ぐらさい日記   作:長之助

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お久しぶりです、なんかもう色々起きてますが私は300連でアンチラを、チケでクビラでした。


十天ガールズ!ヒアウイゴー!

「正直動き安かったらなんでもいいぞ!」

 

 開幕、十天衆が1人。斧を極めしドラフの少女であるサラーサが元気よく答える。質問者は答えがわかっていたので、別の者に同じ質問を投げかける。

 

「右に同じ……え、今のやつはやりすぎ……?」

 

 次に十天衆が1人。銃を極めしエルーンの少女であるエッセルが冷静に答える。しかし、質問者の冷静な注意が意外だったのか珍しくも驚いた表情を見せていた。

 

「んとねー、いっつもソーンとかに選んでもらってる! じっちゃが可愛って褒めてくれるんだよ〜!」

 

 十天衆が1人。杖を極めしハーヴィンの少女であるフュンフがサラーサと同じく、元気よく声を上げる。質問者はとりあえずフュンフの頭を撫でて可愛がっていた。

 

「……自分で選んでる。選べない年齢じゃない……え、この間聞いてきたのは何かって……? それは……言うのは野暮……かも……」

 

 琴を……と言うよりも、音を極めしハーヴィンの女性であるニオは静かに答える……が、質問者の新たな質問により顔を赤く染めていた。そして、最後は━━━

 

「いっつも選んでるわよ、何なら皆の分だって選んでたりするし……最強の十天衆とはいえ……皆オシャレに気を使わなさすぎなんだもの!」

 

 弓を極めたソーン。彼女は楽しそうに答えていた。少し呆れ、ため息がまじりながらも……その心はどちらかといえば楽しいと感じとれるもののそれである。

 

「それにしても……急に衣服のことを私達に聞くなんて……どうしたの?」

 

「━━━いや、十天衆ってカラーリングは統一されてるけど衣装の形みたいなものは統一されてないじゃん? そういうのも含めてオシャレとか普段着とか……どうしてんのかなって」

 

 そして、質問者であるグラン。質問の意図としては、十天衆の女性陣の普段の衣装を聞いているようだ。改めて細かく説明された質問に対して、十天衆女性陣は一旦顔を見合わせる。

 

「まぁ、種族ごとだし……そもそも私たち軍隊ってわけじゃないもの……衣装の色とかは統一してるけれど……ほら、形は自分でおしゃれしたいじゃない?」

 

「少なくともソーンとニオだけしか、まともに服選んでなくない?」

 

「う……」

 

 そもそもソーン自身が、他のメンバーの服もまとめてオシャレしているという点からして既に十天衆女性陣はあまりオシャレに気を使うタイプでは無いようだった。

 

「え、エッセルはしないだけで連れてった時は自分から選んでるもの!」

 

「まぁ……あんまりにも変な服とかは嫌だし……」

 

「まぁ……そうじゃなかったらクリスマスの服なんて着ないよな」

 

 普段、というよりも十天衆の時の衣装が凄まじいだけでクリスマスの衣装は比較的まともなエッセル。可愛いものに興味が無い訳ではなく、服を買いに行くタイミングというものを掴んでいないだけのようである。

 

「あたしは別に服はいらないけどな!」

 

「も、もうサラーサったら!! 女の子なんだから……いえ女の子以前の問題ね……」

 

「完全に無自覚ですわこいつァ……良く悪い大人とかに連れていかれなかったな」

 

 出自からして純粋な野生児であるサラーサ。彼女からしてみれば、服を着ている理由は『言われたから』以上のものは無いだろう。それに関しても、恐らくシエテやウーノが言っているから聞いている様なものである。

 

「それに関しては……サラーサが完全に野生児だから逆によかったというか……」

 

「というと?」

 

 ソーンが少し頭を抱えながら、ため息を着く。その態度にふと疑問を感じたグランであったが、不意にニオが口を開いきその答えを即答するのであった。

 

「……弱肉強食、連れていきたかったら私を倒せ……みたいなこと言ってたって聞いたわ……」

 

