ぐらさい日記   作:長之助

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天穿の銃槍騎、私の切り札はどれだ…?

「今回のゲストはラスティ」

 

「おい団長」

 

「……ラスティナさんです」

 

「なぜ私は縛られているんだ?」

 

「ん?じゃあ撮影開始前にお前がしたこと述べてみ?」

 

椅子に括り付けられ、ついでと言わんばかりにご丁寧に足と椅子の足を揃えるように縛られているラスティナ。なぜ自分が縛られているのか、本人は全く理解出来ていないがグランはカオスルーダーもびっくりの顔でラスティナを見ていた。

 

「……扉を開けて…」

 

「転んで扉吹っ飛ばして俺の脳天にドアぶつかったね」

 

「………椅子に座って…」

 

「座った直後に椅子が倒れてラスティナの武器が俺の頭にクリーンヒットしたね」

 

「…………えっと…」

 

「その直後に武器が暴発して、俺が吹き飛んで1回落ちたね」

 

「き、きっと状態が悪くなってたんだ!私のお金を使って直して欲しい!!」

 

「人の金でグランサイファーを治すわけないじゃん……おかげで今の俺のHP98%まで減ったよ?」

 

少々焦げているグランだが、直前に嫌な予感がしてスパルタへとジョブチェンジを決めていたので、なんとか耐えれていた。しかし、ほんの数秒で部屋が煤だらけになっているのは否めない。

 

「うぐっ……くっ…殺せ!」

 

「殺せ殺せ言わないの、そんなこと言ってると屈強な悪いチンピラドラフに悪いことされちゃうぞ?」

 

「なっ!?私をあんなコトやこんなコトして辱める気か団長!?」

 

「あー、はいはいポンバポンバ」

 

「流石に返事が適当すぎやしないか!?」

 

カオスルーダーもびっくりの顔から、最早原型がなくなるくらいに破顔するグラン。その顔は最早気が抜けきっていて、別人のそれへとなっていた。

 

「た、頼む…余計なことしないから外してくれ……」

 

「外すわけないじゃん…さっきはちょっと可哀想かなぁと思って外したら、まさか胸で顎をカチ上げられて脳みそ揺らされるなんて、夢にも思わなかったよ」

 

「あぅ……」

 

実際その通りなのだが、ラスティナはこれら全てをドジで行っている。つまり無意識であり、彼女の意思関係なく行っていることなのである。実際、足を滑らせて頭を地面にぶつけた挙句そのまま気絶してしまうなんていうのは、ラスティナは一日に数度はあるほどだ。

 

「さて、じゃあこのままお便り読み上げていきますから……ラスティナはちゃんと答えるように……終わったら何とかして2人とも無事でいられるように解いてあげるから」

 

「わ、わかった……」

 

正直、ここまでドジを踏むのならば1度中止した方がいいはずなのだが、それでもグランは続けるつもりらしい。ラスティナも、それに従うことにしたのだ。

 

「さて、1通目『どうしてベアトリクスさんと一緒に船を破壊して回ってるんですか?』」

 

「……」

 

「……え、これどういう事?」

 

驚きすぎて、冷静に問いただすグラン。しかし、その目はやると言ったらやる気配を見せていた。

 

「いや、あの……2人で武器を持って歩いていると、偶に向こうから人がやってきたりするんだが……」

 

「まぁ普通避けようとして壁際に寄るよね」

 

「あぁ……寄ったはいいんだが、大体その時に私が躓くんだ…」

 

「ん?」

 

「そして、大体の確率でベアトリクスに向かって倒れてしまう……ついでに、私もその時に武器のトリガーを引いてしまって…その、爆発してしまうんだ」

 

「それで船破壊を…?」

 

「いや、本題はここからなんだ……爆発する直前、ベアトリクスがエムブラスクを持って…私の方に振り返るんだ、そしたらピンチを察してかエムブラスクがそのまま私に攻撃を出すんだ」

 

