ぐらさい日記   作:長之助

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ASMRとか出されたら多分やばいと思う


四聖玄帝、好きになっちゃった?

「はい、今日のゲストはウルキさんです」

 

「四聖、玄武の担当ウルキ……ウルちゃんって呼んでね」

 

静かではあるが、聞き取りやすい声。例えるならば水のせせらぎのような可憐な声。自他称共にウルちゃんの名で呼ばれる彼女は玄武担当ウルキである。

 

「他の3人も散々に言ってるけどねぇ、私も四聖の1人…チチリちゃん、アミちゃん、シュシュクちゃんと同期なんだよ」

 

「さっきも言ってたけど、玄武担当だったね」

 

「うん、だからウルちゃんのお役目は玄武を鎮めること……」

 

少しの目配せ。カメラ越しの映像では分からず、グランにだけ伝わる目線のそれをきちんとグランは受け取っていた。交流を深めるこの番組でも言うことと言わないことの判別は流石につけている。つけている上で大丈夫なところだけ突っ込んでいる。

 

「それはそれとして、皆で仲良くご飯を食べたりするのもお役目なのかも?」

 

「寂しんぼだもんね、ウルちゃん」

 

「そうそう、ウルちゃんは寂しんぼ〜……だから寂しんぼを連れていくと、ずーっと一緒にいちゃうんだよ?」

 

「あれ?ちょっ、ウル……ウルキさん?」

 

椅子から降り、グランの膝上にちょこんと乗り、顔を向かい合わせるかのような体勢。尋常じゃないくっつき具合である。

 

「ウルちゃん寂しんぼだけど、他の3人以外だと四聖関連の事で巻き込まないように一人でいること多かったから…心の氷、団長さんが溶かしちゃってもう大変なんだよ?」

 

「ちかいちかいちかいやばいやばいやばい」

 

「ウルちゃん氷出したりして、氷像作ったり…凍らせたりで冷たぁいのが得意なはずなのに、もうずーっと心はぽかぽかしちゃって…団長さんの事が頭から離れなくて………」

 

「ウルキさんストップストップ秩序されるのは俺だけだからいいけど他のことでこの船のメンツ何人か止まらなくなっちゃうから待って待って」

 

「他の女の子と一緒にいるとむむむ〜ってなって…ちょーっと、意地悪したくなっちゃ……はえ?」

 

抱えあげられるウルキ。抱えたのはグラン……ではなく、いつものようにいつの間にか部屋に入り込んでいたリーシャである。今回は秩序する為ではなく、ストッパーとしてきていた。

 

「ウルキさん、あの……」

 

「あはは……ちょーっと度が過ぎちゃったねぇ、反省するね」

 

「リーシャ、助かった」

 

「因みに本音は?」

 

「耳が幸せすぎて頭おかしくなりそうだった」

 

「後で秩序しますね」

 

「畜生…嘘はつけねぇんだ……」

 

後悔していない顔で、グランは天を仰いでいた。その間にウルキはリーシャに席へと戻されていた。それを確認した後に、グランはどこからともなく箱を取り出していつものようにお便りを漁っていた。

 

「というわけでお便りコーナー行きましょう」

 

「わぁ〜」

 

「1通目…名前書いてんな、チチリより。『武器重くないの?』です。同期なんだから持ててる理由わかるのでは…?」

 

「ん〜……四聖の皆って、私もそうだけど…他の人よりちょっと力持ちだから……」

 

四聖という者達は、各担当の星晶獣と戦う為か体の作りが一般人とは異なっている。端的に言えば他の人間よりも強い力で戦うのだ。分かりやすいのはチチリの土下座である。振り下ろした地面を砕く土下座をいとも簡単にやるのだ。

 

「力加減とかは…あんまり考えたことないかなぁ」

 

「まぁ力加減意識してるとかになり始めると、緊張凄そうだよね…特にチチリ」

 

「絶妙な加減のマッサージしてくれてるウルちゃん嬉しいんだよね〜」

 

マッサージのお世話に?と一瞬思ったが、疲れることもあるだろう。自分も年若い身でありながら感電…ではなく電気マッサージの餌食…ならぬお世話になったこともあるのである。

