ぐらさい日記   作:長之助

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西の守護神、くっくどぅーどぅるどぅー?

「少しの合間を挟みまして、はい多分第五回目団長相談室……ゲストはマキラさんです」

 

「どうぞよしなに……」

 

「突然だけどまだ余ってたゴリラTA飲む?」

 

「勘弁……前に録画されたの見せられた時、凄く恥ずかしかったんですよ」

 

「ウホウホ言ってるの可愛かったけど?」

 

「……」

 

 かなりの弄りから入った団長相談室。マキラは顔を真っ赤にしながら俯いていた。それがまた可愛いとグランは強く頷いていた。

 

「そう言えばさ、お役目の時に着る服あるじゃん?白と赤の」

 

「はい……それが?」

 

「お役目交代の時に着てる服ってさ、みんな白と茶色の服になってるのって偶然?」

 

「もふもふは暖かいので……」

 

「……確かに暖かそう」

 

 思い出しながら、グランは頷いていた。マキラは今はお役目交代をし終えている状態なので、モフモフの方である。

 

「……そう言えばさ、マキラって俺落ちてる時いっつも担ぐ訳だよね、今日は代替えでもいるの?」

 

「プロトバハムートが待機、と……」

 

「ルリアめ……プロトバハムートはさすがに硬いから怪我しちゃうぞ……それほどまでに俺に女体を触らせないつもりか……」

 

「嫉妬、ですか……」

 

「まぁ、それがルリアの可愛いところでもある……と、話を戻そう。マキラってルナールと仲良いよね」

 

「おこたの民です」

 

「暖かいもんなあれ……前の同人誌制作の時も一緒にいたもんね」

 

「……あれは、途中から記憶がないということに……」

 

 再び顔を赤く染めながら俯くマキラ。ゴリラには、いい思い出がないようだ。しかし、それをひたすら弄って赤面させようとしているのがグランである。

 

「……お便りの方を…」

 

「ゲストの頼みなので、団長さんは聞いちゃうぞー……という訳で第1通目『あの鳥ってどのくらい速度が出るんだ?』ミュオンから」

 

「流石に貴方の相棒よりは遅いですね……」

 

「というか最速が早すぎるわアレ……しかも弄り大好きグランサイファーの面々に調整という名のレベルアップされてたぞこの前」

 

「え、どうなったんですか」

 

「初速300キロ」

 

「死にますね……」

 

 そんな速度でいきなり走り出したらほぼ確実に死ねると思うが、ミュオンはどうやって生き残ったのだろうか……とマキラは不気味に思いながら疑問に感じていた。

 

「ともかく2通目、『鳥以外に好きな動物はいますか』」

 

「基本的に色んな動物が好きですよ、しかし最近は羊、犬……も好きになってきてたり」

 

「それ、理由としてはアニラとヴァジラ…というか、ガルの影響でしょ?多分」

 

「全く持ってその通り……背中に抱きついてると、柔らかいので…ついついウトウトと……」

 

「まぁ1回触らせてもらったことあるけど、柔らかいもんね羊とか犬って」

 

「はい」

 

 アニラの周りには羊が、ヴァジラには相棒にガルという犬がついている。マキラはハーヴィンなので体が小さく、羊や犬に抱きつくとなると恐らく体全体で抱きつくことが出来るのだろう。

 

「じゃあ三通目、『随分と、胸元の露出が激しいんだね』……アルルメイヤだ」

 

「胸元……お役目の時の格好のことですかね……」

 

「あぁ、確かにサラシみたいな赤いの1枚だけつけてたもんね」

 

「あの季節にあの格好は少し寒かったですよ」

 

「少しで済むあたり、ルリアの系譜かなにかで?」

 

「……?彼女がどうかしたんですか?」

 

「いや、ルリアって年中あのワンピースなんだよね。寒い時はあれにマフラーと偶に耳あてってくらい」

 

「……新陳代謝が盛んなんだと思います」

 

「なるほど確かに……って、ハーヴィンってもしかして皆そうなの?全体的に新陳代謝が高いから寒さがあまり気にならないとか?」

 

