ぐらさい日記   作:長之助

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十天衆全員最終する前に賢者揃いました。なんでやねん。


六天、キエエエエエエエエエエ!!!

「今回のッ!!ゲストはッ!!」

 

「待て待て待て待て」

 

「はぁっ……!はぁっ………!どうした、シス…そんなに、息を…荒、げて…!」

 

開幕から激しくやり取りされるグランとシスの攻防。グランの手はシスの仮面目掛けて伸ばされるが、その都度残像によって回避されていた。

 

「荒げているのはお前だグラン」

 

「そ、そんなこと……ふぅ…ないぞ?」

 

「……どうして貴様とビィはいつも俺の仮面を取りたがるんだ」

 

「顔見せろ……って思ってるだけなので……というわけで今回のゲストは十天衆のシスさんになります。拳がメイン…と言ってもどちらかと言うと暗殺拳の使い手になります」

 

「……言っておくが暗殺家業のようなことはやってないからな。金を持ってくるなよ」

 

2人は席に着き直し、グランはお便りの入った箱を早速取り出す。シスは仮面越しにそれを眺めているが…軽くため息を吐いてから顔を背ける。

 

「こらこら、目を背けないの」

 

「別段答えたくないという訳では無い、そもそもその気が無いならここに来ることは無い…筈だが…?」

 

特に脅された訳でも無く、弱みを握られているでもなく…グランに呼ばれたから来たという程度のシス。お便りを答えるというのは理解しているし、来た以上答えないということをするつもりも無い。

……のだが、ふと何故か不安がよぎってしまい変に疑問形へとなってしまっていた。

 

「……星晶獣の中にはさ」

 

「…?おい、いきなり何の話だ」

 

「まぁいいから聞いて聞いて。

……で、星晶獣の中には物理的な戦闘能力が強い訳では無い固体もいるんだよ…まぁ勿論経緯が経緯だから戦闘能力が抜きんでてるものが殆どなんだけど」

 

「……まぁ、一応は星の民の兵器という体だからな」

 

何故か急に始まる星晶獣談義。シスは困惑しながらも、食い気味に話しているグランの言葉に相槌を入れていく。

 

「けどさ、偶にとんでもなく概念に特化してる星晶獣もいるんだよ」

 

「概念」

 

「言い方はわかりづらいけど…要するに曖昧な事だね」

 

「まぁ…単純な破壊力じゃあ突破できない事例もあったようだからな…?」

 

グランの言いたいことがいまいち掴めずに、困惑を強くしていくシス。だが、そんな困惑しているシスを横目にグランはなおも星晶獣談義を続けていく。

 

「でね……俺達が出会った中に縁を司る星晶獣がいたんだよ」

 

「ほう、縁……縁結びとかの縁か?」

 

「そう、その縁……で、これの何が厄介かって…縁切りもできるしシスの言った通り縁結びにもある程度融通を利かせられてね…」

 

「……」

 

途端に話が気になり始めたシス。急になぜ星晶獣の話をし始めたのか、急に何故縁を司る星晶獣の話をし始めたのか、そもそもの発端はシスがそもそもこの番組には参加したくないわけじゃないと言った時からである。

 

「……おい、まさかその力で俺…いや今までの団員達も……」

 

「まぁルリアが吸収したのって一部だからそこまで強い力を発揮することって滅多にないんだけどねぇ!!」

 

ガクッとつんのめってしまうシス。今までの話は要するにただのフリなのであった。

 

「はぁ……わざわざここまで来たんだ、お便りとやらも好きなのをとって読み上げていけばいい。答えられる範囲であれば答えるのみだ。」

 

「じゃあ今日のお便り一通目『シス君さぁ、なんで偶にキエエエエエって言うの?』」

 

「なるほど、あの頭目は1度叩かないとあの根性は直らないらしいな……」

 

「で、なんで言うの?」

 

グランの一言でシスは視線をグランに向け直す。少しの間お互いが無言の時間が経ったが……シスからその静かな空間は打ち破られる。

 

「威圧というのは大事だろう」

 

「そっか」

 

