ぐらさい日記   作:長之助

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何とか書けたんで出します


アイドルキャスター

「「コラボ合同アイドルイベント!?」」

 

「そう、これから復興支援が必要な場所に行くわけだけどそこでリルルとディアンサにはコラボしてもらう」

 

 グランサイファーの中で。次の依頼に向けての大幅な動きがこの船にはあった。とある街に、魔物が大量に発生したとの事。魔物は撃退出来たものの、原因の究明だったりけが人等の治療だったりと色々と大掛かりな依頼となっている。

 

「みんな色々やってる中で、2人が率先してくれたのはとてもありがたい……そして方や巫女……方やアイドル……どちらも歌って踊れるのなら、コラボさせてしまえばいいじゃないと俺の五感が囁いているんだ」

 

「私はそれで構いません!」

 

「けれど……どこでやるんですか? 街の建物だとそこまで広くて大きなところはないって聞いてますけど……」

 

 街の地図を広げながら、ディアンサはグランに尋ねる。それ以前に、ライブをするにはそれなりの施設が必要である。エルタ達のような、演奏家達ならば楽器は何処でも弾けるので被災者達の心を癒すには、どちらかと言えばそちらの方が向いているまである。

 

「街の中心……そこなら機材さえ置いたら、そこから街全体に2人の歌声が響くはずだよ」

 

「なるほど……つまり街の中心を使えれば、リルル達は歌っていいと言うことですか?」

 

「そうそう……けど、片付いた後からステージの設営を一からやってたってしょうがない」

 

「……でも、片付いていないのにステージは設営出来ませんよ?」

 

「ふふふ……それはこの俺に任せておけ。片付けもステージの基盤の設営も、どちらも簡単に出来る秘策がある」

 

「秘策……?」

 

 微妙に嫌な予感がしつつも、ディアンサはグランのいうことを信じて後のことはグランに任せるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カリオストロをぉ、便利な道具扱いしたらめっ☆だぞっ!」

 

「ししょーよりも役に立てるってところ見せてあげるから!!」

 

 美少女錬金術師2人による解体作業が、ディアンサの目の前で行われていた。クラリスは言わずもがな分解による圧倒的作業量、カリオストロは瓦礫だったり魔物の骨を別のものに変換しながら、作業を行っていた。

 

「うーん、やはり凄まじい」

 

「ね、ねぇ……あの二人あんな扱いでいいの?」

 

「カリオストロは兎も角、クラリスはやる気になってるからセーフセーフ」

 

 なにがセーフなのかディアンサには分からなかったが、しかし確かにクラリスは実に楽しそうに作業をしていたので、なんとも言えない気持ちになっていた。

 

「そ、それに私達ここにいていいの?」

 

「そうですねぇ……リルル達、練習を行った方がいいのでは……?」

 

「うんにゃ、大丈夫大丈夫……と言うのも、ちゃんとした理由はある」

 

「理由、ですか?」

 

 リルルが首をかしげながら質問する。グランは錬金術師二人を見ながら、説明を行っていく。

 

「実は、二人のイベントをやる前に二人には色々回ってもらう所があるんだ。まぁこれに関しては俺も一緒について行くから、今説明した」

 

「回ってもらう所……?」

 

 ディアンサもリルルも、顔を見合わせる。ひとまずグランについて行くこと数十分、3人はとある大きな屋敷……とは言っても多少ボロボロになっているが、そこに訪れていた。

 

「……ここは?」

 

「街の町長の家、今回のイベントの話のすり合わせもしないといけないしな」

 

「なるほど! 確かに細かいところの打ち合わせも聞いておかないといけませんからね!」

 

「そういうこと……と言っても、今回は段取りの確認だけどな。2人はとりあえず町長と顔合わせしておかないとね」

 

 そう言って、グランは屋敷の前にある門を開こうと━━━

 

「……」

 

「……あの、もしかして開かな━━━」

 

「いやぁ、大丈夫大丈夫。なんだかんだいける行ける……ふんっ!」

 

 壊す訳にもいかないので全力を出すのは不可能だが、しかし中々簡単に開くことは無かった。どうやら扉が魔物達の襲撃により、曲がって開かなくなってしまっているようだ。

 

「……どこかに裏口とか……」

 

「あるかなぁ……」

 

「あ! ありましたよ!!」

 

 そう言ってリルルが示した場所は……まるでハーヴィンが入ることが想定されたかのような高さにある穴だった。

 

「案外するっていけますね」

 

「凄いなリルル……じゃあ俺も……」

 

 リルルはするっと通り抜けて、グランも少し苦戦しながらも……何とか通ることが出来ていた。地面にあるわけではなく、ハーヴィンの通りやすい位置にあるようなところだと通りにくいことこの上ないようである。

 

「……あれ?」

 

「ディアンサ? どうした? 早く行くぞ?」

 

「ん、ん……!」

 

 上半身が通った辺りで、何やら青い顔をして体を動かし続けるディアンサ。グラン達もなんの事かわからずに、一抹の不安を感じながらディアンサに近寄る。

 

「……え、本当にどうした?」

 

「……抜けない」

 

「え、そんな古典的な……」

 

 よくある事である。おしりが引っかかって抜けなくなっちゃった! みたいなやつである。そして、こういったことが起こって……逆に1度抜け出してから再度入り直そうと試すのも、あるあるである。

 

「ふん……!」

 

「……」

 

「む、胸がつっかえて……完全に抜けなくなっちゃってる……」

 

「り、リルル助けを呼んできます!!」

 

 リルルは大慌てで屋敷の中に向かう。こんな状態になってしまっているのに、助けを呼ばれる町の人達の気持ちを考えると、グランは涙が止まらなかった。

 

「ど、どうしよう……!」

 

