艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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伝達

佐渡はのんびりと釣りをしながら、古鷹もその隣でヒットするのを待っていた

満腹になったイ級を膝に抱えながら

 

 

「……平和だな」

 

 

「…ですね」

 

 

イ級はある程度古鷹の焼いた魚を食べきると満足したのかゴロンと転がってしまいそれを見た古鷹が「日焼けしても大変ですからね」と膝に乗せ今パラソルの下で共に休憩していた

等本人はと言うと眼を閉じ身体を上下させながら眠っていた

 

 

「………そう言えば、そいつ敵じゃね?」

 

 

「今更過ぎますよ提督……」

 

 

凄い今更の事に気付いた佐渡であったが「まぁ良いか」と言いながらのんびりと釣りを続けているとスマホが鳴る

その音にビックリしたのかイ級も目を覚まし辺りを警戒する

 

 

「あ、ごめんごめん」

 

 

「ごめんね、イ級ちゃん」

 

 

古鷹は、目を覚ましたイ級の頭を撫でていると再び目を閉じ膝の上で寝てしまう

その間佐渡は釣り竿を置くとスマホで通話する

 

 

「はいはい、こちら小笠原鎮守府提督佐渡です

どっちらさまー?」

 

 

『お久しぶりです、佐渡提督

大淀です』

 

 

「oh淀さん!」

 

 

『……怒りますよ?』

 

 

「すんません……」

 

 

電話相手は大淀であり嫌な予感がしながらも佐渡は軽くふざける

 

 

「そんで俺に何かようかい?」

 

 

『えぇ、幾つか報告とお知らせがありまして』

 

 

「ほいほい、どうぞ

あ、でも今釣りしてるからヒットしたら少し待ってね」

 

 

『貴方艦隊運営は……とそこでは野暮でしたねではまず貴方への嬉しい報告から

先程伝達を送りましたが佐渡少尉 貴方を少尉から大尉に昇格させました事をご報告させていただきます

おめでとうございます!』

 

 

「おー、ありがとうございますー

でもなんで二階級特進?」

 

 

『この前の戦艦棲姫戦での話を海軍会議で話し合った結果少将以下の提督階級を上げることに決定しました

そして、最も貢献した小笠原鎮守府は二階級特進と言うことです』

 

 

「なーるほど?んで他には?」

 

 

『次は悪い知らせが二つ』

 

 

「聞きたくねぇ……」

 

 

『まぁ、聞いてください

一つは全鎮守府提督達にも言っているんです

もう一つは貴方の鎮守府だけですが』

 

 

 

「んじゃ、全鎮守府の方から」

 

 

『………現在、『提督殺し』が再び現れました

奴は既に四人の海軍提督と上層部に手をかけ殺害しております

今後再び現れると予測されます

小笠原鎮守府に来るもの達には厳重な警戒を』

 

 

「一体だれが被害者何ですか?」

 

 

『被害者は元佐世保鎮守府提督 木原中佐 海軍本郷田大将、桐沢大将そして大奏鎮守府提督白鳥少将です

全員惨殺死体で見付かっています』

 

 

「木原……」

 

 

その名前に反応した佐渡は拳を握り締めるが殺されたと聞いて「ざまぁみろ」と呟いてしまう

だがその中に一人聞いたことがある名前があった

 

 

「ん?白鳥?確かこの前一緒に作戦に参加していた……」

 

 

『はい、沖縄作戦に参加していた提督の一人です

彼も昨日遺体として報告が上がっています

後日捜査した結果、彼は日常的に艦娘に暴行、セクハラを働いていたらしく

それに加え無茶な進軍、捨て艦戦法を取っており

結果重巡 鳥海を轟沈しています

もしかしたら、それが『提督殺し』に目をつけられたのかも知れません』

 

 

「成る程な……んま因果応報かな?」

 

 

『そして、ここからが貴方の鎮守府だけに送られる報告になります』

 

 

「提督!ここに居たんですか!

大本営から報告が……」

 

 

佐渡が振り返ると大井がバインダーを抱えながら溜め息混じりに佐渡を見るが電話をしていることに気付き慌てて口を閉ざす

 

 

『……佐渡提督?』

 

 

「あぁ、いや続けて?」

 

 

『えぇ、ではその白鳥少将が保有していた艦娘の一人をそちらに送らせて頂きます』

 

 

「問題児、ですか?それとも犯罪者とか?」

 

 

その言葉を聞いた大井はバインダーを佐渡に手渡すと古鷹の膝上のイ級に驚くが古鷹がそれを静かにさせる

 

 

『どちらかと言うと問題児であり、解体よりそちらに送り戦力とせよと大本営の決定です

沖縄での活躍が影響を与えましたね 』

 

 

「嬉しいような……そうじゃないような……」

 

 

佐渡は渡されたバインダーの資料に目を通すとその送られてくる艦娘の詳細が記載されている資料を見付け手を止める

 

 

『今回貴方の鎮守府に送る艦娘は』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「潜水艦…か……」

 

 

『はい、海大VI型 一番艦 潜水艦 伊168

通称、イムヤ

彼女がそちらに配属されます』

 

 

 

 





次回

海からの使者?そして、新人!潜水艦イムヤ

今回は、大淀さん登場!!
次回は潜水艦四人登場します!


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