ぐらさい日記   作:長之助

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お久しぶりです。こくうしんしんたのしみですね、どうでもいい話ですが十二神将を水着含めて改めて全員揃えました。金の指輪は足りません。


一天、何故争わねばならないのか

「今日は十天衆の1人ウーノさんに来ていただきました」

 

「よろしく頼むよ、グラン」

 

 十天衆が1人ウーノ、男性のハーヴィンで槍の使い手である。その槍裁きは、まるで槍を生き物のごとく動かす事が出来る。そして、本人の守りは鉄壁であり並の人間ではまず彼に傷をつけるのは不可能である。

 

「なんか珍しく浮いてない姿を見てる気がする」

 

「まぁ、基本的に浮いてることが多いのは事実かもしれないね。私としては、そこまで浮いているつもりもないのだが……印象というのは、時として行動の回数よりも色濃く強く残ったりするものだからね」

 

「確かに……俺もセクハラしてばっかりだとよく言われる」

 

「それは印象ではなく行動回数による事実だね」

 

「そんな馬鹿な……」

 

 グランは彼自身にとっては予想外の事実にショックを受けていたが、ウーノはそんな彼を意にも介さずそのまま話を進め始めていた。

 

「それにしても、十天衆……女性達から声をかけたのは何か理由があるのかな?」

 

「……うん? 単純に男女別で分けたかっただけだよ」

 

「いや何、少し気になっただけだよ」

 

「……?」

 

 ウーノの言葉が少し引っかかりながらも、グランが再び話を進め始めていく。あくまで司会進行役は、彼なのだ。

 

「そう言えばウーノの髭……というか、その先っぽについてる奴なんだけど」

 

「おや、これがどうしたのかな?」

 

「……浮いてんの? それ」

 

「あぁ、浮いているとも……私自身浮いているから必要ない、と言われる時もあるね。けれどこれは、ある意味では自分に課せてある枷のようなものでもあるんだ」

 

「枷? 外したら実は地面が凹むほどの重たい装飾品とか……?」

 

 外した瞬間、落ちて地面にめり込むところを想像したグラン。一瞬キョトンとなるウーノだったが、すぐに笑みを浮かべてグランの言葉を訂正していく。

 

「いやいや、この小さな物体を細かく浮かせること……それが枷という事さ。空を飛ぶこと自体は私以外にもできる人物が、この騎空団には何人もいる。けれど、物自体を複数……そして自分とは別で浮かせられるのはある程度の集中力が必要なんだ」

 

「……子供でもわかるように簡単に言うと?」

 

「自分、アクセサリーA、アクセサリーBはそれぞれ意識を割きながら浮かせているということさ……まぁ慣れてしまえばそこまで意識はしないのだが」

 

 浮いている髪や、アクセサリーは彼自身とは別で浮かせている。それに使われるエネルギーもさる事ながら、ずっと浮かし続けていられる集中力もあるということである。

 

「……因みに、その枷を外すとどうなるの?」

 

「基本的に外すことは無いからね……しかし敢えて言うのなら……今よりも槍の精度は飛躍するだろう。速度や小回りの利かせ方、更には攻撃力にも直結してくる。おそらく今よりもっと鉄壁となるだろうね」

 

「すげぇ……ちょっと見てみたいかも……」

 

「私達十天衆を全員味方につけた君なら、確かに戦える可能性は十分にある……が、やらない方が賢明だと思うよ」

 

「まぁ、ウーノの本気出させるなら……船じゃなくてどこか広い場所でやるよ……それこそ島一個分くらいね……」

 

 グランはウーノの実力を知っている。ウーノもグランの実力を知っている。お互いがお互いを強いと思っているが故に、自分達では決して刃を混じえることがないと考えているのだ。

 強すぎるが故に、周りに与える被害が甚大ではないからだ。

 

「……さて、そろそろお便りのコーナーに行こうか」

 

「だねぇ」

 

「1通目『なんで杖じゃなくて槍なんですか』……あー、これは正直思ってた頃あるね……俺。なんで明らかに魔法を使う要素が揃い踏みなのに、槍なのかなって」

 

「使えないことも無いが……あくまで十天衆としては私は槍使いだ……そして、その槍にも誇りを持っているからね。必然的にほかの武器を使う必要性が薄れていっているんだよ」

