今回は日常回?
体育祭直前です!
では、どうぞ!
「おはよう、兄さん」
朝。朝食をとっていると、妹が起きてくる。
「おはよ、今日はやけに遅いな?」
いつもなら、もう少し早い時間帯に降りてくるはずなのに、珍しいこともあるものだ。
「うん。ちょっと夜更かししちゃってね」
「桜が? 珍しいこともあるんだな」
「なんたって、今年は受験だからね。頑張らないと」
妹の桜は現在中学三年生であり、今年度に入学試験を控えている。それにしても、準備が早すぎる気がする。
「まだ6月だぞ?」
「備えあれば憂い無しだよ。それより、今年も体育祭行くからね」
「なんだ、来るのか」
俺は教えていないはずなのだが、そういった情報はどこから仕入れてくるのだろうか。
「もちろんだよ。私の行きたい学校だし、兄さんの活躍も見れるし、一石二鳥だよ」
「活躍、ねえ……お前、俺の活躍じゃなくて、雨の活躍を見たいだけだろ?」
桜は雨にホの字である。気づいていないのは雨くらいなものだ。なんで、気づかないのかね、ホント。
「ふえ!? そんなことないよ!? ほら、去年の兄さんの人間サーフィンかっこよかったなぁ」
棒読みである。しかも、目線をそらす。本当にわかりやすい。
「誤魔化すな。そして、思い出させるな」
「あははぁ。それより、最近帰りが遅いけど、何してるの?」
最近は帰りが遅くなっている。まだ、桜には話していなかったか。
「いやなに、部活だよ」
「部活? あの、面倒くさがって、中学時代3年連続帰宅部だった兄さんが? 去年、何も入ってなかったのに急にどうしたの?」
何その評価。兄さんの評価低すぎない……?
「気まぐれだ、気まぐれ」
「ふぅん。それで、何部に入ったの?」
「オカルト研究部だな」
嘘は言っていない。何部と聞かれたら、オカルト研究部が1番近いものだろう。
「プッ」
笑われました。しかも、結構真面目に。
「兄さんが、オカ研? なんの冗談?」
「何がそんなに面白いんだよ」
解せぬ。別に部活動の選択は俺の自由だろう。
「だって、兄さんはそういうの全く信じない逆の人間でしょ? それなのにオカルトの研究部って、なんの皮肉なの?」
確かに、俺をよく知る人物ならそう思うのも仕方の無いことなのかもしれない。
「色々あったんだよ」
そう、色々と……中身を言うことは出来ないが……
「ふぅん。それも、雨さん関係なの?」
「そういうこった」
本当にそういう所は鋭い。
「兄さん、昔から雨さんが関わると首を突っ込む癖があるよね。どうして?」
「どうしてって言われてもな。放っておけないんだよ、あいつは。放っておくと、何しでかすか分からんからな」
最近でいえば、神崎に転生者だと告白したのは驚いた。いや、本当に付き添って正解だったよな……
「何かしでかすかわからないのは、兄さんの方なんじゃ……」
「うっせーよ。ほら、飯食ったらさっさと出るぞ」
時計はもういい時間をさしている。そろそろ出ないと、間に合わなくなる。
「わわっ!? もうこんな時間!?」
急いで、身支度をして、家を出る俺たち兄妹なのであった。
「よ、勇者さま」
登校中。駅をおりたところで、雨を見つける。
「おはよう、涼也。その挨拶はどうにかならないのかい?」
「今更だな。で、どうだ? そっちは進展あったか?」
あれから数日。俺も聞き込みをしていたりするが、進展はない。
「ううん、気配は相変わらずするんだけど見つからないね。部活動生に聞き込みをしても、特に変わったことはないって言っていたよ」
雨の方も特になしか……
「なるほどな。となると、寄生型の信憑性が高いか」
「そうだね。早めに見つけないと不味いことになる」
不味いこと。それは規制主を殺さないといけなくなるということである。
「もし宿主を見つけたら、どうすりゃいいんだ?」
寄生型がいるとして、対処法を聞いていなかったのを思い出す。
「前の世界では魔法で燻り出していたね。でも、そういう系統の魔法はあまり使えないから、一定以上の衝撃を与えるのが1番の方法かな」
「衝撃?」
「分かりやすくいえば、腹パンかな?」
何それ、こわい。
「いいのかよ、それ……」
モラル的にもなんかダメな気がする。暴力、ダメ絶対。
「それ以外にもあるにはあるんだけど、やらない方がいいかな……」
「一応聞こうじゃないか」
