にゃんと、先日[転生勇者と中二姫]がオリジナル日間ランキングで5位でした!
いやぁ……驚きましたね……
これも皆さんのおかげなのれす……
あ、今更なのですが、文章中に空白を入れて読みやすくしました。なりました?
さて、今回は体育祭準備編となります。フェンリルの対処はだいぶ先になるかな……?
ではでは、本編どうぞ!
フェンリルを見つけてから数週間。特に解決策が見つかる訳もなく、ダラダラと時間だけが過ぎていった。ただ、あの山は神崎財閥の所有物であったらしく、現在では立ち入り禁止となっている。そのためなのか、フェンリルによる人的被害はまだ出ていないようであった。
「そういえば、体育祭の種目は何に出るんです?」
6月。そろそろ、体育祭の時期である。
「俺と雨はリレーだな」
種目決めの時に寝ていたら、強制的に決められたというのは、良い思い出である。
「リレーですか。応援しますね」
「はい。応援に応えてみせましょう」
流石は元勇者。返し方がテンプレである。歯痒くならないのだろうか?
「いいのかよ? お前んとこの組は白組だろ?」
そう。俺たち2組は紅組。神崎の組は白組なのだ。さすがに、白組が紅組を応援する訳にも行かないだろう。
「そうでした……どうすればいいんでしょう……?」
そのことに気づいたのか、困った表情を浮かべる神崎。これはこれで面白い。
「白組応援しとけばいいだろ」
「そうしておきます……可憐ちゃんは何に出るのです?」
神崎は残念そうにする。仲間内を応援できないというのは、モヤモヤするのだろう。
「ふ、我は障害物競走だ」
「あー、あれか……」
思い出したくもない思い出。あれは、障害物競走と言うにはあまりに過酷すぎた。普通、高校生の障害物競走にローションなんか使いますかね……
「去年は凄かったからね……涼也がまさかあんなことをするなんて……」
「一時期伝説にもなっていたらしいですね、あれ……」
2人は遠い目になる。
もうやめて! 俺のライフは既にマイナスよ!?
「む? どど、どうしたというのだ?」
俺たちの反応にビビる可憐。
「いや、なんでもない。頑張れよ?」
今年は普通かもしれないし、下手な先入観を持たせるのは良くないだろう。故に、俺は可憐の肩に手を置き、世辞を送るのだった。
「え、あの……先輩? ちょっとどういう意味ですかぁ!?」
取り残された可憐の悲痛な叫びが倉庫に轟いたのであった。
翌日の放課後。
「それでは、体育祭運営の会議を始める」
凛とした声が、会議室に響く。声の正体は、この学校の生徒会長である雨宮凛である。
それにしても、実行委員ね……
会議室の一角に座っている雨と俺。気付けば、実行委員になってしまっていた。実行委員は、各クラス2名。別に男女各一名ずつである必要は無い。
事の発端は、立候補者がいない中、雨が実行委員を申し出たことであった。すると、手を挙げる女子が出るわ出るわ。結局、雨が推薦することとなったのだが、何故か手を挙げていなかった俺が推薦されたのだ。解せぬ。
「――それで、男子二人の2年2組には機材運びを頼みたい。構わないだろうか?」
「問題ないです」
会議はスムーズに進んでいく。これが、カリスマというものなのだろうか。
「――では、これにて本日の会議は終了とする。詳しい事は次の会議で話す。解散」
帰り支度を会議室を出ようとすると、声を掛けられた。
「そこの2年2人。鈴童と……風鳴だったか?」
「会長? どうしたんです?」
声の正体は生徒会長であった。雨が返事をする。俺たちになんの用だろうか。
「いや、済まないな。面倒な仕事を押し付けてしまって」
律儀な人。それが俺の中での印象だ。
「気にしないでください。誰かがやらないといけないことですから」
「お前らしいな。それにしても、鈴童。今年はどんな女子を引連れてくるかと思えば、男子なのは驚いたぞ」
そういえば、雨は去年も実行委員だったような気がする。それで、生徒会長と面識があったのか。
「ええ、1番信頼出来るので」
何言ってるの、この元勇者。そして、何その勇者スマイル。言われているこっちが恥ずかしいんですけど?
