「呼ばれた」
突如として統空神宮へと呼ばれたグラン。そして一緒に十二神将達も訪れており、午神(仮)兼十三仏のバイシュラを含めた14人で話し合いをする事となった。尚グランは何で呼ばれたのかよく分かっていない。それ以外の人物はわかっていた。そして何故か外にガイゼンボーガが待機していた。彼はグランに呼ばれてきたが何故かは分からない。
「呼ばれる側なのは珍しいんだけど、ほんとどうしたの。またダルマ関係?」
「いや…今回呼んだのはこの間話してた午神問題についてだよ」
「あれって血族みつけようぜ的な話じゃなかった?」
「いや…それよりもちょっと前…午神を君にしようとしてた時の話」
「それしないって話では?」
「見つからなかったらするって話だよ……で、それに伴って問題が1つ発覚してね…」
バイシュラとグランがやり取りする中、十二神将達は黙りこくっていた。妙な気分を味わいつつも、グランはそのままバイシュラとの会話を続けていく。
「問題とな」
「うん……十二神将達と結ばれたら、血縁の子はどっちになるんだろう問題……」
「…………………」
天を仰ぐ。こういう問題は往々にして安易に解決してはならないという話があるのだ。それを分かっているからこそ、グランはこういう問題に明確に答えを出さなかったりする。
「因みに…午神血縁者クソ多くて笑うわ問題もあるよ…」
「何言ってんだこの三十」
「万年瑠璃光」
「あ゙ッ!!!」
凄まじい光に焼かれるグラン。光が無くなる頃に出てくる彼はレスラーの覆面をつけていた。しかし覆面以外はそこそこ焦げていた。
「まさか今のを耐えるとは思わなかった…どうやったんだい」
「ふふふ…
「なんの事か分からないな……」
「で、何そのクソワロ問題って」
回復してもらいながら、呆れた様子でグランは尋ねる。午神になると決まった訳でもないのに問題を発覚した的な様子で行うのはあまりにも宜しくない筈である。
「だって…グランサイファーの大半の女性って…君の子供産むだろうし……」
「俺をなんだと思ってんだ」
「種馬……いや種午…プププ……」
「普通にキレそう……いや待って?まさかそういう話?」
「…………始めからそういう話だけど?何を言ってるのかな…」
よく見れば、十二神将達の殆どが顔を赤くして俯いていた。唯一違うのは欠伸をしているハイラくらいか。この手の話題を何の表情も変えずに話すバイシュラに、グランは少し恐れを抱いていた。
「…………」
「…どしたの、急に黙って」
「……私も対象だったりする?」
「えぇ…ノーコメント……」
冗談なのか冗談じゃないのか分からない。団内の1部の女性陣による妙な圧を感じた時のことを思い出して、グランは逆に何も答えられなくなっていた。
「でも私と君は結婚できないから」
「………
「今度は十三仏と混ざっちゃうから」
「分かりきってる回答だなぁ」
「……あ、他の十三仏とやっててもいいよ」
「何人か男だよな?」
「いいでしょ別に、種うぶふぉっ」
ほぼ無表情で吹き出されても、グランは困惑するだけである。良くも悪くも普段は引っ張り振り回すグランが、今回は完全な受け身体制であった。
「……え、もしかして議題これで終わり!?」
「いや…まだあるよ、というか今までの話もまだ終わってないよ」
「皆困り果てて会話入って来れないんだから勘弁してやれよ……で?他の議題って?」
「午神宮敷地内での新築の面積確保、改めて作る午神宮ならではの催し、その他諸々」
「え、具体的にあと何個」
「8個」
「多い!!」
実は円卓を囲んでの話し合いだったのだが、グランは円卓を強く叩いて抗議していた。何せ彼の予想では5秒もあれば終わる議題ばかりだろうと思っていたからだ。
「……初めの方から聞いていこうか、新築の面積確保ってどういう事よ。土地の面積ないの?」
「面積はかなりあるよ…けど、作る物が大きいんだよね」
「…………………どのくらい?なんて聞かない、なんで大きいの?」
「「お嫁さんと子供住まわせる家だから面積足りないんだよね」って予想してたよ畜生!!」
一言一句何も違わずに被っていた。そしてグランの部分の円卓は、余りに強く叩きつけてしまったが為についに割れてしまった。しかし話はここで終わらない。
「やるにしてもその話題は後!!催し!!
