艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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不幸な?一週間! 七日目

「ふぅ……」

 

 

金剛は一人湯船に浸かりながら今日の疲れを癒していた

いつも金剛は皆と時間をずらし入った後の最後に入り一人入浴をすると決めていた皆を不幸に巻き込まないために

そして、今日も一日佐渡と共に行動したがやはり不幸によって叢雲達を巻き込んだ事を後悔していた

(……やっぱり私は居ない方が…)

そんなことを考えているとお風呂の扉がガラッと開く

 

 

「あら?金剛じゃないの、初めて会ったわね?ここでは」

 

 

「!!!」

 

 

入ってきたのは叢雲だった、確かに今日は見掛けなかったけどこんな時間に入ってくるとは予想外これも不幸なのかと思いながら金剛は急いで湯船から出ていく

 

 

「ごめんなさい!!出ますね!」

 

 

「待ちなさい、いきなり私が入ったから逃げるなんて

そんなに私の事が嫌いなのかしら?」

 

 

「ち、違います!!ごめんなさい!」

 

 

あの後、実は叢雲がキチンと謝罪し金剛とは和解していた

その後叢雲の贖罪なのか分からないが、自分の好物を分け与えたり演習をしたり一緒に話したりしていた

実は叢雲の方が戦艦と言うのを少し嫌っており付き合い方が分からなかったと後から知ったのだ

 

 

「なら、何で逃げるのよ?」

 

 

「……ごめんなさい!」

 

 

金剛は急いで叢雲の脇から逃げようとするが叢雲に手を掴まれ逃げられなくなる

 

 

「放して!!」

 

 

「嫌よ、私の事そんなに嫌い?ショック受けるわ……」

 

 

「違うの!」

 

 

「じゃあ何?言わないと放さないわよ?」

 

 

「…………」

 

 

「あっそ、んじゃ一緒に入りましょ?」

 

 

叢雲は半分強引に湯船に連れていき、金剛と共に入る

叢雲がのんびりとはしているが手を放す気配はない

しばらく無言の状態が続くが金剛から話し始める

 

 

「……私の…不幸は…」

 

 

「ん?」

 

 

「私の不幸は、直接触ると更に強く伝染するんです

それこそ、抱き付いたり手を握ったりすると」

 

 

「成る程、それが私達との接触を避けていた理由ね」

 

 

「はい……ごめんなさ…」

 

 

金剛が謝ろうとした瞬間叢雲が人差し指で口元を押さえ言葉を遮る

そして、近付いていき金剛の胸に背を預ける

 

 

「な、何を!?」

 

 

「いやー胸が大きいのは良いわねぇ……

柔らかいソファみたい」

 

 

叢雲は、背中を押し付け金剛の胸を堪能していると何とかして逃げようとする金剛の足を掴み逃がさないようにする

 

 

「逃げないでよ、金剛」

 

 

「へ?」

 

 

「私と司令官はね、拒絶されることが何よりも苦手なのだから私達を拒絶しないで?

貴女の不幸が降りかかるよりも嫌いなのお願い」

 

 

叢雲のいつもの様子と違い、金剛は逃げようとせずに大人しく叢雲の背中に預けられるようになる

 

 

「ん、ありがとう」

 

 

「は、はい……」

 

 

「ねぇ、ここにきて一週間どうだった?素直に答えて

そして、貴女の気持ちを教えて

ここに居たい?それとも出ていく?」

 

 

「どうって……」

 

 

金剛は思い返す、この小笠原鎮守府に来ての一週間を

佐渡達に叢雲、古鷹、大井

皆、優しくしてくれた

だが、それと同時に自分の不幸に巻き込んでしまった

皆、良い人なのに私なんかの為に

でも、楽しかった

他の鎮守府では私の不幸で皆ギスギスしたり不穏な空気になっていた

でもここは違った、私の不幸を物ともしてなかったそれに私が謝っても「金剛は悪くないだろ?」と言ってくれた

それが彼の彼女達の本心か分からない

それでも否定され続けてきた金剛には嬉しかった、楽しかった、だから

 

 

「楽しかったです……とっても……

ここに……居た…い…よ…ぉ」

 

 

いつの間にか金剛は泣いていた

叢雲を強く抱き締めながら、嬉しさに

叢雲は微笑みながら金剛の腕を強く掴む

 

 

「それで良し

これで、晴れてうちの高速戦艦ね

貴女の不幸何てね私達には関係ないのよ

古鷹も大井も貴女を歓迎するわ

もちろん私も司令官も

だからこそ!!」

 

 

叢雲は立ち上がり、金剛の顔に湯を掛け頬を叩く

 

 

「その気持ちを司令官に言ってきなさい」

 

 

「提…督…に?」

 

 

「そうよ、あいつはまだ悩んでる

貴女を苦しませて居ないか、ここに居るべきではないのか、姉妹達への謝罪まで考えてるわ」

 

 

「そ、そんな!!提督は!」

 

 

「あいつは今風呂よ!ほら!行ってきなさい!!」

 

 

叢雲は金剛を立ち上がらせ、背中を押す

 

 

「で、でも!!」

 

 

「あいつを信じなさい!あんたに直接手は出さないわよ!

だしたら、私がアイツを血祭りにあげてやるわ!!

ほら!行く!!」

 

 

強引に背中を押し、風呂場から脱衣場に出すと扉を閉める

すると、金剛は頭を扉に当てる

 

 

「……ありがとう叢雲

行ってくる」

 

 

金剛は軽く身体を拭き衣服を着ると佐渡の入る風呂場へと向かう

 

 

 

 

 

 

「全く、世話のかかる戦艦だこと

貸しにしといてやるわよ

さーてと、今日はゆっくり浸かろうかなぁ?」

 

 

 

 




次回

不幸と幸運


次回!佐渡と金剛の混浴です!!!
あー、羨ま死ね!!(殺意)
え?作者だろって?
君のように感の良いガキは嫌いだよ


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