転生勇者と中二姫 ちなみに俺は一般人   作:朎〜Rea〜

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おはようございます、レイです。
最近、話数が増えてきたからなのか、この小説を読んでくれる方が増えてきています。心からの感謝を!

さて、今回勉強会です。
それでは、どうぞー!


異世界の事情をこの世界に持ち込むな!

「おい、雨。言い訳があるなら聞こうじゃないか」

 

 勉強会初日。神崎は成績優秀のようで、教える側となっている。

 とりあえず、雨がどこまで勉強ができるのか、ということで軽いテストを行った。そして、現在は世界史。

 

「え? なんのことだい? しっかり回答はしてあると思うんだけど?」

 

 確かに回答は書いてあり、空白はなかった。しかし、その回答が珍回答の連発であったのだ。

 

「その回答が問題なんだよ。1914年の出来事が、ヴェルナジア平原の戦いってなんだよ? ていうか、ヴェルナジアってどこだよ」

 

 俺の記憶が正しければ、この世界のどこにもヴェルナジアなんて地名はなかったはずである。ちなみに、答えは第一次世界大戦勃発である。

 

「あれ……?」

「あれ? じゃねーよ。お前まさか……」

 

 この世界にはないが、雨の知っている歴史。それは、雨の前世の歴史である。

 

「あはは、どうも混ざってるみたいだね……」

「お前な……」

 

 頭が痛い。これは、前途多難である。

 

「ヴェルナジアの戦い? 聞いたことがないな」

 

 中二心が燻られたのか、可憐が首を突っ込んでくる。

 

「そりゃ、雨が適当に書いたやつだからな」

 

 適当という訳では無いが、誤魔化しておく。

 

「ふむ。なかなか燻られるな……」

 

 彼女は中二病全開でククク、と変な笑い方をする。

 

「涼也! まずいよ。彼女、戦いという言葉に高揚してるようだよ!?」

 

 雨は冷や汗を流す。こいつ、本当に純粋だよな……

 

「安心しろ。大丈夫だ」

「え、でも……」

「ほっとけ。それじゃ、続きやるぞ」

 

 焦っている雨を制止しながら、勉強を続けた。すごく大変でした。

 

 

 

「もうこんな時間か。飯作ってくるわ」

 

 時間は18時。そろそろ、夕飯の時間だろう。

 

「それなら私もお手伝いします」

「いいのか? んじゃ、頼む」

 

 元々1人で作る予定だったため、手が増えるというのは嬉しいことである。

 

「兄さん、何作るの?」

「この人数ならカレーでいいだろ。定番だし」

 

 材料は予め用意してある。カレーが嫌いという人間はそうはいないだろう。

 

 俺と神崎はキッチンへと移動し、サクサクと作業を進めていく。神崎はうちのキッチンの配置を把握するや、テキパキと仕事をしてくれた。

 

「お前、料理なんてできたんだな」

 

 意外や意外。お嬢様である神崎は料理ができたのだ。お嬢様って料理できないイメージがあったのだが、それはサブカルチャーの影響が強いらしい。

 

「涼也さんには劣りますけどね」

 

 神崎は苦笑する。別に料理なんて出来るか出来ないかの二択である。優劣をつける必要性なんてない。

 

「世事はいい。勉強会はどうだ?」

「とっても楽しいです。こういうのは初めてですから。迷惑ではなかったですか……?」

 

 不安そうに俺の顔を見る。

 

「別に迷惑とは思ってない。桜も喜んでみたいだしな」

 

 こんな大勢で勉強会兼、お泊まり会をする機会なんてそうはなかったから、軽くはしゃいでいたのを思い出す。

 

「やっぱり、シスコンさんなんですか?」

「それは否定する。それより、勉強の方はどうなんだ?」

 

 どうして、俺がシスコンという結論に結びつくのだろうか。

 

「ええ、可憐ちゃんも桜ちゃんも熱心に聞いてくれるのでやり甲斐がありますね。雨さんは……」

「皆まで言わんでもわかる……よく2年になれたと思うからな……」

 