嫌な予感がするが、予防策は聞いておくべきだろう。
「その名の通り、燻り出すんだよ。何かを燃やして煙でね」
「それ、学校でやったら問題になるんじゃ……」
良くて、停学。悪くて、警察沙汰になりかねない。
「だから、言ったじゃないか。でも、本格的に誰が寄生されているか分からない状況だと最終手段になるかもしれない。生徒全員を巻き込んでね」
「……なるほどな。そうすりゃ、最悪の事態は免れるってことか」
ただし、俺達には最悪の事態ということは変わりがない。やるなら、それなりの覚悟がいるというわけだ。
「そういうこと。その代わり、僕達は名誉ではなく、汚名を受けることになるけどね」
「笑えねぇ……」
いや、マジで。
「その必要が無いように、早く宿主を探さないとね」
「そう簡単に見つかるといいんだけどな……」
一刻も早く宿主を見つけなければ、相当やばい。主に俺たちの評判が。
そんなことを話していると、後ろから声がかけられる。
「涼也さん、雨さん、おはようございます」
「神崎か。おはよう」
「おはようございます、姫」
相変わらず、雨は神崎のことを姫呼ばわり。俺が雨のことを勇者というのと同じか。意味合いはだいぶ違うが……
「もう少しで体育祭ですね。進展はありました?」
「無しだ。最悪の状況を避ける手立てはあるが、まだ見つかってない」
「そう、ですか。そういえば、体育祭に保護者の方は来るんですか?」
本当に、そういえばである。
「いや、俺んとこの両親は海外に出張中だから来れない。その代わり、妹が来るって言ってたな」
「涼也さん、妹さんがいたんですか?」
なんか、食いついてきた。
「うるさいのがな」
「彼女、いい子だと思うんだけど?」
桜に対する雨の評価は昔からいいよな。
「確かにいい子だけど、うるさいのには変わりない」
「厳しいね、涼也は」
雨は苦笑う。
「両親がいないということは、いつも持ってきている弁当は妹さんの手作りだったりするんですか?」
なんだ、その出来る妹は。そんな妹がこの世にいるのだろうか?
「いや、あれは俺が作ってる」
「え……?」
神崎は驚きを隠しきれていない。なんだ、失礼じゃないか……?
「涼也は昔から料理が上手いよね」
「まあな。両親の仕事の関係上、俺が作ることが多かったからな。最近じゃ、あいつも作るようになったけど、任せられん」
なんか危なっかしいんだよな、あいつ。
「シスコンですか?」
「おい、神崎。俺は女だろうが容赦はしないぞ?」
何故俺がそんなレッテルを貼られにゃならん。
「冗談ですよ。雨さんは?」
「僕のところは両親が来るよ。姫のところは?」
「私のところは来ませんね。お二人共、お忙しいですから」
神崎の両親といえば、神崎財閥のお偉いさんか。忙しいというのも納得出来る。その表情は、心做しか寂しそうに見えた。
「おい、風鳴。聞いたぞ? お前、神崎さんと一緒に昼飯食ってるんだって?」
昼休み。鞄から弁当を出して、昼飯の準備をしていると、A田から話かけられる。
「それ、どこで聞いた……?」
嫌な予感がした。神崎はこの学校のマドンナ的存在だ。そんなやつと仲睦まじく、昼飯を食ってるなんて知られたら、嫉妬の嵐に巻き込まれかねない。
「そりゃ、男子の中では有名だぜ? ついでに、1年の女子も侍らせてるとか。今男子で殺したいランキング1位だぞ、お前」
「なんだそのクソッタレなランキングは。てか、雨も一緒なんだが、雨はどうなんだよ?」
そうだ。雨も一緒に飯を食っているのだ。俺だけ死ぬなんて、認めなてなるものか。
「ランク外だ。鈴童と神崎は美男美女だし、一緒にいても嫉妬の対象にはならねーよ。むしろ、絵になるしな」
と、B村。
解せぬ……
「てなわけで、覚悟しろよ?」
と、C谷。
「どういうことだ?」
俺は弁当を手に持ち、後ずさる。
「「「お前をぶっ殺す!!!」」」
この世は非情であった。俺は全力で逃げる。こんな所で殺されてなるものか。
「む? どうしたのだ、先輩」
逃げていると、よく知る後輩に出くわした。
「可憐か。いやな、馬鹿共に追われてるんだよ」
「馬鹿共……? 何をしでかしたのだ?」
なんで、俺がなにかしでかした前提なのだろうか。まだあって2ヶ月しか経ってないのに、こいつの中の俺のイメージはどうなっているのだろうか?