……まぁ、うん。そういうのあるもんね他の神宮だと…大切だよね。けどそれ今考えることなのか?」
「まぁ…候補をあげるくらいなら、って所かな…やる本人が強くやりたいって願う事の方がいいけど…一応ね」
ビカラのエレクトリカルパレード、クビラの岩砕き、シンダラの風水…神宮には何かしらの催事が付き物である。午神は断絶して100年ほどなので、それも途絶えてしまっている。つまりは、もうオリジナルを作ろうという話なのだ。
作った前例としてビカラがいるので、OKの方面なのである。
「…わ、私みたいな…可能性もある訳、ですし…」
「まぁビカラはエレクトリカルパレードやってるけど…その当代午神(仮)が積極性なかったりすると意味無いもんな」
「そういう事……だから、血があっても能力が無かったり…本人に積極性がなかった時の事を踏まえとかないとね」
「午…か……」
グランは頭を巡らせる。午……というか馬関係で何かないかと頭を回しているのだ。そうして1つ、思い付いたものがあり皆に説明を始めていく。
「どこかの島だと馬でレースしてたりするらしい…だから大まかな年齢順に分けてのレースとかどうだろう」
「年初めに1着になれたら…縁起は良さそうだね」
「うむ、悪くないかもしれんの」
「楽しそうだね!マッキー!」
「そだね、アンちゃん」
赤ちゃんをレースに出したりしてる微笑ましいレースも、この世の中には存在している。子供が一生懸命なところは、大人達をきっと癒してくれる効果があるだろう。
「しかし何故じゃろうな、何故かレースに既視感がある」
「おぉ!ワシもだ!」
何故かアニラとヴァジラがレースに既視感を覚えていたが…答えは出てこない、というか出したら危なそうな気がしたので2人は頭を降ってその予感を払っていた。
「……う」
「とりあえず俺の子供とかお嫁さんとかに絡めたネタは流石に天丼がすぎるので、それ言うなら黙ってて貰っていいですか?」
「ごめんて……」
「けどいい案だと思うぞ!な、パイ!」
「うん…すっごいズキュンドキュン走り出しそう」
あかちん塗っても治らなさそうな胸の高鳴りと共に、グランの頭の中には何故か回転と乗馬について妙に力説してるヴァイトがいたのだが、そのヴァイトの目が異常に漆黒に染ってるように感じたので、これまた頭を降って邪念を払う。
「インちゃんはどう思うんだい?」
「あぁ、とてもいいと思う。ただどちらにせよやることは山積みだろうから…その時は私が手伝おう」
「よーし、午神問題に関してはインダラは参加させないようにしよ〜」
「「「さんせーい」」」
「何故だ…!」
怖くなるレベルでのワーカーホリック状態だが、関わらせなければ無問題である。なお引継ぎの時にどうしても関わってしまうので、バイシュラが付き添うこととなった。
「……所でハイラがさっきから黙ってるんだけど」
「ハイラ様なら今はカレーチーズ味を食べています」
グランの傍に寄り添うようにして…というよりも最早体を預けてるレベルでヒトハが寄りかかりながら、そう説明していた。ヒトハはハイラの式神なのだが……ハイラの影響を割と受けやすい。つまりはそういう事なのだ。
「こいつずっとラーメン食ってたの?なんかいい匂いすると思ったら」
「食うか?望むのなら口移しでも…」
「いつもなら望むけどカレーチーズ味の口移しはちょっと考えちゃうな……というかチーズカレー味じゃなくて?」
伸びたような笑顔でラーメンをすするハイラ。そのせいか全員お腹が減ってしまったので、全員でカップラーメンをすすりながら議題を進めていくこととなった。
「ところでバイシュラさん何味食べてんの?」
「ペペロンチーノ」
「ラーメン食ってるんだよね?」
,
「「「「「終わったー!!」」」」」
議題と飯が終わった。最早満腹になったハイラは途中から昼寝していたり、インダラはずっと議事録を纏めていたりと慌ただしかったが…用意された議題はきちんと終わらせていた。