「あー……」

 

 サラーサの行動原理は基本的に弱肉強食が前提にある。それに加えて、良い奴か悪いやつかの判断が来るのだ。十天衆は強く、そして皆が善人であるが故にサラーサは十天衆の一員として今日も楽しく過ごしている……ということらしい。

 

「弱いやつは全部ぶっ飛ばして森のみんなの餌にしたぞ!」

 

「あらヤダ急にバイオレンス……って今も立場が変わってるだけで、魔物相手に俺らも似たような事してるしな……」

 

「そういう事だな!!」

 

 ニカッと笑うサラーサ。オシャレの話をしているはずが、急にバイオレンス風味の真面目な話に早変わりである。内容がズレてきているので、グランは今度はフュンフに詳しく聞き始める。

 

「フュンフは……基本的にソーンなんだっけか」

 

「うん! たまにじっちゃんがお菓子とかお洋服くれるよ!!」

 

「フュンフから話を聞く度に、ナルメアのオクトー像とのズレが起こりすぎて頭がおかしくなりそう」

 

 フュンフから話を聞いている分には、オクトーはただの気のいいおじいちゃん。ナルメアから話を聞いた時は、冷酷な二刀流の剣士。今の普段の状態はフュンフに近いのだが……やはりどうしてもそれでも認識のズレが起こるくらいには、本人たちの認識の齟齬が酷い。

 

「因みにオクトーはどんな服くれたの?」

 

「シマシマのタイツの水着! それとサングラス!!」

 

「幼女になんてもん渡してんだ」

 

「『おなごがそのようにはだをさらすでない!』っていってたよ!!」

 

「すっごいわかりやすい理由だこれ」

 

 グランは、フュンフの若干似ているモノマネを聞き納得していた。幾ら肉体的成長が起こりづらく、成長しても幼子のように見えるハーヴィンとは言っても……である。精神的にも明らかに未成熟なフュンフに着せる水着が、派手派手過ぎるとおじいちゃん……もといオクトーからしてみれば心配の種なのだろう。

 

「……まぁ、うん。何となく理解できたよ……サラーサとフュンフは服にあまり興味が無い……というか他に興味あることがデカすぎると言うか……」

 

「そうなのよ……私とニオはちゃんと自分で選ぶわよ」

 

「ん……私も、連れてってくれたら選ぶよ」

 

「まぁ、私……そもそも1人で買い物したい派だし……」

 

 十天衆とは、最強の10人である。しかしそれ故に我が強く、大体のメンバーがどこかに癖を持っていたり主張が強かったり頑なだったりする。

 

「買い物の意見すら一致しない辺り、確かに纏めるのは相当辛そう」

 

「……ねぇ、今のシエテに聞かれたら多分泣くわよ」

 

「え、なんで……あ、団長として理解してくれるか的な?」

 

「えっと……多分、それを君が言うのか的な……」

 

「……?」

 

 グランは理解していなかったが、この場にいる十天衆メンバーだけは理解していた。

 十天衆をまとめている……と言っても、ほぼほぼ集まりが悪い状態の今をシエテが纏めてるとはあまり強くは言えない。むしろ、それと同等くらいに我の強いメンバーを十天衆以上にまとめあげているグランの方が、よっぽど相当面倒な立場にいるのでは無いかと。故に、それを聞いたシエテは自分よりも面倒な立場にいる人間に同情されていることに泣くのではないかと。

 因みに、グランが呼んだ場合は十天衆メンバーはほとんど集まるために、余計にシエテが悲しくなることがあるのは秘密である。

 

「……ふーむ、とりあえず十天衆女性メンバーは……服装に関してはほとんどソーンがファッションの基準と」

 

「……あれ、そうなるの?」

 

「だって、ニオは自分で選んでいるからともかくとして……」

 

「……私は、ソーンかニオが連れてってくれないとほとんど自分の買い物しないし……サラーサとフュンフは……まぁ、言わずもがなというか……」

 

