ぐらさい日記   作:長之助

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今更ホワイトデーの話です、浴衣アンスリア欲しかった


ホワイト(アウトや)でー

「……」

 

「……」

 

 グランサイファー内部、とある部屋。そこに2人の少女が深刻そうな表情で座っていた。

 1人は自称天才美少女錬金術師、クラリス。もう1人はショチトル島の巫女であるディアンサの2人である。2人の共通点として上げられるのが、同年代だと言うことと2人して団長たるグランのことが好きだということである。しかし、今回深刻そうな表情をしているのはそのグランに関することなのだ。

 

「……まさか、グランがロリコンだったなんて」

 

「でも……そんな予感はしてたよね」

 

 そう、先日のホワイトデー。グランからのお返しにグランサイファーの団員達は程度こそあれ、皆喜んでいた。グランからのお返しも多種多様なものであり、一体いつそんな時間を作ったのかと言わんばかりに体力のお菓子を全員に配り終えており、尚且つ全員との時間を濃密に過ごしていた。

 

「……ウチらがどれだけアピールしても、セクハラこそすれ一線は超えなかったし……」

 

「うん……軽いセクハラしかしてなかったし、なんならもっと過激なことをしてもいいとさえ思ってたのに……」

 

 グランがそれほどまでに女性に優しくしても刺されていないのは、一概に彼が線引きを行うことを忘れなかったためである。なんだかんだ言っても騎空団の団長、されど未だ青春を謳歌できたであろう15歳である。こんな男にとって目に毒すぎる環境で、自分のことを好きな女のことがいっぱいいると考えただけで、精神は簡単に崩壊してしまうだろう。

 

「……でもまさか……」

 

「まさか……」

 

「「メリッサベルさんが本命だったなんて……」」

 

 だが、その線引きはあっけなく崩れた。そう、彼は告白しているのだ……ハーヴィンの年上系女性の1人、メリッサベルに。それも聞き間違いなどではなく、ガッツリと聞いてしまっていた。

 

「『そのチョコは義理じゃない』」

 

「そのセリフだけ聞くと、私達も同じこと言われてたけど……」

 

「顔を赤らめて言うそれは……ウチ達の言葉と同じでも、隠された意味合いが変わってきちゃうよ……」

 

 メリッサベルにお返しをする際、グランは『義理じゃない』とだけ言っていた。メリッサベルは最初意味がわからず、グランに聞き返した。だが、グランはその聞き返した質問に答えることはなく……ただそっぽをむくだけで終わらせていた。それが答えだと理解するのに、メリッサベルは長い時間を必要としなかった。

 

「……よく考えたら、グランって基本的にドラフとかハーヴィンとか……あと年下の子とか、結構可愛がってたもんね……」

 

「私たちが構われてないわけじゃないけど……なんか、仲間として接されてる感じがあったもんね……」

 

「年下……というか、身長低い子を見る時の目がなんかあれだったもんね……」

 

「私たちがつけ入る隙は……ないって言うの……?」

 

 推測でしかないが、今の彼女たちにはこれ以上ない説得力を持たせてしまっているこの推理。だが、彼女たちの推理を否定するかのように、1人の人物が現れる。

 

「その考えは……甘えとしか取れねぇぞ2人とも!!」

 

「その声は……」

 

「ししょー!?」

 

 クラリスが叫ぶ。そう、現れたのはクラリスの師匠であるカリオストロだった。何故か去年の夏頃来ていた水着を纏っているが、2人は特に気にすることも無くそのまま会話を続け始める。

 

「お前ら……本当に低身長があいつの好みだと思うか?」

 

「え……だって、現に……団長さんは……」

 

「……はっ……そうか……! ししょーはそういえばバレンタインにはグランのチョコに薬を盛ってたのに一切反応がなくてようやく自分のしていることが中々恥ずかしいことだって認識した上で渡されたお礼がかなり友人に渡す雰囲気のものだったせいで嬉しいけど本音が全く言えない状態に陥ってしまって困ってたよね!?」

 

「クラリスは後で説教だ」

 

「なんで!?」

 

 自業自得としか言いようのない罰を宣言されたクラリスを知り目に、カリオストロはディアンサ達の推理が間違っているという理由を勝手に話し始める。

 

「まず、かなりイラッとくる話だが……俺様のような完全で完璧な美少女が誘ってもあいつは発狂こそすれ襲おうとは一切しなかった。その時点でも既にお前らの推理は間違っているとも言える」

 

「多分ししょー元男だしごくたまにおじさんがやるような仕草とってるしそれが原因で微妙に恋愛対象に発展しづらくなってるだけであってぶっちゃけ美少女なのにモテないって言うのは9割型ししょーの自業自得だよね」

 

「後でウロボロスの刑な、大丈夫だ甘噛みで済ませてやる」

 

「どうして!?」

 

「さすがに自業自得ばっかりだよクラリスちゃん……」

 

 新たな罰を貸されたクラリスに苦笑しながら、ディアンサは深く考え始める。中身が元男とはいえ、確かにカリオストロは美少女でグランよりも低身長のはずなのに、何故そこまで本気にされないのか……そこに何か自分達が足りないものが分かるのではないかと、ひとつの仮説にたどり着いた。

 

「……」

 

「その顔……何かを思いついたみたいだな? 何がいい案でも出てきたら、そいつを実行してみるとするか」

 

「思いついたというか……」

 

「おう」

 

「カリオストロさんって素で告白したことないよね多分」

 

「……」

 

 固まるカリオストロ。ディアンサの言いたいことがすぐに理解出来たのか、彼女はそのまま黙っていたが……クラリスは理解ができていないのかディアンサとカリオストロを交互に見て困惑していた。

