺には蛙の面に水ってヤツだ。言いたいヤツには好き勝手言わせとけばいいのだ。
だがヒートアップしたオルコットの次の一言は俺の導火線に火を着けた。
「大体、A.Tなんて玩具に現を抜かし、暴風族などと言う不良集団……犯罪者予備軍を堂々と名乗る輩にクラス代表など任せる事がオカシイ事が何故わかりませんの!?」
「オイ、今何つった?」
―――――――――。
教室内の空気が変わった。セシリア・オルコットは確かにそれを感じ取った。
「今さ、なんつったのかって聞いてんだよ……答えろ」
空気を変えたのは確実に自分に視線をぶつけるIS学園唯一の男子生徒。
つい先程まで何を言ってもどこ吹く風とでも言うような態度だったその男は今や抜き放たれた刀のような雰囲気を放っている。
一夏の隣の席の女生徒や山田教諭は既に涙目になっている。一応武道の心得がある箒でさえも背中に冷たい汗が流れる。だが、そんなモノに飲まれるセシリアではなかった。
「そうですが何か間違ってますの!?」
「俺をバカにすんのは別にいいさ……けどな自分だってISの経験積まなきゃいけねーのにそれを譲った上に、同じ学校のヤツラと馴染めるようにって気ぃ使ってくれたクラスメイトや、知りもしない他のライダーを罵倒したりするのがイギリスの礼儀なのか?」
「貴方私の祖国を侮辱しますの!?」
「先に人とA.Tの事侮辱したのはテメェだろ!」
「決闘ですわ!」
「上等だ!」
「いい度胸ですわね。その代わり、わざと負けたりしたら私の奴隷にしますわ!」
「ハッ、ナメんな。
そんなこんなで話が着いた所を千冬が『勝負は一週間後の月曜日、第三アリーナで行う』と締めくくり、ようやく三時間目の授業が開始されるのだった。
〈キャラ紹介〉
篠ノ野箒
第一の幼馴染みヒロイン。剣道部の幽霊部員な侍巫女。
原作では色々伏線がありそうだけど、他のヒロインに食われt(斬首
本作ではA.Tに嫌悪感を持ち、一夏のそれを捨てさせ、更正させようとしている。
セシリア・オルコット
第二お嬢様ヒロイン。原作では一夏に男を魅せられた結果墜ちたのでチョロインと言われているが本作ではどうなるか不明。