 

「………あれはやばかったなぁ」

 

「そう言えばぁ…レヴィオンの電気マッサージ受けたことあるんだよねぇ?」

 

「やめとこう、あれは人間の受けるものじゃない」

 

「えぇ……?う、うん…」

 

「……で、まぁ話を戻すわけだけど」

 

「重くは無いねぇ、ウルちゃん力持ち〜」

 

四聖の中では随一に力の扱い方をわかっているウルキ。力任せに振っている訳では無いが、その振り方を含めての『重くない』のである。彼女には力も技術もあるのだ。

 

「……さて、2通目に行くか」

 

「わぁ〜」

 

「えーっと何々……『氷像作るのが趣味なんですか?』」

 

「趣味だよぉ〜、ウルちゃんが氷を出して……形を整えて〜……こんなこと出来ちゃいます」

 

少しの自慢げな表情をしながら、自らにそっくりな氷像を作るウルキ。それは魔力の込められた特殊なものである為か、右手上げたり左手上げたりと自在に動いていたのだ。

 

「おー、ウルちゃん人形」

 

「団長さん達も、このウルちゃんを本物だと思ってたよねぇ」

 

「色つけられたらほんとわかんない」

 

「このくらいなら幾らでも作れるから…一家に一台氷ウルちゃ〜ん

……………あ、でも団長さんにはいらないよね」

 

コテン、と首を傾げて微笑みながらグランにその言葉を向けるウルキ。突然の事にグランは驚いてしまうが、ウルキはそのまま言葉を続けていく。

 

「え、なんで」

 

「本物ウルちゃんをお持ち帰……これもダメかァ」

 

「いつもそんなんじゃないですよね…?今日滅茶苦茶テンション高くないですか?」

 

「何でだろうね?何でだろうねぇ?」

 

何が嬉しいのかは分からないが、ウルキは風鈴のような聞き取りやすい静かな声で笑っていた。こうやって居ること自体が彼女にとって楽しいのだろう。

再びいつの間にかいたリーシャに止められても尚、ウルキはとても楽しそうに笑っていたのだ。

 

「お酒飲んでる?」

 

「飲まないよ〜」

 

「楽しい?」

 

「楽しいよ〜」

 

「ならよし……氷像って全部魔法で形整えてるの?」

 

「ん〜…魔力込めない時はどーんと削ってるかなぁ」

 

自らの持っている武器を持ち上げて見せつけるウルキ。明らかにどう見ても斧の見た目なのだが、これは剣なのである。歴戦の騎空士なら一目瞭然である(得意武器が剣なのでこれは剣らしい)

 

「それで?」

 

「これで」

 

「細かいところは?」

 

「流石に道具を使うよ〜…って言っても、趣味の範囲だから最近はやってないんだけどねぇ」

 

因みに彼女は前述の通り寂しんぼなので……友人とのお出かけがもっぱら好きなのである。四聖の同期達とのお出かけは、彼女にとっては何物にも代えがたい代物なのだ。

 

「なるほどなぁ……」

 

「まぁ、頼まれればウルちゃんが作るから……欲しい人は、頼んでねぇ」

 

「というわけで2通目のお題でした……ラスト3通目…」

 

「ワクワク〜」

 

「……『ウルちゃんは接客業が好きだと聞きました、どうしてですか?』」

 

「ウルちゃん寂しんぼだからねぇ、人と関わったりするのが元から好きなんだよ〜」

 

「しかも友達思いだから、みんなの事を思いやれる優しい子だもんね」

 

「恥ずかしいよ〜」

 

グランの言葉にウルキは照れていた。事実ウルキとグラン達は少々特殊な出会い方をしていたが、その時に起こっていた状況は全て彼女が優しすぎるが故に起こっていた事であった。彼女の抱える宿命に、彼女は自らの心が壊れるほど思い悩んでしまい……そうして紆余曲折ありグラン達の仲間となったのである。

 

「でも…こうやって団長さんと仲間になれてウルちゃん嬉しいよぉ」

 