 

「え、え何? どういうこと?」

 

「……だってカリオストロさんって、多分好きって伝える時って……」

 

『やーん☆カリオストロ、団長さん好きすぎてこまっちゃあう☆』

 

『カリオストロも、団長さんのこと……だ・い・す・き……だよッ☆』

 

「……みたいな感じだと思うんだよね」

 

「あー、わかるー……ししょーって肝心な所で猫かぶるせいで、本心が中々素で話せないしいざ話そうとしても今度は照れ隠しで誤魔化すしで何だかんだウチ並にヘタレだよね痛い痛いア-ッイッタイアタマガァッ!!」

 

 ウロボロスがクラリスの頭を甘噛みする。カリオストロはそんなクラリスを気にすることなく、ディアンサに向き合う。

 

「はっ……それがどうした……この美少女の顔を直接見れてねぇからグランだって俺様の誘惑に打ち勝ってるんだろ、直接見たら感想は俺様は今頃5児の母親だぜ」

 

「ししょーのその自信ってどっから出てき待って飲み込むのはやめてナンカヌルヌルシテルゥ!!」

 

「多分普通にカリオストロさんが元男って所で引っかかってるだけじゃないかな」

 

「え、それさっきウチが言待って待ってこれ以上飲み込まれたらシャレになんなア-ナンカナマグサインダケドッ!」

 

 クラリスの悲鳴をバックに、カリオストロはショックを受けていた。何せ、彼女自身が目を背けていたことをついに突きつけられてしまったんだから。

 

「くっ……やはりそこの部分でのマイナスがデカイな……」

 

「や、やっと出られた……ていうかししょー、1個だけいい?」

 

「……なんだ、クラリス」

 

「そもそも……強いとは認識されてると思うけど、同い年って認識というか年下みたいな扱いされてる時ない?」

 

「……」

 

 雷に打たれたかのような表情になるカリオストロ。そこまで思考が至ってなかったのだろうと、クラリスは苦笑いを浮かべていた。

 

「……そうか、理解したぞ……そりゃそうだ……あいつが振り向くための条件は『美少女』だけじゃ足りなかったんだ」

 

「えっと……どういうことですか?」

 

「あいつが欲しいのは……『自分より低身長かつロリっけと自分を甘やかしてくれる包容感を持った女』!! 故に俺らじゃあ歯が立たなかったんだ!!」

 

「……つまり?」

 

「ハーヴィンとドラフとサラが最大のライバルだ!!」

 

 集中線が入りそうな程の迫真さで、叫ぶカリオストロ。その迫真さにディアンサとクラリスは言葉が出なかったが、すぐに理性を取り戻してカリオストロに物申す。

 

「ま、待ってよししょー……年齢的に大人もいるハーヴィンとドラフは兎も角サラちゃんをライバルにするには……」

 

「お前ら知らないのか?」

 

「何がですか?」

 

「グランの奴疲れてる時『サラに抱きしめてもらいたい』って呟いているぞ」

 

「……ししょー」

 

「なんだ、クラリス」

 

「カリオストロさん、リーシャさんのところ行きましょう? 流石に子供に抱きしめてもらいたいって言うのは……注意してもらわないと、私達が振り向いてもらう云々以前の話ですよ。

 本人たちが良くても捕まったら悲しい結末になってしまいます……」

 

「……よく考えて見りゃあ確かにそうだ」

 

 真面目な話、幼女に抱きつくのはどこの島でも変人である。英雄色を好むとも言うかもしれないが、流石に未成年どころか10にも満たない子供を、15歳の時点でそういった対象に見てしまいかけているのは青少年の情緒的に危ない。

 そういう訳で、錬金術師組とディアンサはリーシャのところに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ? リーシャさん?」

 

「おや……珍しい組み合わせですね。どうしたんですか?」

 

「リーシャさんこそ……今から部屋に向かおうと思ってたのに……ここって団長さんの部屋の近くですよね? 何かあったんですか?」

 

 向かっている途中、グランの部屋の近くでリーシャを見つける3人。ディアンサが事情を尋ねると、リーシャは微妙そうな表情を浮かべながら言葉を詰まらせていた。

 

「……その」

 

「……?」

 

「……アンスリアさんに、団長さんがユカタヴィラを着せようとしてたんですよ」

 

「あぁ、なにか可愛いの買えたとか言ってましたもんね……まだセーフじゃないですか? そのまま押し倒してぬがして無理やり着せたとかならともかく」

 

「……その光景をみたルリアさんが、団長さんの頭に星晶獣ドグーを振り下ろしたんですよ、今のその事件の処理をしていたところです」

 

「あぁ……」

 

「団長さんは明日には復活してると思うので多分大丈夫だと思います……それで、御三方は一体どのような御用で?」

 

「……いえ、なんでもないです」

 

 全く関係ないところで殺られているグラン。流石に同情したのか、ディアンサ達は用事を語ることなく……そのままその場を去っていくのであった。




皆さんコロナに気をつけてグラブルやりましょう、今ならアーカーシャが投げ得ですので、戦力クリアできるかどうか分からない…って人は暇な時にクエスト発注して投げときましょう、勝手に死んでます。
因みに闇クラリス持っていくと誰が時間伸ばしたのかわからなくなります。レイママの4アビも使ったんですけど、7ターン一気に進んで笑いましたね。

長くなりましたね、次回から十天衆編やります。全員揃ったんですよね。

偶には長編とか書いて欲しい

  • はい(ギャグノリ)
  • はい(シリアス)
  • いいえ

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