「なんにもしてねーよ! お前一人か? ちょうど良かった。飯行くぞ」
「え? お昼ですか?」
何をそんなに驚いているのだろうか?
「それ以外に何があるんだよ? このままじゃ、便所飯確定だからな。屋上は見張られてるだろうし、中庭に行こうぜ」
「あぅ……分かりました」
てなわけで、中庭に移動。後輩といるのに邪魔をしてくる馬鹿はいないと思いたい……
2人で昼飯を食べているのだが、可憐はずっと俺の弁当を見ている、ように見えた。
「ん? どうした? 卵焼きでも欲しいのか?」
「え? あ、いえ、欲しいです」
やっぱり、弁当を見ていたのか。
「美味しい……」
「そりゃよかった」
作った甲斐があったというものだ。やはり、誰かに美味しいと言ってもらえるのは嬉しい。
「あの……先輩達はどうして私に構ってくれるんですか……?」
「どうした、急に? らしくないな」
こいつ、急にどうしたのだろうか。何かあったのか?
「私らしい……ですか……私らしいって何なんですかね……?」
本当にどうしたこいつ。熱でもあるのか?
俺はロマンチストでは無い。気の利いた返事なんて返せない。
「知るかそんなの」
「えっ!?」
予想外の返事だったらしく、可憐は目を丸くする。
「そうさな。今の俺の中のお前は、偶にしおらしくなる、うるさいくて可愛い後輩だ。だけど、俺はお前を知ってまだ2ヶ月くらいだ。お前の思うお前らしいと俺の思うお前らしいは齟齬が出るだろうよ」
「え、あの……?」
今度は顔を朱に染める。面白いな、こいつ。
「人がその人らしいっていうのは、確かに他人が決めることだ。だけど、自分がどうありたいって言うのは、自分で決めることなんじゃないか?」
そう。他人の評価なんて気にするものでは無い。自分がどう行きたいか、それが大切なのだ。現代の日本では、それが難しいというのもあるが、自分の生き方を否定してまで、他人からの評価を得る必要なんてない。生きているのは本人だ。他人に迷惑をかけないのならば、生き方なんて自由である。
「……そう、ですね。ありがとうございます。やっぱり、先輩は優しいですね……」
「俺が優しい? 冗談だろ?」
「そんなことないですよ」
可憐の暗い表情が少しだけ明るくなった気がした。
「ちなみに、さっきの答えだけどな。お前に構うようになったのは成り行きだ。だけど、今は俺がしたくてやってる。これでいいか?」
「変な人ですね、先輩は」
「ああ、よく言われるよ」
ただの一般人なのにね。
そして、放課後。俺はオカルト研究部がある、倉庫に向かうのであった。
可憐については、後に詳しく描きます。私の中で大切なキャラですので!!
んで、妹ちゃんはなんとなく出しました。マジでなんとなくです(・ ∀ ・)
これ以降出てこないかもしれないし、出てくるかもしれません。どうしよう、まじで……
次回は体育祭! ハチャメチャ出来ればいいな! と思っております。
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