「ほう。鈴童をして、そう言わせるとは相当なんだな」
生徒会長は感心したように言う。
「そんなことは無いですよ。俺はただの一般人です」
「君は面白いな。これから、よろしく頼む」
生徒会長はニヒルに笑い、踵を返した。
「……さて、帰るか」
体育祭の実行委員会のおかげで日は暮れていた。もともと、神崎には今日は行かないと伝えてある。
「そうだね。それにしても、会長に気に入られたようだね」
「そうか? 誰にでもあんな感じじゃないのか?」
そもそも、気に入られるようなことは特別なにもしていない。
「確かにそうではあるんだけど、会長が面白いというのは稀だよ」
「俺はそんなに面白おかしいのか……?」
なんか、ショックだ。確かに、去年の体育祭の失態はあるが、それにしてもである。穴があったら入りたい。そして、泣きたい。
「なんていうか、言い表せないんだけど、そういう意味じゃないと思うんだけどね……」
「じゃあ、どういう意味だよ!!」
面白いという言葉にそれ以外の言葉があるだろうか!? いや、ない!!
「ところでだけど、魔物の気配する」
話題が逸らされる。他の話題なら食いついていたところだろうが、魔物の話題ならば仕方がない。この鬱憤は魔物にぶつけるとしよう。
「……どこだ?」
「学校だね。校庭のトラック付近にいるっぽい」
「トラック? 見た感じ何もいないぞ?」
ここ、会議室からはトラックが見える。
そこにいるのは、部活が終わり、片付けをしている生徒が数人いるだけで、他の生き物は見当たらない。
「どういうことだろう。気の所為なのかな……?」
「俺には気配がわからないから、基本お前頼りだ。お前が気の所為って思うならそうなんだろう」
俺にはそういう技能はないから、全くわからない。これに関しては、雨に任せるしかないのだ。
「うぅん……被害は出ていないようだし、気の所為なのか、人に害を及ぼす魔物じゃないかのどちらかだね」
「そんなら、無視で良さそうだな」
人を襲う魔物というのは、人を見た瞬間襲いかかる。この前の魔物がそうだったのだ。まるで、人を襲うようにインプットされているかのようだった。
「本当に魔物がいるのならあまり無視はしたくはないのだけれど……」
「本当に魔物がいるんなら、明日にでも分かるだろ」
「どういうことだい?」
「人を襲うことはなくても、何かがいるとなれば、それなりの変化が出るはずだ。その辺を部活動生にでも聞けば何かわかるかもしれん。人的被害は出てないんだ。1日くらい大丈夫だろ」
もしも、魔物がいるのなら何かしらの変化が出てくるはずだ。部活動生になにか違和感がないかどうか聞けば、そのへんは分かるだろう。
「確かにそうだね。姫には報告するかい?」
「一応しておいた方がいいだろうな。多分まだ倉庫にいるだろうし、行くか」
これが、学校でなければ多分報告することは無かっただろう。一応、神崎は一般人だし。
しかし、学校は毎日通う場所であり、そこに魔物がいるとなれば、何が起こるかわからない。注意喚起しておくに越したことはないだろう。
「二人とも、どうしたんですか? 今日は来なかったはずでは?」
倉庫に入ると、神崎だけが残っていた。可憐は先に帰ったようだ。
「それはそうなんだが、一応報告にな」
「報告?」
「魔物だ魔物。それも、学校に」
「学校に魔物……? どんな魔物だったのですか?」
おそらく、神崎は俺達が対処してきていたと勘違いしているのだろう。
「それが分からないんです」
「分からない? どういうことですか?」
「気配はしたのですが、視認することが出来なかったのです。気の所為ということともありますし、被害は出ていないようだったので、放置することにしました」
「そうですか。人的被害が出ていないのなら、保留にしておいても大丈夫でしょう。報告、ありがとうございます」
もともと、お姫様が板についていた神崎。最近では、本当にお姫様なんじゃないかと思うことがある。なりきりスキルが高すぎやしないか?