つまりは、ラスティナが躓いた影響でベアトリクスがとんでもないピンチになる。とんでもないピンチになることで、エムブラスクがとんでもないパワーアップされ、衝撃波を飛ばしてしまう。その2つによって、グランサイファーが定期的に破壊されている…ということになってしまうのだ。

 

「……なんか、妙に最近爆音が多いと思ってたら…」

 

「す、すまない…」

 

「……でもさ、回ってるってことは…1度や2度じゃないって事だよね?」

 

「……ついさっきもしてしまったので、今月で7回目だ…」

 

「今月で……ということは前も…」

 

「す、すまない……言おうと思ってるのになかなか会えないし、会えたら会えたらで古戦場始まってたし……言う機会が、全く訪れなかったんだ……」

 

グランは苦笑するしか無かった。それと、ここで発表しているのだから、後でラカムからお怒りの雷が何度も落とされるかもしれないが……まぁある意味自業自得と言うしかないだろう。

 

「というか、ベアトリクスと一緒に行動してるんだね」

 

「まぁ……結構私達は似たようなところがあるらしいからな」

 

「似たようなところ、か……」

 

ドジっ子、自分のドジをあまり認識していない、捕まるとすぐに敵に殺せと言い始める、一応貴族……などなど、色々と確かに似通った部分はこの2人には多いのだ。

 

「確かに多いね」

 

「特に、私とベアトリクスは戦闘での相性もいいらしいんだ」

 

ラスティナの武器は、大型の槍に大砲をくっつけた武器となっている。砲弾の発射と、槍の突きを行える遠近両用武器なのだが……専ら、ラスティナが躓いて暴発することで結果オーライと言った場面が多い。

 

「戦闘での相性って……それラスティナがドジ踏んで、それでベアトリクスがピンチに陥ったからエムブラスクが威力高くなってるだけじゃあ……」

 

「そ、そうなのか…?単純に戦闘方法が噛み合っているのだと……」

 

「……まぁいいや、とりあえず2通目に行くよ。『団員の中にゼエン教徒いますけど、その人達はいいんですか?』」

 

「……まぁ、別にヴァッヘン派ではないからな…」

 

「最初こそ、俺が止めなかったら危なかったけどね」

 

ヴァッヘン派。ゼエン教の中でも過激な派閥と言われている所である。ラスティナの父親もそこにいるのだが、娘である彼女を置き去りにしたことで、ラスティナは真意を知ろうとヴァッヘン派の人間を探す為に、この団に所属している。

 

「あぁ…」

 

「ソフィアとレッドラックも、真摯に話を聞いてくれたしね」

 

「あの二人と話して、ゼエン教でもヴァッヘン派ではない者達は、まだまともなのだと認識できた」

 

「まぁ、印象に残ってるのがヴァッヘン派ってなったら…確かにそりゃあね」

 

物事の一側面において、マイナスの面を初めて見たまたはそこが強く印象に残っている場合、他のいいところを見てもマイナスの方に考えてしまってしまうということがある。ラスティナも、ヴァッヘン派というものを見てしまったが故に他のゼエン教徒に対して、辛辣な態度をとってしまうこともあった。

 

「あの二人には悪いことをしたな……」

 

「まぁ、あの二人も気にしてないみたいだし……とりあえず3通目行こう、3通目に」

 

「ん、頼む」

 

「『1回ヴァッヘン派がいる所に侵入したって本当ですか?』」

 

「あぁ…潜入調査をした時の話だな」

 

ラスティナは1度、ヴァッヘン派が集まる街で変装して侵入した事もある。ドジっ子ラスティナが潜入調査なんて出来るのだろうか…と、グラン達は1度は心配になっていた。

蓋を開ければ、案の定敵に捕まっていたのだが。

 

「変装は完璧だったのにね」

 

「まさか秘密の扉の奥にあった階段から足を滑らせて、頭を打って気絶するとは…」

 

「そういう所がドジっ子って言われるところなんじゃない」

 

「私がドジ…?」

 

「え」

 

「え?」

 