内心では『いやそんな理由じゃないでしょ絶対』と思ったグランだったが、ここは飲み込んだ。きっと追求しても自分が納得できる回答は得られないと思ったからだ。

 

「でもあれいきなり言われるとちょっとビックリする」

 

「……善処しよう、だが俺自身も意識していない時に言っている事がある…その時は割り切ってくれ」

 

「あ、やっぱり無意識で言ってるんだ」

 

「…………」

 

つい言ってしまうグラン。そして再び訪れる沈黙の時間、数秒見つめあった後にシスは再び視線を逸らしてしまう。今度は何も言わず、無言でグランに次のお便りの催促を促していた。

 

「って訳で二通目『拳というか爪ですよね、シスさんの武器』」

 

「……爪は拳から生えるものだろう、というかこれはカトルか」

 

よく分かったな、と思いつつもグランは否定も肯定もしなかった。確かにシスは爪を使う事が多いが、切り裂くだけでなく普通に殴ったりもしているため本当に拳そのものを使ってはいるのだ。ただ、拳から生えるものだろうというツッコミは何か違うのではないか……と珍しくツッコミ役に回りそうだったので、グランはあえて何も言うことは無かったのであった。

 

「まぁでも殴るというか切るって感じのイメージはあるね、シスの武器って」

 

「……俺には別に筋力は無いからな、本当の意味での拳というのならガンダゴウザやラインハルザが適任だろう」

 

「あの二人は…まともに食らったら普通の帝国兵なら鎧ごと砕かれそうだよね、骨」

 

「骨で済むのだろうか……」

 

「わかる」

 

ガンダゴウザ、ラインハルザ…共にパワーによる圧倒的な破壊力が決め手の者達である。無論、技がないという訳では無いが…その技自体が一撃必殺のパワーを秘めているのである。当然、並大抵の帝国兵は鎧ごと体を貫かれるのがオチだろう。

 

「……ところで、今更の話なんだが」

 

「どったのシス君」

 

「暗殺拳…と言ってよかったのか?」

 

「…」

 

「おい待て『考えてなかった』みたいな顔をするのはやめろ」

 

グランは真顔のまま、あっちを向いたりこっちを向いたりと視線を泳がせながらシスの方を向こうとはしない。まるで、言い訳を考えるかのような対応である。

 

「どうするんだ子供達に答えづらい事を聞かれたら……」

 

「もうその時は正義の仮面シッスーマンにでもなればいいと思うよ、ほらジークンマンいるから…ガウェインマンは卒業したけど」

 

ジークンマン、ジークフリートである。彼の兜はフルフェイスのメットの為、パッと見では誰かというのが判別しづらくなってしまうのを利用しグランが適当に流した噂の一つである。

ガウェインマン…ガウェインは呪いが解けたので仮面をつけることが無くなったが。

 

「お前の頭の中も1度叩き直した方が良さそうだな」

 

「やめてよお兄ちゃん!!」

 

「やめろ」

 

「やめるわ」

 

「いきなり戻るな……」

 

よく言えば演技派と言われそうなグランの対応。まるで悲しそうな声を出しながらも、即座に真顔に戻りテンションも戻していた。はたから見たら精神の病気を疑いそうになるほどには上下が激しかったが、最早シスはそれに対して軽いツッコミを入れるだけにしておくほど疲れていた。

 

「じゃ、3通目行きマース」

 

「…そうだな」

 

すっかりツッコミを諦めたシス、グランはそんなシスを気にもかけずにお便りを漁り…そして1つを取りだして読み上げていく。

 

「えー…『仮面を外して会話できるようにしたらどうだ』、ネハンだねこれ…ご丁寧に名前書いてらァ」

 

「…それに関しては余計なお世話だ」

 

「取られても会話自体は出来るけどねぇ」

 

「…つけてても問題は無いだろう?コミュケーションが取りやすい方法を選んでいるだけなんだからな」

 

シスは仮面を外すと途端に弱々しくなってしまう。近頃は慣れている相手ならば会話はある程度慣れるようになってきているのだが、如何せんそれでも難しい時はあるようである。