 首を傾げるグランに対して、マキラも同じように首を傾げていた。どうやら、その辺のことはマキラもよく分かっていないらしい。今この話を続けようとしても、恐らく続かないままに終わってしまう可能性があるため、グランは咄嗟に話を変えようとする。

 

「あー、そうだ。今年ももう終わりが近づいてきてるけど、次は亥だけどどんな子なの?」

 

「……それは、あってからのお楽しみです 」

 

「そっかぁ、まぁ会える迄待ってみようかな」

 

 亥……つまりは猪なのだが、どんな子かを予想しながらグランは首を縦に降って、連続で頷き始めていた。結構シュールな光景だが、グランは直ぐに正気に戻ってトークを続けていく。

 

「……そう言えばですね、私ちょっと気にしてることがあって」

 

「と言うと?」

 

「お酒、勧められるんですよ」

 

「お酒?飲めないの?」

 

「うーん……ほら、私って一応20歳以下なので……遠慮したいんですよ」

 

「あ、そう言えばそうか」

 

「何故か、20歳以上だと見る団員さんも多くて……いえ、怒ってる訳では無いんですけど」

 

「16歳だもんね、マキラ」

 

「はい、未成年です」

 

 西の守護神マキラ、彼女の年齢は16歳である。しかし、そのゆったりとした喋り方のせいか、未成年ではないという見方をする団員もいるようで、それについて少し困っているのだという。

 

「ルナールの作業手伝っている時も、1部の手伝いだけだったんだよね?」

 

「はい、何故か見せられないと叫ばれながら見てないシーンの方が多かったです」

 

「まぁ、俺たち未成年だしさ……そこはしょうがないと言えばしょうがないよ」

 

「そうですね」

 

 サラッと言っているが、グランも未成年なのかとマキラは内心突っ込んでいた。そう言えば、ほぼ同年齢だという話を入団時にしていたような気がするということも思っていた。

 

「……団長君って、どんな修羅の世界に生きていたんですか?」

 

「え、なに急に」

 

「普通の……少なくとも戦うことをしようとしてる未成年は、ありとあらゆることジョブの経験値を、直ぐに達人レベルまで上げることなんて不可能だと思うんです」

 

「その話前もされたんだけど……別にザンクティンゼルは平凡な村だよ」

 

「平凡な村にはあんなに強いお婆さんとか、強力な星晶獣が眠る祠とか……無いと思うんですけど」

 

「あー、どうしよう今ものすごい正論が来た気がする」

 

 返答に困るグラン。言われてみれば、平凡な村にあるものでないものばかりである。

 

「というか、戦う際にちょっとワープしてますよね……」

 

「確かに気づいたら変なところにいるよね、星晶獣と戦う時って」

 

「そう言えば、ルナールくんが言ってたことなんですが……」

 

「ルナールが?」

 

「星晶獣の中で、誰が一番好きか……と 」

 

「うーん……そうだなぁ……」

 

 考え込むグラン。ぶっちゃけ、男の浪漫としてはコロッサス・マグナを推したい所なのだが、ティアマト・マグナやユグドラシル・マグナ……そしてセレスト・マグナやシュヴァリエ・マグナも推したいところなのだ。

 リヴァイアサン・マグナもすきではあるが、しかし残念なことに候補には上がらなかった。

 

「多くて決めきれないかも……因みにマキラはなんて答えたの?」

 

「私はティアマト・マグナです」

 

「そりゃまたどうして?」

 

「飛んでいるからです」

 

「なるほど……確かに自分で飛行してるもんね」

 

 ティアマト・マグナ自身がというより、あれは竜に乗っている為飛んでいるように見えるのだが、マキラはどうもそこに親近感を覚えているようなのだ。

 と、ここまで話してから1つグランは気づいたことがあった。

 

「なんか今日星晶獣の話ばっかしてる気がする」

 

「そうですね……でも、こうやって団長君とお話出来るのは楽しいので……問題なし、です」

 

「そう言って貰えると、団長冥利に尽きちまうぜ……嬉しくなったので番組終了時には何でも言う事聞いちゃう」

 

「……では、あとで膝の上に座らせてください」

 

