次の日、佐渡から言われしばらくイムヤは古鷹と家事をする事になり今日もそれを手伝うために廊下に来ている
「では、本日はここを掃除します」
そこはこの三階の廊下を掃除するようだ
因みに、佐渡達が基本的に使うのは二階の寝室エリアと一階の食堂、風呂等でありここは提督室がありあまり横行が無いところでもある
「は、はい!」
イムヤは古鷹と共にジャージに着替え片手には雑巾を片手に仕事をする気だそうだ
「じゃあ、イムヤさんは廊下をお願いしますね?
私は窓をやっていきますので」
「はい!」
古鷹に事前に言われた通りに準備を進めると少しずつ廊下を掃除し始める
「そう言えば、古鷹さん?」
「ん?どうかしたの?」
「この鎮守府は何で最前線なのに敵が来ない……と言うよりは居ないの?
イーちゃんはともかく」
二人とも無言で掃除するのはどうかと思いちょくちょく会話を挟んではキチンとこなしていく
「えっと、確か提督によるとここはある意味まだ深海棲艦の落とされた島って扱いみたいなの」
「……え?」
その衝撃的な事実を叩き付けられ、流石にイムヤも動揺する
「え、じゃあ深海棲艦が多く存在するんじゃ……」
「それがね、ここには深海棲艦は居ないですよね?
そして、何もないですよね?鎮守府位しか」
「え、えぇ……」
「その為深海棲艦達は何故ここを落としたのかは分かりませんが、その後落とした後深海棲艦達はここを根城にしなかったみたいなんです
それに加えどの深海棲艦も近寄らないらしいんです
理由は分かりませんが」
「何で……」
「大本営は、資材を狙ってなのか、それとも鎮守府を潰したかったのか、ただの警告か、暇潰しか、深海棲艦の実力テスト、と言われていますが提督は別の考え見たいですけどね」
「一体どんな?」
イムヤは生唾を飲み込むと、手が止まり古鷹の話に聞き入っている
「ここを落としたのは、拠点を作る為だったが『やむを得ない理由』によりここを捨てざるを得なかった
又は、『又はここを奪還しに来た艦隊を総潰しにする作戦』だったかも知れないと思ってるみたいですよ?」
前のやむを得ない理由ならまだしも後半の予測に関してはゾッとする
もし自分が自分達を殺すために島ごと深海棲艦に囲まれるなんて物を想像すると……
「と言っても、そんなのは杞憂に終わりましたけどね
ここに深海棲艦はほとんどおらず、私達が来ても特に何もなかったと言うことで今は平和と言うこと何です」
「な、成る程……」
イムヤが怯えているのを見ると古鷹は掃除するの手を止め頭を撫でる
「大丈夫ですよ、どんなことがあっても貴女は私達が守りますよ
だから、安心してください」
「……はい!」
「さ、お掃除しましょ?早く終わらせて一息ついてのんびりとしましょう?」
どこか、頼りになる古鷹の背中を見ながらイムヤは今日も家事を共にこなしていく
次回
収穫
明日は小笠原の農園に行きます
え?そんなのあったのかって?
実はあるんですよ…