 

「……ネハンと話す時くらい外したら?」

 

「………いや…………無理……………だ……………」

 

「知ってるぞ、仮面付けてない時の方が素直じゃないかシスは」

 

「うぐ…」

 

シスは仮面を外すと弱々しくなる…のだが、その分素直な面も出てくる。むしろ仮面をつけている時の方がコミュニケーションを取れる分、あまり素直に会話出来るタイプではなくなるのだ。何故なのか。

 

「………余裕が無くなるだけだ、仮面を取られているから」

 

「なら取られてももっと会話出来る程度に特訓始めていかないといけねぇなぁ!!って訳でその仮面貰い受け━━━━」

 

「っ!!恐怖せよ、六崩の定道が如何なる滅却を齎すかを!その身に刻め、我が闘争修羅の如く!手加減無しだ!!

三面六臂の絶技、思い知るがいい!神髄・鬼面阿修羅!」

 

「━━━━即座に全ブッパときたか」

 

とてつもない爆音と共にグランサイファーの底に穴が空く。腕を組みながら、ニヒルな笑みを浮かべてグランは、落下していく。なんだかんだ心配しあっている関係だからこそ、本気のだし愛はある程度許されるのだ。

 

「………まぁ今の俺にはこいつがいるのさ!!カモンエビフライ!!」

 

指をパチンと鳴らすグラン。しかし、それに答える者は誰もいない。首を傾げながらもう一度鳴らす。やはり誰も来ない。疑問に思いつつも、今日はエビフライは来れない日なのだろうかとグランは思案する。

 

「………うーん、どうしたものか」

 

落下しつつ他の手を思案するグラン。かなり落ち着きつつも落下は続いていく。『誰かが助けてくれるし大丈夫だろう』とは思っているし、最悪装備してる武器でどうにかして飛行する予定なので問題は無いと考えている。

そして、まぁ色々端折ってしまうが……下で待機していたニオに助けられてグランサイファーに戻ったのであった。因みにエビフライはメンテ中だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでシスさ」

 

「なんだ」

 

「昔ご飯どうしてたの?仮面つけながらじゃあレストランとかで食べれんでしょ」

 

その後、昼食時に何となくシスに気になっていたことを尋ねるグラン。『昔』と言ったが、ぶっちゃけ今もつけているので普通に気になっている。

 

「むしろ食事処は昔は寄っていない。洒落た料理など出すのはいいが匂いがつきやすかった

……今はあまり気にする必要も無いだろうと、ここで食事をしているだけだ」

 

「ぶっちゃけそこまで安心してくれるのは凄い嬉しいんだけど、じゃあ昔何食ってたの」

 

「野生の獣を狩り、臭みを取り、保存食に自前で加工していた。味はお世辞にも良いとは言えなかったが…気にせず食べていた」

 

「…………」

 

「なんだ、なん……いやほんとになんだその表情?形容し難い表情をするのはこちらも困るからやめて欲しいのだが」

 

グランは嬉しいような悲しいようなよく分からない表情をしていた。シスはそれに困惑しているが、構わず食事を続けている。仮面を少しだけずらして口に運んでいた。

 

「……色んな美味しいもの食べような」

 

「…?あ、あぁ……」

 

急な優しい言葉に困惑しつつも、シスは食事を続けていく。グランも食事を続けていく。

なんのこっちゃと言わんばかりに困惑しているため……シスはグランの態度を気にしながら食べることになるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あ、お代わり頼む?」

 

「…この後は少し遠出の依頼だったな、腹に溜まってしまうが…その分の栄養素と思って、その分食べておこう」

 

「ローアインのペペロンチーノうめぇよね本気で」

 

「……否定はしない」

 

「…というか食べてよかったの?」

 

「…口臭が残らないように配慮した飲料や副食がある。衣装の匂いに関しては今着ているのは完全な私服だ、着替えて軽く消臭剤を掛けておけばいいだろう」

 

「このグランサイファーにできないことは無いと言わんばかりに至れり尽くせりだなほんと…」

 

「……否定はしない」




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