「……確かに」

 

 フュンフ、サラーサは未だ子供である。ファッションよりもそれ以上に気になることが多い年頃であるために、あまり気にしないと言うようなタイプである。

 

「……そういえば、シエテ達には聞いたの?」

 

「あ、そういえば聞いてないな……」

 

「多分、私達より服装気にしてないと思うのよね……」

 

 ソーンの言った言葉にグランは少しだけ考え込む。ハーヴィンのおじいちゃん、口の悪いエルーン少年、仮面をつけてるエルーン青年、剣オタクのヒューマン、刀を使うおじいちゃん……女性陣と比べて華がないのは仕方の無い話だがオシャレに気を使う人材だとは、到底思えないのは確かである。

 

「……まぁ、改めて聞いても良さそうだな……男性陣の希望はカトルとウーノの2人だしな……」

 

「寧ろそこでシエテが上がってこないのって……」

 

「剣拓の柄の服とか着てそう」

 

「……確かに、彼なら着そう」

 

 グランの言った言葉に対して、ニオが静かに同意していた。グランの、十天衆男性陣に対するイメージは思っていた以上に偏っていたようである。

 

「まぁ、色々ありがと……参考になったよ」

 

「ところで改めて聞くけど……なんで男女に別れて聞いてるのかしら?」

 

「……特に、そこに理由はないよ? ただ男女別で聞いた方が、お互いに意見を出しやすいかなって思っただけで」

 

「……嘘、動揺の音が聞こえる」

 

「くっ! ニオはやっぱり耳がいいなぁ!!」

 

 十天衆ニオは、相手が考えていることを音にして聞くことが出来る。但し、あくまで音して聞くだけであり正確な言葉を把握している訳では無い。

 それでも、考えていることはほとんど読みとっているのでさほど問題無いのだが。

 

「……あ! そう言えば前にシスが言ってたぞ!! レヴィオン騎士団の方に服装を聞きに行ってたって!!」

 

「サラーサさんや、今度美味しいケーキ奢るから静かにしていてくれないか?」

 

「ほんとか!? わかった! 黙ってる!!」

 

 グランはこれ以上情報を漏らさないように、サラーサをケーキでつり上げる。しかし、レヴィオン騎士団に聞きに行ったという情報だけで既に後の祭りなのである。または、時すでに遅しとも言う。

 

「……ふーん、レヴィオン騎士団にも……ねぇ?」

 

「……あそこの制服、パツパツな割に通気性がいいって話」

 

「ん……それ私も聞いたことあるよ……それに、胸の下の方……ちょうど谷間の部分の下側が、まるで穴が空いてるような形らしいね……?」

 

「……?」

 

「なんかわかんないけど、お仕置な流れかなー?」

 

「フュンフ、サラーサ……後で遊んであげるからお部屋から出てなさい」

 

「「はぁい」」

 

 危険を察知したグランは、サラーサとフュンフを先に部屋から出していた。そして、すぐに正座をすることで反省していることを体全てで表していた。

 

「……何が目的だったのかしら?」

 

「……うちの団にも、制服取り入れられたらな……と」

 

「……エッチな音が聞こえる、余程な衣装だったようね」

 

「お仕置……ですか」

 

「お仕置……だね」

 

 ソーン、ニオ、エッセルの3人がグランの目の前にたちはだかる。それに対してグランは、逃げも隠れも行わない。ただ静かに、己の罰が罪に執行されるのを待つのみである。

 

「……どうぞ、おしおきを」

 

「……みんなの前でエッチな制服、反対」

 

 ただその一言、ニオのその一言だけがグランの頭の中だけにやけに印象に残っていた。皆の前じゃなければいいのかと、ただそれだけを頭の中で反芻させながら……グランは総攻撃を受けて意識を失うのであった。

 今回得られる教訓は、たったの一つである。『自分の性欲に素直すぎてもダメ』これ一つだけなのである。




平和な十天衆イベとかやって欲しいとか思ってたり
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