 本当に、よくあいつは進級できたよな。

 

「前世の記憶に囚われているという部分もあるにはあるんでしょうね……」

「だろうな。初めて科学を教えた時は相当骨が折れたよ」

 

 何を教えても、それはありえないよ、の一点張りだった。魔法が発展していると、科学が衰退するというのは本当のようで、科学に関してはとても否定的であった。今でも、苦渋を舐めているようである。

 

「涼也さんはなぜ雨さんと?」

「なんだ、今日はよく聞かれるな」

 

 今朝も桜に聞かれた。男同志の仲というのを知ったところで何になるというのだろう。

 

「そうなんですか?」

「別にいいけどな。男の友情ってやつだ」

 

 嘘は言っていない。友情がなければ、俺は雨と関わりを持っていなかっただろう。

 

「友情、ですか……? なんか、誤魔化してません?」

 

 神崎はジト目で俺を見る。

 

「ないない。そういや、体育祭の日、お前の母親に会ったぞ」

 

 言ってよかったのか、というのは微妙なラインではあるが、話題転換のために使わせてもらう。別に、秘密にしておけと年を押された訳でもないし、問題は無いだろう。

 

「え……お母様にですか? 来ていてくれたんですね」

 

 笑みが綻ぶ。その笑顔に少しだけ見とれていた、というのは秘密である。

 

「なんか急用があったみたいで直ぐにどっかに行ってしまったけどな」

 

 本当になんだったんだろう。雨が気になっているみたいだったし……

 

「そうなんですね。私の母親だとよく分かりましたね?」

「そりゃ、そっくりだからな」

 

 神崎を知っていて、あの人物を母親だと思わない人間はそうはいないだろう。

 

「そう言って貰えると嬉しいです。お母様は私の憧れですから」

 

 やはり、神崎玲奈という人間は少なからず、その母親から影響を受けているらしい。

 

「ほーん」

「なんですか、その興味無いみたいな返事は!?」

 

 興味無いということはないが、別に家庭の事情やらを知ろうとは思わない。

 

「事実ないからな。なんだ、聞いて欲しいのか?」

「別にそういうことではないですけど……」

 

 神崎は言い淀む。

 

「ならいいだろ。ほら、運ぶぞ」

 

 適当に盛りつけをした皿をキッキンから運び出す。

 

「なんだか、納得がいきません……」

 

 不満を吐きながらも、手伝ってはくれるお嬢様ではあった。

 

 

 

 就寝前。俺と雨は、俺の部屋で寝る準備をしていた。のではあるが――

 

「どうして俺の部屋に集まる……」

 

 何故か全員が俺の部屋に集まってきたのだ。

 

「いやぁ、だって、ねぇ?」

 

 桜は目を逸らす。どうやら主犯は神崎のようである。

 

「すみません。なんだか、テンションが上がってしまい……あ、これ差し入れです」

 

 神崎は高級そうな包装をされたチョコレートを出してくる。実際、高級なんだろう。

 

「クク、我が来てやったのだ。歓迎するといい」

 

 風呂も入り、いつもつけている包帯は外しているが、眼帯だけは外していない可憐は、いつも通り偉そうであった。

 

「お前は帰れ」

 

 可憐を部屋からつまみ出し、扉を閉める。

 

「じ、冗談ですよ先輩! 入れて、入れてください! 入れてぇ!!」

 

 その夜、悲痛な叫びが風鳴家に響き渡ったとか、渡らなかったとか。

 

 ちなみに、近所迷惑にならないよう、直ぐに部屋に入れました。

 

 

「雨さんと涼也さんって、幼馴染なんですよね?」

 

 初めは学校生活だったり、他愛のない話だったりが続いていたのであるが、いろんな話が重なり、俺と雨の話になっていた。

 

「そうだね。知り合ってからかれこれ14年くらいになるかな」

 