「それにしても、見えなかったですか」
「本当に雨の気のせいかもな」
「そうかもしれないね。気配なんて、何となくだから」
いま、雨がとんでもない発言をしたぞ……
「おいおい、そんなものを信じてたのかよ……」
「だいたいそんなものだよ。最初はなんとなくだったものが、繰り返されることによって確信に変わる。それが、もし違うとしても最初に感じる[なんとなく]というのは大切なんだよ」
「そんなもんなのか」
全く理解できない俺の横で、神崎はメモを取っている。熱心なことで……
「しかし、本当にいるとしてなんで見えなかったんだろうな?」
「考えられるのは、だいたい5通りですね」
「5通りもあるのかよ」
多過ぎないか?
「はい。1つ目は、雨さんの勘違い。これが一番望ましいですね。2つ目は、ありがちですが、魔物が透明の場合。3つ目は、魔物が極端に小さい場合。4つ目は、魔物の動く速度が人間には認識できない速度という場合。ですが、これは辺りに何らかの影響があるでしょうから除外ですね。5つ目は、魔物が生徒に寄生している場合。これが一番厄介ですね」
なんでそんなに考えることが出来るのだろうか。それにしても――
「寄生の場合って結構やばいんじゃないか?」
「うん。魔物にもよるだろうけど、持って1ヶ月。早めに対処しなければ不味い」
1ヶ月というと、大体体育祭が目安になるか。
「もし、対処できなかったら……?」
神崎が雨に問う。
「宿主ごと殺すしかなくなります……寄生する魔物に乗っ取られたあと、宿主に残るのは破壊衝動だけですから」
その事実を聞き、神崎は顔を青くする。
「そりゃ、なりふり構ってられないな……とりあえず、魔物の断定が最優先か」
雨の気の所為だったということに越したことはないのだが、悲観的に準備して、楽観的に行動するべし。とりあえず、最悪の事態を想定して、ことを進めていくべきだろう。
「可憐には話すべきか……」
そう。探すのなら、人手が大いに越したことはない。
「堕天使の力が借りれるのならば、それに越したことはないね。二人とも、どうしたんだい?」
ちにみに、雨は可憐のことを未だに転生者だと思っている。思い込みって本当に怖い。
「い、いえ、なんでもないです。確かに、人手は欲しいですが、危ないことに首を突っ込ませるわけにわいきません。もともと、関与しなくていい問題ですし……」
もともと、神崎が引き入れるという判断をしていなかった場合、可憐と知り合うことは無かったのだ。神崎は神崎なりに、可憐のことを考えているらしい。
「俺も賛成だ。流石に巻き込めんだろ」
あいつは一般人なのだ。非日常に巻き込まれる必要ない。神崎? 自業自得だ。
「分かった。確かに、堕天使の力は強力だけど、宿主を殺しかねないしね……さっきからどうしたんだい、二人とも」
ちなみにだが、俺達は可憐は一般人だと、雨に何度も言ってある。しかし、雨は、あのオーラは本物だ……、などと言って俺たちの言葉を信用しようとしない。
あれ……? 魔物の気配がしたというのも気の所為なんじゃね……?
今回は特に書くことが)ないです
ちなみになのですが、この小説にて名前(フルネーム)が出るキャラクターというのはおそらく、重要な役割があるキャラクターです。モブまで名前付けてると大変ですしね……
感想・評価・指摘等々いつでも受け付けておりますので、じゃんじゃん書いちゃってくださいね!