「……俺が最後に行けばよかったか……!」

 

「待って今何考えてるの!?」

 

「やましい事は何一つ考えてないぞ、ただ引っ張るよりも押した方が行きやすいかもしれないじゃないか!!」

 

「で、でも団長さんに押されるなら……」

 

「え、ちょっ、マジで?」

 

 思いがけない肯定的な発言につい戸惑うグラン。たとえ合意であったとしても今の台詞だけは確実にアウトなので、バレた場合リーシャに殺られるのが目に見えているのだが……突然すぎる出来事によりグランはそのことに気がついていなかった。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「町長さんを呼んできました!!」

 

「リルルでかした!!」

 

 連れてきたのは屈強なドラフの男性だった。ではこの穴は一体なんなんだろうかとグランは思ったが、今はそれよりもディアンサを救出する方が先決なので、町長さんの指示に従って動き始める。そして無事ディアンサは助け出されるのであった。

 

「すいません、お手数をお掛けして……」

 

「いえいえ、その穴を放置していた私にも……あと門が開かない事に気が付かなかった私の落ち度です」

 

「え、あれ……じゃあ一体どうやってでたんですか……?」

 

「実は専用の通路が地下にありまして……」

 

「なるほど!」

 

 ひとまず、一旦話し合いをするために一行は町長に招かれて改めて屋敷の中に入るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━━では、これで行きましょうか」

 

「「はい!!」」

 

「瓦礫などはウチの団員が頑張って片付けてくれているので……何とかなると思います」

 

「それは頼もしい……!」

 

 こうして、計画はまとめられた。あとは歌って踊って町民を癒すだけである。これで、ディアンサとリルルの2人にもいっそうやる気が出てくるというものである。

 

「ディアンサさん、リルルさん……お願いします……!」

 

「「はい!!」」

 

 こうして街が片付くまでの間、ディアンサとリルルは歌と踊りの特訓を重ねに重ねた。ソロパートやそのソロパートの複合、ダンスも自分たちで決めて……と色々やることが多かったのだ。

 しかしそのおかげと言うべきか……ライブを始める前には完全に2人はいきのあったコンビへと成長していた。

 

「行きましょう! ディアンサさん!」

 

「はい!!」

 

 こうして2人は舞台に立つ。錬金術とかで作られたステージ、仲間が予め作った音響セット、それらを噛み締めながらステージに登る。周りからの熱意を感じつつ、2人はマイクを握って……笑顔を振りまきながら踊って歌って癒していく。

 密かにグランが作っていたトレピリを、他団員が町民に渡してさらに熱意を深めていく。

 そんな事が色々あって……ステージ中は特に問題もなくものが進んで言って……ライブは成功したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、成功も成功大成功!」

 

「よかったですね! 本当に!」

 

「はい!!」

 

 3人は帰路に着いていた。ちゃんとライブが成功したこともあり、3人の気分はとてもいいものになっていた。

 

「ディアンサ派とリルル派に見事に別れたもんだ、トレピリで熱意をより深く確かめることが出来て良かったよ」

 

「あれよく作れましたよね……」

 

「こう、うまい具合に頑張った」

 

「す、凄いですね……」

 

 ディアンサはグランのサラッと言った言葉に静かに驚いていた。グランが作ったトレピリは、本来のトレピリよりは複雑なものでは無いが、衝撃を与えると1度だけ光らせることが出来る代物である。

 

「で、だ……どうだった? 今回のコラボ」

 

「はい! リルルは楽しかったです!」

 

「私も……すごく楽しかった……」

 

 2人ともいい感じの笑顔を浮かべながら、嬉しそうにしていた。アイドルにイベントをやらせるためには、アイドル達にもその分楽しませなければならない。

 

「でも……復興支援とは言いましたけど……ちゃんと支援出来ていたんでしょうか?」

 

「瓦礫の撤去、怪我の治療、飯の配給……色々役目がある人はいるからな」

 

「……私達は……」

 

「物が直って怪我が治っても、人の心は治らなかったりするからな。やっぱりそういう役目がある人がいてもいいんだよ」

 

「……じゃあ、私達はその役目って事なんですか?」

 

「その役目だし、ちゃんと果たせてたよ? 2人も見たでしょ? みんなのあの笑顔を」

 

 リルルとディアンサはライブ中の町民の顔を思い出していた。皆少し影を落としたような暗い表情だったのが、一様に明るくなっていく様を。

 

「……はい! リルルはあの笑顔でまた頑張れる気がします!」

 

「私も!」

 

「よしよし、というわけで今日は帰るぞ!」

 

「「はーい!」」

 

 そうして3人は帰路に着く。グランサイファーに帰って直後、カリオストロのウロボロスに飲み込まれそうになったり、腕を絡ませて歩いていたグランとディアンサにびっくりしてつい分解の錬金術をぶっぱなしそうになったクラリスだったりと、色々あった。

 だけど、なんだかんだ復興支援で自分達は人の役に立てたのだと感じ取れたので、2人的にはOKだった。

 

「おいグラン、ちゃんと今度埋め合わせしろよ」

 

「OK」

 

「う、ウチも!」

 

「どの日がいい?」

 

「じゃあこの日!」

 

「この日はユエルと出かける」

 

「え……じゃあこの日」

 

「その日はアンスリアと」

 

「じゃ、じゃあ……この日は……」

 

「この日はグレアと出かけるね」

 

「う、う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」

 

 ……因みに、何とか2人きりで出かけられる日は決めることが出来た。1ヶ月後まで予定が埋まっている当たり、さすがグランという他なかったのである。

 因みに、その翌日にはディアンサと浜辺で2人きりでデートしていた姿をクラリスは目撃するのであった。




クラリスごめんな
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