「お前らーそろそろ席につけー
イムヤの飯も出来るんだからなー」
「ほら、司令官命令よ座りなさい」
佐渡の号令に、叢雲がそれを促すとしぶしぶ座り始め佐渡が厨房から出てくると石釜の茶碗を片手に持っているのだが
「うぉ、叢雲がイーちゃん抱えてる」
「駄目かしら?」
「いんや、この子は今日のMVPだし良いだろう
イムヤー、お前イーちゃんが居なかったら沈んでたかも知れないんだぞ?
お礼言っとけよな?」
「え?は、え?はい?」
流石にイーちゃんが深海棲艦だと思わなかったイムヤの頭は大混乱しておりどうすれば良いのか分からずにいると大井と金剛に肩を叩かれる
「イムヤさん、分かりますがここはそう言うところです
頑張りましょうお互いに」
「イムヤ、私も同じでしたから……
まぁ、その馴れるねー…」
「え、あ、は、はい?」
「あはは……」
古鷹はその光景を見ながら乾いた笑いをしていると佐渡がイムヤの後ろから石釜の茶碗を蓋した状態で目の前に置く
「司令官……これは?」
「お前の朝御飯だ、足りなかったら言えよ?」
「は、はい……」
石釜の茶碗からは蓋をしてあり、それがご飯の代わりになっており佐渡も席に座り食事の合図をする
「よーし、揃ったな
んじゃ頂きます」
「「「「頂きます!」」」」
その合図と共に全員はおかずへと手を伸ばすのだがイムヤだけはやはり呆然とその姿を見ており佐渡が指示を出す
「イムヤ、開けてみな
そこにお前にご飯をあげなかった理由があるぜ?」
「は、はい!では頂きます……」
イムヤが石釜の茶碗にある蓋を取ると中から湯気が上がり目を曇らせるがすぐに晴れ中身を見るとそこには
「……司令官これは?」
「卵明太子粥だ、これならお前も食べられると思ってな
ご飯を柔らかくしてあるから飲むように食べられるぞ?」
茶碗の中には柔らかく煮込まれたお米と明太子、そして卵がありその上にはネギな振りかけてある
「なによそれ!私食べたことない!!」
「そうネー!私も知らないデース!!イムヤ羨ましいネ!!」
「うっさい、お前達
あれはイムヤだけの特別メニューだ
お前らにはやらん!!」
イムヤはいつも食べていた携帯艦娘食とは大きく違うそれに驚き箸を使って食べようとするがお粥はボロボロと崩れてしまう
「イムヤさん、これを」
「ありがとう、ございます」
古鷹にれんげを貰い、湯気が立ち込めるお粥をすくい息を吹き掛けゆっくりと口に運び食べていく
熱いが柔らかくとても美味しい
食べても気持ち悪くならない
「どうだ?イムヤ、食べれそうか?」
「は、はい!!」
「そうか!良かった良かった!冷めても暖めればいつでも食べられるからゆっくり食べろよ?
無理して食べるのは禁止な?」
イムヤは、ゆっくりと少しずつ食べていくのを佐渡は見ていると安堵のため息と共に微笑みながら食事を続けていく