「…改めて思うけどこの二人ほんと正反対だよな」
「でもさ〜、色気は2人ともすっごいあるよね〜!」
「シンディいつ戻るつもりなの?」
「グランが太極猛虎戦鎚くっつけちゃったから戻れないんだもーん!!」
「2人が喧嘩してるからだよ……」
途中、フアンとパイが喧嘩したのでグランが無理やり合体させていたのだが…追加で割れ目のある所にテープでグルグル巻きにしたせいで簡単に取れなくなっていた。
因みに喧嘩の被害はグランのラーメンである。
「……ところでバイシュラさん」
「なんだい?」
「普段は面倒臭がりだけど、十二神将関係の仕事はきちんとこなすハイラが昼寝ぶちかましてるってことは……これ、仕事じゃないな?」
「仕事仕事……単に後から全部無駄になるかもしれないだけで」
「本音は?」
「ぶっちゃけやること無くて暇だった」
「仕事じゃないのにハイラが来た理由は?」
「実は十二神将達にはこっそり『来なかったら私が貰う』って書いたら全員来た」
「貴方結構アレな人だな?」
「でも仕事なのは本当だから」
「……」
ちょっとアレな議題もあったが、実際問題午神問題に関してはグランも積極的に手伝う方針なのである。なので今回の話に関しては帰ることも出来たが、きちんと手伝うつもりで残ってたのだ。
「…まぁ、確かに重要な事だよ」
「でしょ」
「ふざけないで始めからそのスタンスでいけばいいのに…」
「まぁそもそもの話…引き継ぎ先のアニラと引き継ぎをするインダラ以外は必要あるかどうかと言われたら微妙なんだけど」
手で口を抑えながら、まるで笑いを堪えているかのような仕草を取るバイシュラ。グランはそれに困った表情を浮かべるしかなかった。
「う〜ん、素直に尊敬させてくれないなぁこの人」
「因みに興味本位で聞きたいんだけど」
「何ですか」
「子供は何人欲しい?」
「1人につき補欠と監督含めてサッカーのチームが出来るくら」
急にグランの下の床が取り払われ、ダルマに繋がる道が開かれる。グランはそこに落ちていき…姿を消していた。余りの事に、全員が呆気に取られていた。
「……リーシャ殿いるのかの?」
「いや…いないよ…ほんとに偶然開いたみたい……」
「そんなことあるんじゃのぉ……」
「まぁ…最悪シンダラ投げ込んで連れ帰ってもらおう」
「扱い酷くなーい!?」
.
「…どうもマプラさん」
「何故ここに…」
「落ちてきたんですけど…マプラさんは?」
「俺もだ…」
ダルマの通る階層まで落ちてきたグラン。そこにはマプラがいたのだが…どうやら彼も被害にあっていたらしい。ダルマの管理はどうなっているんだ、と思いながら困り果てていた。
ダルマでは、その空間に合った符丁が用意されている。大体は察知できたり納得出来るものだが……たどり着いた空間は何もない真っ白な大きく広い部屋。
「ここの符丁ってなんでしょう…何かありますか?」
「…あそこに何かあるな」
「あ、ほんとだ…ただただ白くて広いせいで見づらいけど…あれは…」
その空間にあったもの…見つけたのはダブルベッドだった。冷や汗を流す2人…と、そこに一枚の紙が落ちてくる。マプラは即座に拾い上げる。その紙は折り畳まれているようで内側に文字がある様だが……
「マプラさん!!なんか頭の文字Sじゃないですかそれ!?」
「まままままま待て、落ち着こう……まだ、まだこれが符丁だと決まったわけじゃないし……と、とりあえず開けるぞ…」
息を荒げ、心音も高くなる。グランとマプラは冷たくなるような感覚を味わいながらも、頭は知恵熱で倒れそうな程に熱い。冷たいと熱いを同時に味わいながら開かれる紙…そこに書かれていたのは━━━
『Super Ultimate Bahamutの討伐を30秒でする事』
「「は?」」
━━━READY━━━
タッチするとオートアタックが有効になります
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