艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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今回は叢雲と瑞鶴達のお話です
少し瑞鶴のお話があります





沖縄ツアー 九

「いやー…食べた食べた!!」

 

 

「美味しいわね!沖縄の料理も!!」

 

 

辺りはすっかり夕暮れになり電灯が光始めていた頃

叢雲と瑞鶴は、満足しながら沖縄鎮守府に帰路に着いていたその後ろで阿武隈はお腹を支えておりその背中を古鷹が苦笑いしながら擦っていた

 

 

 

「どんだけ食べるの……この二人…」

 

 

「えっと、タコス、ヤギ汁、ゴーヤチャンプルー、ラフテー、ソーキそば、沖縄ソバ、ハンバーガー、イラブー汁、豚飯、沖縄焼きそば、ステーキ……」

 

 

古鷹が今日食べたメニューを思い出していると阿武隈は思いだし吐きそうになる

 

 

 

「あ、叢雲!〆にあそこの名護すば食べたい?」

 

 

「何それ?」

 

 

「あっさりとしたソバの事よ」

 

 

「良いわねぇ!!」

 

 

「いい加減にしてください!!!

食べ過ぎです!!」

 

 

阿武隈が店に入ろうとする二人を制止すると二人は不服そうな顔をして仕方無く帰路に向かいだし古鷹は「あはは…」と苦笑いをしながら阿武隈の背中を擦っている

 

 

「今からある場所に行くんですからね!!」

 

 

「はいはい、分かってるわよ阿武隈

あそこでしょ?」

 

 

「?

どこ行くの?瑞鶴?」

 

 

「秘密よ、食べ物ではないわ」

 

 

瑞鶴が阿武隈の代わりに先導していくと歩道からズレしばらく山道を歩いていく

道はほとんど獣道見たいになってはいるが所々木々が切られており

足下以外は結構通りやすくなっていた

 

 

「どこ行くのよ?こんなところ通って…」

 

 

「ひーみーつ!私と阿武隈と提督だけが知っているね」

 

 

しばらく歩くと開けた場所に出ると目の前の光景に驚き感動する

 

 

「へー?綺麗じゃない?」

 

 

「凄い…!綺麗です!!」

 

 

二人は感動している光景は、太陽が水平線に沈みかけており海面がそれに反響しており島が一望出来る物だった

 

 

「……叢雲、古鷹

改めてお礼を言うわ…

ありがとう、この島を皆を守ってくれて

阿武隈もね」

 

 

瑞鶴は、近くの椅子に座ると続けて叢雲達も椅子に座り光景を眺めている

 

 

「良いのよ、私達は私達のやりたいことをやっただけなんだから」

 

 

「はい、私達は当然の事をやったまでです」

 

 

「それでもよ。

それでも…本当にありがとう…

私達連合艦隊が着くまであの化け物を足留めしてくれて……」

 

 

先程とは違う態度の瑞鶴に疑問に思っていると瑞鶴が話し出す

 

 

「私ね実は最初、沖縄鎮守府所属じゃなかったのよ」

 

 

「え?」

 

 

その言葉に驚いていると阿武隈が続けて言う

 

 

「実は、瑞鶴さんの鎮守府と艦娘は深海棲艦達によって壊滅してしまったんです

それこそ、彼女一人を残して」

 

 

「私は、仲間に何とか逃がしてもらって偶然沖縄鎮守府にたどり着いたの

だから、今度は私がこの沖縄を守りたかった…

本当にありがとうございました

私達の居場所を守ってくれて」

 

 

瑞鶴は、叢雲と古鷹にお辞儀をすると二人がクスクスと笑い出す

 

 

「ふふ、あんたのキャラじゃないわよ?そんなの?」

 

 

「そうですよ、私達で良ければいくらでも力をお貸ししますよ!」

 

 

「……ありがとう

二人とも、大好き!!」

 

 

瑞鶴は叢雲と古鷹に抱き付くと二人はくすぐったそうにしておりそれを見ている阿武隈も微笑ましく思いながら見ていた

太陽は完全に沈み辺りが真っ暗になった頃四人は帰路に着こうとするが瑞鶴が少しだけ残らせてと言い先に三人は先に降りていく

 

 

瑞鶴は一人残り拳を握り締め誰も居ないその場所で満天の夜空を見上げると目を瞑る

 

 

(今回は、本当に三人と佐渡提督に感謝しないとね

本当なら私がやるはずだった守りたかった……

まだ弱いな、私は……

いつか貴方の様になりますからね……

この命無駄にはしません…

だから、あの世で見守っていてください…)

 

 

そして、静かに目を開けると涙を流しながら夜空を見上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「加賀先輩……」

 

 

今は亡き大好きな先輩の名前を口にする

 

 




次回

大井&駆逐艦ツアー 後編

瑞鶴に何があったのか
それはいずれ詳しく書いていこうと思います




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