騎空艇グランサイファー。団長グランを始めとする、数々の色々な種族や性別の団員が乗っている多種多様な騎空艇である。
当然、騎空艇に乗っている以上彼らは騎空団であり、その長にグランという少年を置いている。
団員全てが、グランに何かしらの感情を抱いていた。尊敬、恋慕、友情等々……友情や尊敬に関しては、グランはある程度察知できるが恋慕だけはどうしても察知できない。だが、それもある意味で正解なのだろう。察知してしまえば一気にバランスが崩れてしまうかもしれないからだ。
閑話休題……そんな、色々な団員が色々な感情を持っている空間が成立しているグランサイファー。そんな中で、団長のグランはある一つの決断をした。
「話し合い、しようか」
それは、ふと出た一言。その突然の一言に彼の隣にいた長年の相棒であるトカゲ……ではなく、ドラゴンのような見た目をしているビィは、突然のグランの言葉に困惑を浮かべるしかなかった。
「なんだぁ?いきなりどうしたんだよグラン」
「いや、俺ずっと思ってたんだけど……グランサイファーの皆とちゃんと話し合えてないと思って」
「そうかぁ?ちゃんと団員達のことを考えてたりするじゃねぇか」
「いやいや、それはちょっと……今の状態はスキンシップが足りないすぎる……」
「言葉おかしくなってんぞ」
「……ともかく、今の団のみんなと話し合いしてみたいと思ったんだよ」
「………」
グランの言った言葉に絶句しているビィ。正直『頭でも打ったのか?』と思ってしまったが、ただ団員達の事を考えての台詞だろうと考えたので、流石にこれは失礼だと思って言葉は出さない事にした。
「……で、話し合うってどうするんだよ」
「ほら、グランサイファーの1番下の部屋で、1個まだ使われてない部屋あるじゃん?」
「え、いやそんな部屋知らねぇけど……つうかまだ部屋余ってるのかよ、グランサイファー」
「まぁあるんだよ、そういう部屋が……で、まぁその部屋に出来れば1人ずつ団員呼んで、会話のスキンシップをしようかと。
実はあの部屋、いろんな場所に声届くような面白い仕組みになってるからね。そのまま……」
そこまで言って、グランは少し黙ってしまった。そして、ビィは一つ考えたことがあった。わざわざ船の通信管を使わなくても、音声と映像を届けるような設備自体は、この船にもあるのだからそれを使えばいいだろうと。
そして、その考えはグランもしていた。
「……うん、やっぱり設備使った方がいいよね?」
「まぁ、いいんじゃね?許可取れりゃあなんだっていいだろうし」
「うん、団員同士での繋がりはあると言ってもやっぱり、全員は無理だしね……というか知り合いが乗ってたことに長い間気づかないことあるし、グランサイファーって」
「ローアイン達が言ってたなぁ」
「……うん、ならラカムとかにも頼んで色々してみよう」
「まぁ、面白そうだしいいんじゃねぇか?」
グランは立ち上がって、やる気を見せていた。そしてその傍らでビィは他人事のように眺めていた。どこまでその企画は続くのだろうか、と。
「流石に全団員の部屋に映像を写す設備載せるのは難しいし、まぁみんなが集まりそうな場所でいっか」
「で?どうするんだ?」
「……団長相談室とかって名付けよう」
『オイラが言いたいのはそういう事じゃねぇんだけどな』という言葉は飲み込んだ。ビィは、グランの決めたことはなるべく彼自身に行ってもらえればいいと思っていた。
最悪、巻き込まれなければいいと……そう思っていた。
そして今、団長相談室という名のグランサイファー限定番組が始まろうとしているのであった。
偶には長編とか書いて欲しい
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はい(ギャグノリ)
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はい(シリアス)
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いいえ