 

 槍を見せびらかすように取り出しながら、ウーノはそう語る。事実、武器1種だけが十天衆が使える武器では無いのはグランも知っている。

 サラーサは斧が変形して槍になるし、シエテはありとあらゆる剣を使う。武器種としてならば剣だけとも言えるが、ほとんど飛ばして使っているに等しいのでどちらかと言えば矢に近い使い方に感じていたりもする。

 

「……自分以外に槍を使えそうだなぁって考える人いる?」

 

「ふむ……そうだね……使う、と言うよりかは『使うとすればこういう使い方になるだろう』というのならばあるよ」

 

「お……誰?」

 

「サラーサなら、槍投げの要領で相手に投げつけるだろうね。それで相手の身体を貫くまでが簡単に予想できる。彼女のパワーなら出来るはずさ」

 

 グランはそう言われて軽く想像してみる。サラーサが槍を持ち、それを思いっきり投げた瞬間のことを。相手個人とは言わず、直線上の全ての者や人を貫いていくのではないか……とそう思えるほどにサラーサはパワフルであった。

 

「……確かに……」

 

「後はオクトーだね、彼は髪に刀を持たせて戦うが……単純にリーチが伸びるだけで戦い方が何ら変わらないのが、あまりにも彼らしいというかなんというか……」

 

 想像にかたくない、というのはこのことだろう。単純に武器として使える刃の長さ時代が変わるだけであり、使い方そのものに関してはオクトーは刀と特に使い方が変わることは無い━━━

 

「と、簡単に想像できるのが恐ろしい……」

 

「他のメンバーは……あまり私と変わらないか、使う事がそもそも無いだろうという考えだ」

 

「前者はともかく、後者の候補は?」

 

「ソーン、シス、カトル、エッセル、ニオ……そういった所かな」

 

「いや後者全員じゃん……ってフュンフは後者じゃないんだ?」

 

「槍を使わせれば……と言うよりかは、他の近接武器を使わせた場合……彼女は複数本をまとめて操作させるだけで脅威となるからね、剣拓を飛ばすシエテのようなものさ」

 

 フュンフは色々な魔法を使う。物を浮かせて、縦横無尽に飛ばすであろうその姿は想像だけでもかなりの驚異である。

 

「まぁフュンフはともかくとして……ほかのメンバーが使えないって思った理由を簡潔に」

 

「なら、簡単に説明していこう。ソーンは単純に魔眼を活かす戦いができない。シスの戦い方は『倒す』では無く『殺す』に近い、故に長物の槍は目立って彼の戦いがしづらい。カトルとエッセルも同じさ……

 あまりに長い武器は、彼らの『殺す、又は排除する』の戦い方と相反する。ニオは……言わなくてもわかるね?」

 

 ニオやソーンは、その特異な力を活かすことが出来ない。そしてシス、カトルの2人は戦う時にはかなり近づかないといけない……逆を言えば射程があまりにも超近距離な為に、武器と言うよりもその技術によって殺す戦い方。エッセルもまた然り。

 

「確かに……3人ってどちらかと言うと、目立たずに敵を倒すってことが多いかも」

 

「そうだろう……故に、先程の彼らは槍を使えないだろうという判断さ。逆に近い性質の武器などだったら、彼らにも使えるだろうね……」

 

「なるほど……なんか思ってたよりガチな話になった……巻いていこう2通目。『同じ槍使いとして、気になる人はいますか?』」

 

 この質問に対して、ウーノは少し考え始める。そして、指を立てていきながら質問の答えである『誰が気になるか』を応えていく。

 

「ふむ……ダークドラグーン団長フォルテ、白竜騎士団副団長ヴェインそれとイデルバの……」

 

「レオナ?」

 

「そう、彼女さ」

 

「1人目と3人目は分かるけど……何故にヴェイン?」

 

「彼の戦い方……仲間を守る為に耐え続け、そして隙を見せた敵に強力な一撃を与える……その戦い方はまるで私のようだと感じてね」

 

「ほう、なるほど」

 

 ヴェインの戦い方に、自分を感じ取ったというウーノ。ぶっちゃけ槍使いかどうか、という話ではヴェインはハルバードの使い手である為に微妙な線ではある。

 

