難産も難産でした(・▽・)
もう、結構無茶苦茶ですが勘弁!
てなわけで、どうぞ!
祭りに行こう。それは、倉庫を突撃訪問してきた生徒会長の発言だった。
「か、会長……? どうしたんですか、こんな所に?」
俺と雨含め、全員で固まっていると、神崎が言葉を発する。
「うむ、事情は風鳴と鈴童から聞いてある。私もこの部活に参加するとしよう」
そういえば、生徒会長のことを神崎に話すのを忘れていた。ジト目を向けられる。
「どういう意味でしょう……」
神崎はなにか裏があるのではないか、と勘ぐっている様子である。
「なに、他意はない。ついでに、ここを学校の部活として認可しよう。顧問は……そうだな、特別顧問を招いているということででっちあげれば何とかなるだろう」
「そのメリットは……?」
そう。わざわざ部活と認定されなくても今まで活動してきている。今更、部活動と認可されたところで、メリットもないだろう。
「部費が出るぞ?」
「え?」
会長のどや顔に素っ頓狂な声を上げる神崎。これは完全に予想外であった。
「この部はオカルト研究部だ。部費でオカルトの類を集めることも可能だろう。ここら一体の言い伝えなんかも集めやすくなるだろう、というのは表向きだ」
表向き、というのならば裏に何かあるのだろう。会長は続ける。
「それなりの金が入るのならば、妖と戦うための武器になるようなものを仕入れることが出来る。部費の使用状況については明細を書かなければならないが、その辺は私がなんとかしよう」
会長がやってくれるとあれば話は早いだろう。もはや言うことはあるまい。
「で、ですが、この部は危険なんですよ!?」
しかし、神崎はどこか気に入らないらしく、首を縦に振ろうとはしない。自分の聖地(中二病の)が侵されるとでも思っているのだろう。
「案ずるな、私はこれでも巫女だ。自分の身は自分で守れるさ」
結局、神崎は折れました。
祭り当日。集合場所にはまだ俺と雨しか集まっていなかった。
「祭りか……」
川辺での祭り。ここら辺の地域ではとても大きな祭りである。しかし、ここ数年は行っていなかった。最後に祭りに行ったのはいつだっただろうか。
「昔は結構3人で行ったよね」
懐かしむ雨。
「最近は桜も友達と行くようになったし、俺ら二人で行くってのもって感じだし、恋愛なんてし来なかったしな」
俺も雨も彼女を作ったことがないから、桜の面倒を見なくて良くなった時期から祭りに来ることなんてなかった。
「涼也のそういう話は聞かないね。興味が無いのかい?」
「別に興味がないって訳でもないが……」
俺に近寄ろうとする女子なんて、数える程もいなかった。目つきのせいなのか、性格のせいなのかは分からない。そこまで悪くは無いと思うんだけどな。
そんな話をしていると、リムジンが俺たちの前に止まる。
「お待たせしました」
その中から出てきたのは、浴衣を着た、神崎と可憐であった。
お金持ちってすごい……リムジンなんて初めて見た。
「可憐、どうしたんだよ?」
「べ、べつになんでもないです」
可憐は神崎の後ろに隠れて出てこない。
「ほら、恥ずかしがってないで」
神崎に押される形で前に出てくる神崎は、顔をほんのり赤くしながら出てくる。
「どうですか? 可憐ちゃんに似合ってそうな浴衣を選んだのですが」
「いいんじゃないか? 似合ってるぞ」
今日は包帯はしていないようだが、眼帯はしているようだった。しかし、黄色の浴衣はとても似合っていた。
「私には無いんですか?」
桃色の浴衣を着ている神崎。確かに似合ってはいる。いるのだが……可憐の時はなんともなかったのだが、意識をするととても恥ずかしくなる。
「へーへー、似合ってる似合ってる」
「なんか適当ですね……なんか、自身無くなっちゃいます……」
適当に流すと、神崎はしょげてしまった。
「そんなことは無いですよ。お二人共、とてもお似合いです」
「ありがとうございます。やっぱり、雨さんは涼也さんとは違いますね」
これか、イケメンとのクオリティの違いと言うやつなのだろう。
「皆、揃っているようだな」
そうこうしていると、藍色の浴衣を着た生徒会長も合流。これで全員である。
「可憐、どうしたんだよ。今日はやけに静かじゃないか」
先程から上の空の可憐。一体どうしたというのだろうか。
「べ、別になんでもないですよ!?」
「それなら別にいいんだけど」
いつもの中二病は何処へやら。どうやら、今日は普通モードでいくらしい。包帯がキーなのだろうか。そのへんはよく分からないけど……