 時の流れというのは早いようで、雨と知り合ってからとても長い時間が経っていた。

 

「もうそんなになるのか。お前、あの時から変なやつだったよな」

 

 初めて会った時のことは、今でも忘れられそうにない。

 

「う……それは言わないで欲しい……」

 

 雨は恥ずかしそうにする。今でも変だけどな。

 

「それを言うなら、兄さんも十分変人だから」

 

 我が妹は、俺になにか恨みでもあるのだろうか。

 兄さんのハートに鋭い刃が突き刺さったぞ。

 

「悪かったな変人で」

「桜ちゃん。涼也先輩と鈴童先輩って、どんな子供だったんですか?」

 

 おそらく興味本位だろう。

 

「んー、今と変わらず、兄さんはリアリスト、雨さんはロマンチストでしたね?」

 

 俺は確かにそうであると自覚しているが、雨をロマンチストというのは少し違う気がする。確かに正反対ではあると思うのだが、どうも言い表すことが難しい。

 

「涼也先輩、そんな昔からリアリストだったんですか?」

 

 リアリストな子供なんて可愛くない、とでも言いたい顔で俺を見てくる。

 

「あの……それは、私のせいでもあるんです……」

 

 可憐の反応に、桜は目を伏せる。

 

「私たちの両親は昔から家を開けがちでしたから、兄さんは一人で私の面倒を見てくれていたんです……だから、兄さんは現実のみを見るようになったんだと思います……」

 

 なんだ、それは……

 

 どうやら、桜の妄想が爆発しているらしい。

 

「そう、だったんですね……」

「先輩、可哀想……」

 

 話を真に受けたらしく、捨てられた子犬でも見るような目で、俺を見てくる女子共。

 

「ええい、勝手に決めつけるな!」

「え、違うの? 私のイメージじゃそうだったんだけど。なんでなの?」

 

 我が妹ながら恐ろしい。なんで、そんなことを思いつくのだろうか。

 

 確かに、その理由も多少はあった。だが、それだけではない。それは桜も、雨でさえ知らないこと。それを打ち明けることは、この先あるのだろうか。

 

「さて、なんでだろうな」

「あ、ズルいです! ここまで話しておいて、隠すなんて卑怯です!」

 

 急に身を乗り出してくる、神崎。

 

「いや、ここまで話したのは桜なんだが……」

「桜ちゃんのせいにするんですか!? お姉さんは許しませんよ!?」

 

 お姉さん……? いつもの言動からは考えられない発言である。

 

「お、おい、神崎? お前なんかおかしくないか?」

 

 さっきから、神崎の様子がおかしい。顔がほんのり赤いし、目がトロンとしているし……

 

「私がおかしい? おかしい人が何を言ってるんですか!?」

 

 神崎は俺を冷たい目で見る。その視線と言葉は刃となり俺の心に刺さった。

 

 泣いてもいいよな……?

 

 それにしても、本当にどうしたのだろうか。

 

「あれ、この包装紙……」

 

 桜は床に散らばっていたそれを見つけ、ひろいあげる。

 

「神崎先輩、ウイスキーボンボンで酔ったみたいですね……」

 

 ということは、神崎は酔ってこんなことになっているということなのか。どれだけ、アルコールに弱いんだ……

 

「おい、桜、可憐! この酔っ払いをどうにかしてくれ!!」

「えへへぇ、私は酔ってませんよぉ?」

 

 その日、俺達は二度と神崎にアルコールの類のものを接種させないようにすると誓ったのであった。




今回、特に書くことがありませぬ…… 

私事ではありますが、他にも2次小説なんかを書いているのですが、そっちの方が閲覧数やらお気に入りが伸びる伸びる……数日前に投稿してるのに、日間PVがこっちより上って何事っ!?

やっぱり、オリジナルって手に取る人は少ないんですかねぇ……

さてさて、そんなことはさておき、感想・評価・指摘はいつでも受け付けております。じゃんじゃんお願いします(涙)
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