「他にも個人的に気になるという人物は、槍使いに限らずこの船に乗っている。戦いを諌める側の十天衆だが、訓練のため……また自らの実力を図るためにも1度手合せを願おうとは思っているよ」

 

「なるほどねぇ……因みに俺はどう?」

 

「ふふ、君は自分が私の目から見て興味を引かない人物だとでも思っているのかい?」

 

「言葉だけだとすげぇ怖いこと言われてる気分になる」

 

「君は、槍に限らず色々な武器を持って戦える。色んな戦い方を学んでいる。我ら十天衆を1度は相手してそして全員を倒している。いずれ、我々が更なる力をつけた際には……もう一度戦って欲しいものだね」

 

 まるで全てを見透かすようなその瞳。その瞳と、かけられた言葉を持ってグランは言葉を無くしていた。まるで全てを見抜かれているような、全てを見定められているような……そんな気分になりながらも━━━

 

「じゃあ3通目行くね」

 

 良くも悪くも自分を見失わないという方向性に持っていくのであった。

 

「えー……『十天衆以外でチームを組んでみたい、という人はいますか?』」

 

「そうだね……槍使いであれば、例の『組織』のメンバーであるゼタ……彼女がいいだろう」

 

「若い女の子と!?」

 

「わざとだろうけど、その言い方はやめてもらいたいね……理由としては、私は守りの力に突出しているが彼女は攻めることに突出しているためさ」

 

 確かに、と。グランはウーノに言われてゼタの戦い方を思い出していた。全てを貫き、全てを薙ぎ払うと言わんばかりに勢いのいい戦い方をする彼女は守りの要であるウーノと相性がいいと感じていた。

 

「個人の力としては、私は彼女よりも強いだろう。しかし、彼女にはアルベスの槍という唯一無二の力がある。あの武器の意志を強く引き出せれば……その力は憂に私を超えていく可能性が非常に高いのだ」

 

「すっごい高評価だね……個人の力って言ったのは?」

 

「魔力、筋力……要するに肉体面の力の事さ。技術などもここに入ってくる……けれど外的要因が含まれてきたら分からない。こちらの言っていることはそういうことさ……今回の場合だと、アルベスの槍がそれに含まれるかな」

 

「なるほど……」

 

 武器や鎧、それらを使いこなすのもまた個人の力になるのだろうが……ウーノ的にはそれらは個人の力に属する中でも、外的要因のものになるらしい。

 

「それでも、負けるつもりは無いけどね」

 

「お、強気発言」

 

「けれど残念なことに、船の上でも島の上でも……グランサイファーに乗っている人物は誰も彼もがどこでも本気を出せる訳では無いのが、辛いところだね」

 

「わかるぅー」

 

「軽い発言で同意しているが……君がその際たる筆頭だよ」

 

 星晶獣すら屠れる武器を持つ、組織のメンバーであるゼタ。そして争いを収める為に生まれた全空1の実力者達を集めた十天衆のウーノ。なんだかんだ言って、その組織のメンバーと肩を並べて戦ったり十天衆全員と戦って勝っていたりするグラン。

 これらのメンバーは、総じて本気を出す訳には行かない人材ばかりである。基本的に、本気を出せばそれが戦闘ではなく殲滅は個人対個人の戦争になりかねないからだ。

 

「あっははは!」

 

「笑い事では無いのだけれどね……」

 

「あー、さーて今回はここまでにしようか!」

 

「おや、唐突だね」

 

「話し続けてたら哲学的な話になりそうな気がする!」

 

 表情的には笑みを浮かべているが、目の奥は全く笑っていないグラン。勉強が苦手と言うよりは、こんな場で哲学という真面目で重たい話をするべきではないと考えているのだろう。

 

「ふむ……まぁ君がそういうのであればそうしようか」

 

「というわけでご視聴ありがとうございました! またの機会にお会いしましょう、さようなら!!!!」

 

「元気だね……そうそう、私に何か聞きたいことや言いたいことがあるのなら━━━」

 

 話してる途中で勢いよく切られる映像。ウーノはそれを見て苦笑してしまうのであった。




何回みても『お前得意武器杖だろ』としか思えないウーノさんです。自分はソーン、シエテ、ニオが終わったのですが次はエッセルの予定です。
ウーノさんはしばらく最終の予定がありません、ごめんねウーノ。

超越?出来るほど強くないです。
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