艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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秘書艦任務 五

「ぬぁー!!悔しいネー!!

何で勝てないんデースかー!!!」

 

 

「ばーか、あんたは分かりやすいのよ

顔にすぐ出るし」

 

 

「あはは!金剛言われてるぞ~」

 

 

「うー!!悔しいーー!!!」

 

 

現在金剛の艤装が真っ黒に染まった為洗浄機にかけており服も着替え風呂に入った後再び防波堤にて四人で雑談していた

現に金剛は防波堤に寝そべりながらかなり悔しそうにしておりその背中をグラーフが宥めている

 

 

「その……叢雲は強いのだな

駆逐艦だが」

 

 

「強くないわよ、金剛が分かりやすいし真っ直ぐ過ぎるのよ」

 

 

「嘘ネ!!グラーフ!叢雲ですね!!

大本営で雷撃姫って呼ばれるほど有名人でかなり強いんデースよ!!」

 

 

「何と、叢雲はそんなに強いのか……」

 

 

「あ!こらあんたそれどこから聞いてきたのよ!!」

 

 

「へへーん、霧島から聞いたんデース!雷撃姫ー!!」

 

 

「その名前で呼ぶんじゃないわよぉ!!」

 

 

「ひはいひはい!むらふもおちついてー!!」

 

 

叢雲は立ち上がり金剛のほっぺたをつねっており二人共喧嘩をしておりグラーフが心配する

 

 

「なぁ、二人は仲が悪いのか?」

 

 

ほっぺたをつねりながら、叢雲と金剛は顔を見合わせると二人とも笑い始める

 

 

「な、何か私は可笑しいことを言ったか…?」

 

 

「あー、sorryデース!違いマース、別に悪くないですよ?」

 

 

「そうよ、こいつが構ってほしいだけよ」

 

 

「違いマースよーだ!!」

 

 

「んー?電話か?悪いちょっと抜けるわ」

 

 

すると佐渡の電話が鳴り出し退席すると三人だけになる

 

 

「そう言えばグラーフどうなの?秘書艦は?」

 

 

「う、うむ……結構大変だ…」

 

 

「羨ましいデース、私も秘書艦やりたいヨー」

 

 

「駄目よ、この前あんたがやったら司令官が駄目になりかけたんだから」

 

 

「私は構わないと思うデースよ?」

 

 

「あんたねぇ……」

 

 

叢雲が溜め息を付くとグラーフが意を決したのか、二人に再び質問をする

 

 

「二人はこの鎮守府をどう思う?」

 

 

「ん?何で?」

 

 

「だって、可笑しいではないか

この鎮守府では出撃も海域攻略もない

我々の本文は戦争だろ?

だが、ここではそれがないだから……」

 

 

そこまで言うと叢雲は溜め息をつく

 

 

「あんた、真面目ねぇ……

本当に、初着任時のどっかの誰かを思い出すわ」

 

 

「だが!事実だ!我々には……

第二の命を与えられたのだ

それなら国の為人の為に…」

 

 

「悪いけど私はそう言うの分からないからパース

金剛お願い」

 

 

「え!?私デースか!?」

 

 

「そ、私は司令官に従うし

特に無いわ

よろしく~」

 

 

「えぇ……叢雲ぉ……」

 

 

「それに、私はここしか知らないから

あんたならグラーフが納得する答えを出してもらえるんじゃない?」

 

 

「それも……そうデースか…」

 

 

その言葉に違和感を覚えグラーフはイムヤの時を思いだし金剛を見ると先程より元気がなく少し落ち込んでいる

 

 

「私はここが好きですよ?

提督は優しいし、皆も……

他では貰えないものを私はここで貰いました…」

 

 

そこで気付くこの金剛もイムヤと同じで何かを持っておりここに来たのだと

 

 

「グラーフ、貴女は不幸を信じますか?、」

 

 

「不幸……だと?」

 

 

「はい、しかも人為的に伝染させる不幸を」

 

 

「は、馬鹿馬鹿しいそんなのあり得るわけ……」

 

 

「あるんですよ、私がそれを出来ますから」

 

 

「……え?」

 

 

そう言うと、金剛はグラーフの手を触ると偶然的なのかそれとも金剛がその条件を理解しているのか不幸が発動させる

叢雲がそれを止めようと起き上がった瞬間に、手が滑り顔を金剛の胸に飛び込むとその反動で金剛の手が『偶然グラーフの胸に当たり』振り下ろされるとグラーフが付けているブラのホックが外れそのままブラが外れ上半身の服が捲れる

 

 

「!?!?」

 

 

「あ、ごめんなさい!!グラーフ!!大丈夫ですか!?」

 

 

そのあり得ないほどの連続して起きた事に驚きながらも服を手で隠すと金剛の言葉を思いだし金剛を見ると少し離れる

 

 

「……ほら貴女も他の人と同じ反応をしましたね」

 

 

 

「っ!!すまない!!」

 

 

 

悲しそうに微笑む顔とその言葉にゾクッと来たグラーフだったが直ぐ様金剛に近寄り謝罪する 

 

 

「良いんデースよ?それが普通の反応ですから」

 

 

「いてて……ごめん金剛…あ…」

 

 

「……もう、叢雲のエッチデース」

 

 

「あー、うんごめん金剛……」

 

 

 

対して金剛も叢雲に服を脱がされかけさらしを巻いていた胸を半分出し急いでそれを直している

 

 

「提督が居なくて良かったヨー、見られたら恥ずかしくて死んじゃいマース」

 

 

金剛はフフフと笑いながら先程起きた事を流しているとグラーフに向き直る

 

 

「これが、私がここに来た理由デース

私は不幸を伝染させる、最悪の高速戦艦なんデースよ?」

 

 

笑っている金剛を見ると胸が痛くなるグラーフは、金剛の手を取り先程自分がやった行為に反省している

 

 

「すまない……本当にすまない…」

 

 

「大丈夫デースよ?慣れっこです

久々に人に離れられましター!新鮮デースね

グラーフ、貴女は戦争が私達の本文と言いましたね

ですが、私達は兵器であるが感情もありまーす

それを理解しておいてくださーい」

 

 

金剛は立ち上がると、二人から離れていく

その背中を追うように二人が行こうとするが

 

 

「ごめんなさーい、ちょっと一人にしてください」

 

 

そう言うと歩いていき佐渡とすれ違うと走っていく

その姿を見た佐渡は電話を切り、グラーフ達に駆け寄る

 

 

「お前ら、何した?」

 

 

「いや、その……」

 

 

「グラーフが、金剛の体質を知らずに避けたのよ」

 

 

「そうか……グラーフ予定変更だ

すまないが提督室で待機していてくれ

俺は金剛を見てくる」

 

 

そう言うと金剛が、走り去って行った方向へ走り出すとグラーフがその背中を追うように行こうとするが

 

 

「辞めなさい、あんたじゃ無理よ」

 

 

叢雲に止められグラーフはその場に立ち尽くしてしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐすっ、うぅ……」

 

 

「よしよし、金剛大丈夫か?」

 

 

「大丈夫じゃ…ない、デース……」

 

 

「許してやってくれあいつも悪気があったわけじゃないんだ」

 

 

「わかってまーす……でも、やっぱり辛いよぉ……」

 

 

 

 

 

 





次回

貴女はどちらになりたいの?

トラウマと言うものは簡単には癒えないものだ
例えどんなことがあろうとも


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