「拒食症…デースか?」
「あぁ、正式には神経性無食欲症
簡単に言うとダイエットの為食事をしないことだ」
「聞いたことがあります。
ですが、提督イムヤさんは……」
「ダイエット何てのは艦娘と全く関係ない
むしろあんだけ細いし資料通りならあの激務をしていたって子がやるとは思えん
恐らくは」
「前提督の影響ね」
すると佐渡は少し真面目な面持ちになりながら、四人に指示を出す
「大井、大淀さんに聞いてイムヤの事を調べろ
金剛、布団と服の準備
古鷹、食事をラップして冷凍と冷蔵に別けろ
叢雲、イムヤと風呂に入る準備を
各員、動け」
「「「「了解」」」」
四人は命じられるままに各々動き始め、佐渡は頭をかきながら考え事をする
「今回はキツそうだな……
二つもあるのか……」
しばらくすると、イムヤがふらつきながらトイレから出てくると佐渡がその身体を支えてあげる
「大丈夫か?イムヤ?」
「だ、大丈夫……です…
まだ、仕事…出来ます…」
仕事、その言葉に若干引っ掛かるが今は気にせずイムヤを抱き抱えると歩き始める
「司令官様!?何を…!」
「どこが大丈夫何だよ?フラフラじゃないか
今日はもう休め。
風呂の準備が出来てるから、叢雲と入りな
その後金剛が付き添ってくれるからなそのまま寝ろ」
「で、でもオリョクルと遠征……」
「あ?提督命令を聞けんのか?」
「は、はい……」
オリョクルと遠征、遠征は分かるだがオリョクルとは何だと佐渡は思いながらイムヤを運んでいく
その身体はこの鎮守府の誰よりも軽く、本当に艦娘 嫌女の子なのか?と思うほどに
佐渡は提督室のデスクに向かいながら、拒食症について調べていた
内容は、やはり知ってるものの通りだが今回は事情が違う
ここに来て初めての病人に戸惑っていると扉のノックする音が聞こえる
「入れ」
「失礼致します、提督」
入ってきたのは大井だった
片手にバインダーと眼鏡をかけており、佐渡へ向かってあるいていく
「どうだ?」
「イムヤさんは終始大人しかったそうです
今、古鷹さん、金剛 叢雲と共に床に着いております」
「そうか、何かわかったか」
「えぇ、中々に。
彼女の提督 白鳥は酷い物でした
後、妖精さんからでイムヤさんの栄養失調と衰弱が確認されました
かなりよろしくないと」
「分かった報告してくれ」
いつもの違う二人であるが、実はこれが日常でもある
佐渡もいつもはふざけているがやるときはキチンとしておりその姿は鎮守府の提督である
大井もいつもは罵倒するがこう言うときだけは真面目に提督に従っている
そして、大井は報告をする
「彼女、伊168 イムヤは白鳥一葉から毎日暴行を受け、それ以外は遠征、オリョクル、出撃での囮のサイクルを24時間こなしていたそうです
休みが無く、所詮艦娘、兵器だから代用が効くと白鳥一葉は考えていたようです」
「酷いもんだな、まるで社畜……いや奴隷だな」
「食事ですが、三日に一度。
艦娘栄養食だけ遠征で資材が足りない場合は暴行に加え、それを一週間に一度
しかも、大破や失敗すれば更に暴行を加えていた様です」
「ふむ……ありがとう、今日は下がっていいよ」
「はい、失礼致します」
大井は、佐渡に資料を手渡すと振り返り扉を開けると佐渡を横目で見ながら
「提督、無茶はしないでください
我々が付いております何なりと頼ってください」
「あぁ、分かってる
頼むことがあったら頼らせてもらうよ、ありがとう大井」
大井は扉を閉めると佐渡はふぅ…と溜め息をつく
(奴隷扱いをされていた潜水艦……か…
それに加え拒食症……こりゃ骨が折れそうだわ…)
すると目を閉じある光景を思い出す
『深海棲艦からは私達が守るわ、だからあんたは私達をそれ以外から守ってそして助けて
約束して、佐渡』
「あぁ……任せとけ」
佐渡は頬を叩き気合いを入れ直すと、再びデスクへと向かい調べものを開始すると同時に工厰へと電話をかける
「あぁ、親方さん?ちょっとお願いが……」
次回
お前の任務は
次回から再び佐渡式のやり方です
イーちゃん書いてて可愛いなと実は感じてました(作者)