自覚がない、というのは何よりも怖いことである。ラスティナは自分がドジだというのはほとんど認識しておらず、大体『偶然そうなった』とかそういう言い訳が多い。彼女にも一応部下がいるが、心労が伝わってくる。

 

「自分の悪いところは認識しような?」

 

「ちょっとタイミングとか運が悪かっただけだ……自分の力で切り抜けられる……時もある」

 

「そういう時じゃない時は?」

 

「……部下達や団長達が助けに来てくれた」

 

そこはきちんと認めているラスティナ。別に、助けてもらった恩を返せとはグランも言わないし思ってすらいない。しかし、自分の体質を棚に上げて1人で突っ込むと自分が危険にさらされてしまうのだ。と、グランはあくまでも自分の体を大切にしろとよくラスティナとベアトリクスに怒っている。別に助けに行くことは、何ら問題ないためそんな怒り方をする。

 

「OK、それを理解してるならいいよ。仲間がいる時はちゃんと頼ること」

 

「ああ、善処する」

 

「善処できるだけしてね……というわけで、今回はここまでとなります、ご視聴ありがとうございました。また次回この番組でお会いしましょう……さようなら」

 

「ところで団長、いつになったら私の縄を解いてくれるんだ?」

 

「さて、いつだろうね」

 

「え」

 

固まるラスティナ。グランは冗談でそう言ったのだが、ラスティナにはどうやら冗談とは思えなかったようだ。でも正直、胸で頭揺らされているので、縄を外すのも真剣にやらないといけない。

 

「え、ちょ……本当に外してくれるんだろうな?!」

 

「いや、まぁ外すけど……暴れないでよ?」

 

「大丈夫だ、後ろ手に縛ってるんだし胸が当たる余地はないだろう!!」

 

「確かに……」

 

ちなみに、頭をゆらされた時はラスティナの腹の辺りに結び目を作っていた。『普通後ろだろう』と思うかもしれないが、そこはもう…このグランという男の性格を考えたら分かるかもしれない。

 

「さぁ、解いてくれ!」

 

「まぁ待ってろって……暴れんなよ…?」

 

「ふふ、分かっている」

 

縄を外し始めるグラン。じっとしているラスティナ。しかし、ただじっとしているのも手持ち無沙汰なので、ラスティナは窓の外を見ていた。綺麗な青空が拡がっているのと、そこから日光が差し込んで…

 

「眩しっ!!」

 

「ちょっ!?何後ろに体重傾けて━━━」

 

咄嗟に後ろに飛びのこうとしてしまい、椅子を傾けさせてしまうラスティナ。咄嗟のことで反応できなかったグランは、そのままラスティナの下敷きに━━━

 

「痛っ!!お、おい団長!無事か!?団長!!おい、聞いているのか団長!!」

 

ラスティナはグランを呼び続ける。しかし、そのグランは…ラスティナの下にはいなかった。

なぜならば、グランは床が開いて落ちていたからだ。最近使っていなかった為か、それとも急な力が掛かったせいか勝手に開いてしまったのだ。ラスティナが落ちてない理由としては、奇跡的な引っかかりが出来てしまっているためである。

 

「何故だか背中がスースーするんだが!?おい団長早く起こしてくれ、団長!!」

 

その声は誰にも届かない。しばらくしたら異常を察知した団員の誰かが助けに来てくれるかもしれないが、少なくとも何時間かはこのままである。

 

「そ、そうだリーシャ!リーシャがいるだろう!?」

 

「呼びましたか?」

 

「本当にすぐ来た!助けてくれ!!」

 

「分かりました……でもちょっと1人だと難しいので、誰か呼んできますね」

 

「あぁ!頼んだぞ!!」

 

そう言って離れるリーシャ。この後、数分したらラスティナは助けられて、グランはなんとかかんとか船の底にへばりつきながら、生き延びていたという。

だが、登りきるまでにかなりの時間を要したのは……言うまでもない。




ドジっ子ドラフ洗脳堕ち(しかける)のがSR
というかビリビリエレクトリカルサマー辺りから、グラブル自体の表現の年齢指定が上がった気がしなくもない
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