オルコットとの試合が終わった後、ピットに戻った俺は千冬姉に新しい相棒の注意点について聞かされていた。
キッカケは白式の
「ちf……織斑先生、雪片ってもしかして……」
「あぁ、恐らくそうだろうな……織斑、オマエの白式は己の攻撃によってのシールドエネルギーが同時にゼロになる可能性があるから注意しろ」
俺の自身の攻撃でエネルギーを使い切る?
「理由はオマエの武器、雪片に備わっている能力だ」
「雪片の?」
「あぁ、まずISバトルは相手のシールドエネルギーをゼロにすれば勝ちだ。シールドを超えた攻撃のみが実体にダメージを与えるのだが、その時搭乗者を守る為に絶対防御が発動するのは知っているな?」
「確かISの判断で発動するかどうか決まって、それが発動するとシールドエネルギーを著しく消耗するんでしたっけ?」
「そうだ」
鈴に教わっておいて助かった。これで答えられなかったら俺の
「そして雪片にはエネルギー残量とシールドを無視して本体に直接攻撃を与えられる『バリア無効化能力』を持っている」
つまり相手の絶対防御を強制的に発動させてエネルギーを大幅に削れるって事だ。
要は遊○王OCGの直接攻撃が可能な効果を持つモンスターや魔法カードみたいなモノって事か。
そうなるとこの能力はIS相手にはかなり有効じゃないのか?
「だがその能力は自らのシールドエネルギーを攻撃に転用して発動する欠陥機だ……いや、そもそもISは完成していないのだから欠陥と言うのは語弊があるな」
千冬姉の話を聞いてあの人の持っていた『
『
ソレは全ての
その証である特殊なパーツ、またはA.Tの事だ。
その中でもあの人の持つ『牙の玉璽』は全てを破壊する『牙』を放てる半面、その『牙』を生み出す為に『飛ぶ』事を著しく犠牲にしていた。
『王の証』を意味するその名を付けられていたとしても完全無欠の力なんてない事を俺はその時に知った。
「えーっと……俺のISとその武装は他の
「大体そんな所だ。しかしその威力は私が知る中でも全ISの中でもトップクラス。私がかつて世界一に立てたのもこの雪片の能力によるものが大きい」
さらりと言うけど、千冬姉のISの武装も雪片のみだった。
いくらその能力が『IS殺し』とは言え刀一本で世界最強とか……千冬姉の背中は遠いなぁ……。
「まぁ、余計な事を考えるより一つの事を極めろ。その方がオマエには向いているさ……何せ、私の弟だ」
その後、山田先生から広辞苑並の『IS起動に関するルールブック』なるモノを頂き、ちゃんと読むように念を押されてから解散となった。
―――――――――。
制服の襟元につけられた
ちなみに隣を歩く鈴の愛機『
ソレにしても『シェンロン』か……鈴も愛機を『ナタク』って呼んだりするのかな?
字が違うからないか……ってそんなアホな事考えてないで先に言わなきゃいけない事があるだろう。
「あー……なぁ、鈴」
「ん?」
「その……鈴も色々勉強とかしなくちゃいけない、って理解してる上でこんなこと頼むの心苦しいんだけどさ……その……」
なんて言っていいのか判らず、言い淀む俺。
「ISの事、もっと教えてくれるか?」
「そんなの当たりま「うぉっほん!」……何よ?」
突然大きく咳ばらいしたのはいつの間にやら合流していた箒だった。なんでそんなご機嫌ナナメ?
「前々から思っていたがオマエは二組だろう、敵の施しは受けん。一夏には『私』が教える」
鬼のような剣幕で『私』を強調しながら鈴を睨みつける箒。
つーか100均で買ったスリッパとバイクのオモチャをくっつけただけのニセモノを観念したフリして渡したら『ようやく真人間に戻る気になったか』とか言って満足そうに捨ててたヤツがISの事とかホントに教えられんのか?
ぶっちゃけ鈴と二人で笑いを堪えるのに超必死だったんだぞ?
まぁ、翌朝A・Tで登校して半殺しにされたけど。
「なによ、一夏『が』アタシ『に』頼んでるの。それにアンタはこの一週間ジャマしてただけじゃない!」
確かに今日の試合前の事を踏まえても確かに箒にISについて教わった事は何もない。
ただA・Tを捨てさせまいと抵抗する俺に箒は竹刀を振り回して攻撃して来たのでそれによる回避訓練は役に立ったのではあるが……。
結果、鈴の意見を肯定した俺は箒にシールドエネルギーをゼロにされたのだった。
「回天○舞!」
「あおしっ!?」
「……つーかそれ刀じゃなくて小太刀の技でしょうが」
―――――――――。
(……おりむら……いちか)
勝負の際、セシリアは一夏に対して言い知れぬ胸の高鳴りを覚えていた。
「今まで会った事のないタイプの方ですわ……」
自らを『
誰にも屈しない強さと英国代表候補生にして専用ISを持つ自分を相手にしても動じない精神を持ち、誰にも媚びる事ない眼差し。
そして何より自分の『道』を貫く覚悟と強い意志を秘めたあの瞳……。
一夏の存在はセシリアの中をまさしく『
されどその『