「ん?その程度でいいの?」

 

「はい、私にとってはとても嬉しいことなので……」

 

「よーし、なら後で俺の部屋でゆっくりと━━━」

 

 ここで床が開く。落ちるグラン、眺めるマキラ、目を開くグラン、咄嗟に持っていた武器の一つ、バハムートソード・フツルスを抜剣して咄嗟に奥義を放つ。今の彼はファイターであり、使える力には奥義を一瞬で放てるものがある。ウェポンバーストである。

 それを使い、剣の力を解放……奥義であるレギンレイヴを真下に打つことで落下をせず、グランはその場で浮遊し始める。

 

「……って訳で、後で俺の部屋でゆっくりと……」

 

 トントン、とグランの後ろで肩を叩く者がいた。グランはその時はその手を優しくどけて後ろは見ていなかった。代わりにマキラが珍しく青ざめた顔をしているが。

 しかし、肩を叩く者は諦めず何度も何度もグランの肩は叩かれる。流石のグランもちょっとイラッときて、後ろを振り向いてしまう。

 

「……なんだよ、ちょっとしつこいぞ一体誰だよ俺の肩を触ってるのは━━━」

 

 後ろにいたのは、体が緑色であり腹が黄色とピンクの縞模様でできている生物だった。

 

「……はい、律儀に落ちます」

 

 グランは奥義を解き、自由落下を始める。その生物はそのままゆったりと部屋から出ていき、扉は無慈悲に閉められる。

 

「……真の仲間」

 

 ぼそっと呟かれた言葉は、小さかったものの確実に音を拾っていた。マキラは例に乗っ取って部屋から出る……と、部屋を出てすぐそこには何故か廊下で倒れているリーシャがいた。

 

「どうせ……どうせ私なんて……」

 

 ポスターに自分がいなかったとか、めっちゃ団離れてるじゃんと言った言葉は彼女を傷つけるのだ。先程の生物の存在は、リーシャにとっては見るだけで泣き出したくなるほどの存在だったのだ。

 

「………」

 

 マキラは黙って倒れているリーシャに対して両目を閉じて、手のひらどうしをくっつけてお祈りをする。きっとこれから救われる展開が来るのだろうと、どこかで思いながら彼女はリーシャも部屋も後にして自室へと戻っていく。

 結局、この日はあの生物を誰も目指することは出来なかった。聖夜の奇跡などという名目をひっさげて現れた、奇跡(ツッコミ役)なのだから。

 

「あぁ……そうだ。まだメリークリスマスは……全員には言えてませんでした」

 

 しかし既にクリスマスイブは過ぎているのだ。 言ったところでもう終わってるよと言われてしまうのがオチだろう。

 

「……お役目交代のお手伝い……しに行ってあげましょう」

 

 本来は1人でするべきことだが、別に手伝っては行けないという訳でもないので、ヴァジラのお役目終了のお手伝いをしようと思ったマキラ。アンチラやアニラも誘って、ヴァジラのお手伝いをしてみんなでどこかで温かいものを食べに行こう……そう考えたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガチ〇………ピン………モード……魔境……はっ!?」

 

 そしてグランは目を覚ました。何故か自分が見覚えのない綺麗な虹の石を捧げて、武器や星晶獣や魔物などを手に入れようとしており、それを300回行おうとしている夢を見たのだ。随分と酔狂なことをしているもんだと、グランは夢の中の自分の事を笑っていた。どうにも、他人事のような気がしないが気にしたら負けである。

 

「……朝起きたら武器が増えているのは、まさか()()()()()()()()()()()()()()()()()……?」

 

 グランは頭を振る。今のは、恐らく知ってはならない真実のような気がしてならないからだ。部屋で目を覚ましたグランは、次なるゲストを招くために部屋から出て相談室のセットを行うのであった。




昨日ガチャピンモードが来ました。だから記念に緑の恐竜さんが現れました。
1日遅れですがメリークリスマスです。
今年のクリスマスボイスは女性キャラがみんな積極的なんで驚いています。もはや告白してるのが何人いることやら……

偶には長編とか書いて欲しい

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  • はい(シリアス)
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