それからは、会長に振り回された。やれ的屋に行こう、やれ屋台に行こうと言いっ放しであり、俺達はそれに付き合わされる羽目になっていたのであった。
「あれ、可憐はどこだ?」
引きずり回されている間、気がつくと、可憐がいなくなっていた。
「ついさっきまではいたはずなんだけど……」
所謂、迷子と言うやつだろうか。高校生が迷子ってどういうことなのだろうか。
「ったく、ちょっと探してくる。みんなは適当に遊んでてくれ」
「僕も探すよ」
「いや、さすがに神崎と会長を2人にするのはまずいだろ。お前は2人と居てくれ」
2人は目立つ。そんなふたりをふたりきりにするというのは、ナンパしてくださいと言っているようなものだろう。その点、雨がいてくれるのならば、大丈夫だろう。
可憐は割と早い段階で見つかった。そして、おまけも一緒に。おまけ、というのはどう見てもヤンキーな男が2名ほど。可憐はナンパされていた。外野から見ているのも面白いが、可憐からは、困惑の表情が見て取れた。さすがに、見ている訳にもいかない。
「すみません。そいつ、俺の連れなんです」
特に喧嘩腰になる必要は無い。ここは丁寧に行こう。
「あ? わりぃな、そんじゃ少し借りるわ。返さねぇけど」
男達は汚い笑い声をあげる。殴りたいこの笑顔というのは、このことなのだろう。
「可憐、行くぞ」
「あ、先輩……」
可憐の手を引き、その場から去る。だが、男がそれを許すはずもなく――
「無視すんじゃねえよ! あ、てめぇ!」
追いかけてきたのだが、この祭りの人だかりがそれを阻止してくれたようであった。
「あんな奴ら、ボコボコにしてしまえばよかったのに」
可憐は口をとがらせる。
「案外過激だなお前……別にそこまでする必要は無いだろうよ」
暴力に訴えるという手もあるにはあるが、あんな下衆を殴る拳を俺は持ち合わせていない。拳は殴るためだけのものでは無い、手を取り合うものなのだ。
「しかし、可憐。迷子は小学生までだぞ」
「すみません……あのその、先輩……手……」
男達から逃げてから、今までの間、俺は可憐の手を握ったままだった。
「すまんが我慢してくれ。また迷子になられる訳にもいかん」
また迷子になられたらたまったものじゃない。手を離したら、またふらーっとどこかへ行ってしまいそうだ。昔、桜の手を引いて祭りを回っていたことを思い出す。
「先輩は私を小学生か何かと勘違いしていませんか……?」
「気のせいだろ」
思いっきりバレてました。
「それじゃ、しっかり握っててくださいね」
「おう」
どうやら、諦めてくれたらしい。その顔が赤く見えたのは、おそらく夕日のせいだろう。
雨たちのもとに戻る最中、俺達の行く手を人だかりが阻む。
「さすがに多すぎだろ……気をつけろよ?」
「はい、分かってます――きゃっ!?」
人にぶつかり、倒れそうになる彼女を支える。こういう時こそ、手を引いていてよかったと思う。
「可憐、大丈夫か? 危ねぇな……」
「すみません、先輩……あれ……?」
可憐の顔からは、先程までついていた眼帯が無くなっていた。その瞳を俺は初めて見た。
「お前……「ごめんなさい……!」あ、可憐っ!」
彼女は俺の手を振りほどき、人混みの中へと消えていった。
一瞬だけ放心するが、直ぐに我に返る。
「可憐のあの眼……」
虹彩異色症。所謂、オッドアイだったのだ。いつも装着しているあの眼帯はオッドアイを隠すものだったということか。
「それにしても、何故……」
何故、あいつは泣いていたのだ……?
可憐は俺から逃げる時、涙を零していた。オッドアイなんて、中二病からしてみたら憧れのようなものだろう。一瞬、カラーコンタクトかと思ったが、可憐のあの様子を見ると違うのだろう。となると、見られたくなかったというのが、1番に思いつくことである。
分からない。なぜ、可憐があんなことになってしまっていたのか。俺は、気の利いた事なんて言えないから、こういう時は放って置くのが1番なのだろう。だけど、このまま可憐を1人にしておくというのは、ダメな気がした。
この前の可憐からの質問。
『私らしいってなんですかね……』
なぜか、その質問がこの件に関係している気がしてならなかった。
「あの馬鹿……しっかり問いつめてやるからな……」
可憐が逃げた方向へと走ったのであった。
さて、可憐ちゃんの眼帯取れました!
ここから、可憐ちゃんルートすね(笑)
では、感想等待っております!