「ふふ…そう言って貰えると嬉しいな……あ、そうだ」

 

「?」

 

「接客業するならさ、サンダルフォンの喫茶店でバイトしてみたら?」

 

サンダルフォン…元堕天使、現在は天使長となっている彼だがグランサイファーで喫茶店という名の珈琲の振る舞いショップを営んでいた。

ラードゥガとはまた違う憩いの場に、好き好んでいく人も多いのだとか。

 

「いいねぇ」

 

「まぁサンダルフォンの許可とる必要があるけど……ウルキは可愛いから採用間違いなしだ」

 

「この団の人、綺麗な人と可愛い人がいっぱいだけどねぇ」

 

「あと静かで気品があって笑顔も素敵」

 

「そんなに褒められるとウルちゃん真っ赤っかになっちゃうよ〜?」

 

そう言いつつ、ウルキの顔は真っ赤である。グランの数々の褒め言葉がクリーンヒットしているようで、耳まで真っ赤になっていた。しかしそれでもいつもの態度はなるべく崩さないようにしていた。

 

「…………にしても、団長さんからすればこの団の中でもそう思ってくれるって事なんだね〜」

 

「おや急にスンとしちゃって」

 

「ウルちゃん褒められすぎると、団長さんの方をお持ち帰りしたくなっちゃうよ〜?」

 

「ハッハッハッ!!お持ち帰りされるのなら俺も誠心誠意朝まで付き合っ」

 

さっきまで近づかれることを危険に感じていたが、異性からの頼み事は冗談交じりで受けてしまう。これは悪癖なのである。グランのいる位置の床が開き、同時にリーシャが頭をハリセンで叩いて加速させつつ落としていた。因みに今日の受け止め担当は朱雀である。

 

「ごめんちょっと熱い!!!!待って待って熱くないよー!!!だから飲み込まないでー!!!」

 

「朱雀も楽しそうだねぇ……団長さぁん、挨拶〜」

 

「えー!?あー!!!!今回もご視聴ありがとうございました!!また次回お会いしましょう!!!さようならァ!!!!」

 

「聞こえるものなんだねぇ……ウルちゃんと仲良くしたいなぁ〜って人がいたら、ウルちゃんいーっぱい仲良くするから…お話しようねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

,

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでウルキの奥義ってなんて名前?」

 

虚宿(とみて)だよ〜」

 

「……他の3人の奥義って……」

 

「えーっと…チチリちゃんは翼宿(たすきぼし)、アミちゃんは角宿(すぼし)、シュシュクちゃんは觜宿(ドカドカぎり)だね〜」

 

「いやいやいやいやおかしいおかしいおかしい」

 

「必殺技なんて、雰囲気でいいんだよ〜自分でイメージが付きやすいならなんだってね〜」

 

「いやまぁそうなんだけど………やっぱ何かシュシュクだけなんか別次元じゃん色々」

 

「シュシュクちゃんはそういう子なんだよ〜」

 

「………なら仕方ないか……」

 

因みに読みは觜宿(ししゅく)である。必殺技というのは雰囲気で名付けされてても、納得さえされれば正直何でもいいのである。觜宿と叫ぶよりもドカドカぎりの方がそれっぽい…それだけなのである。




まじで声が綺麗すぎてやばいと思います
こんな子の精神ぶっ壊した黄龍が仲間にいます、今日も元気に酒飲んでます。私はどうしたらいいんでしょうか。

追記:アンケート入れました。回答文20文字で少ないのでここで補足
1.文の通りです 、やんじゃねぇよみたいな話
2.お便りスタイルでの書き方で、その後作品毎でキャラ同士のお話1話…いつものやり方です
3.番外編下に突っ込んで繋がりのないクロスオーバー短編(例:最近だとネギまとH×Hみたいな感じ)

尚基本的には帰ってない勢でやろうかなと思ってますけど、もし「帰ってる勢もやって欲しい」って意見多いとするかもしれないです。履修してない作品とかもあるんで厳しいですけど(刀剣乱舞とか)

良かったらアンケートどうぞ
期間は特に決めてませんけど多分1ヶ月くらいで切るかも
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