艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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秘書艦任務 六

グラーフは、今日一日の秘書艦任務を終えベッドに倒れていた

あの後金剛と会ったが眼を赤くしており再び謝罪をしたが気にしてないと言われてしまったが佐渡にげんこつを貰い「気を付けろ」と怒られた

疲れと共に今日会ってきた艦娘達の事を考えていた

ここに来ているのはそう言う者達であり佐渡はそれを癒していることをそしてそれに答えるために必死に生きている艦娘達を

 

 

「私は……愚かで浅はかだったな……」

 

 

「そうでもないんじゃないですか?」

 

 

その声に驚き、ベッドから飛び起きると今日一日見てなかった大井が扉に立っていた

 

 

「すみません、驚かせてしまいましたか?」

 

 

「い、いや……そんなことは…」

 

 

「隣座りますよ?」

 

 

「あ、あぁ……」

 

 

大井は入ってくるとグラーフの隣に座ると、手を出し今日のメモ帳を確認すると「成る程」と呟く

 

 

「……グラーフさん、金剛さんを避けましたね?」

 

 

「!!!!」

 

 

図星を突かれビクッと身体を揺らしてしまいそれを見た大井は微笑んでいる

 

 

「大丈夫ですよ、彼女は強いですから

多分提督が何とかしてくれていますよ」

 

 

「……本当にすまない…

彼女達がここまで酷いことをされていたとは思わなくてな…」

 

 

「そんなもんですよ、どこも

私のところもそうでしたし」

 

 

その言葉を聞いた瞬間更に驚く大井が全くそうは見えないからである

 

 

「私は、元々別の鎮守府に居ましたが犯罪者としてここに来ました

まぁ、今では『元』になってしまいましたけどね」

 

 

「犯罪者…だと?何をしたんだ?」

 

 

「提督に暴力を働きましてね、後側に居た海軍大将達をね

私の大事な人を襲うとしてまして、それでつい」

 

 

驚きを隠せない、この彼女がそんなことをするようには見えないからである

確かに佐渡とは少し言い合いが多いが佐渡は特に気にしてない様子だったから

 

 

「ここはですね、皆あの人に救われた人が居るんですよ

そして、この鎮守府は戦争から最も近いですがあの人がそれを遠ざけて居るのです

確かに私達は『艦娘』です

戦うのが本文です

ですが、あの人は他の提督と違う

あの人は私達を『艦娘と言う兵器』ではなく

『一人の女の子』として扱うんですよ

だから、そこが貴女とあの人の違いです」

 

 

「私達が……女の子…だと?」

 

 

その言葉に違和感を覚える、ドイツ海軍では艦娘は兵器であり使い捨ての道具だと国の為に命を捨てるのは普通だと教えられていたからである

 

 

「そうですよ、じゃないとあんな態度はしませんしね

まぁ、貴女の考えとは違うとは思いますが

こういう鎮守府もあるんですよ

ここまで戦争から遠いところも無いとは思いますが」

 

 

「…………私は…アトミラールにどう映っているのだろうか…」

 

 

「私達と変わらず、一人の女の子としてだと思いますよ

あの人は変態で、時々サボって、セクハラもしますし、争い事が嫌いなろくでもなしです

 

ですが、料理が上手くて、私達の事に全力で、優しくて、強くて、時々恐いですがそれは私達の為でもあって、お父さん見たいでもあり、そして何より信頼できます

本物は知りませんが

あの人はそんな人です」

 

 

「………そう…か」

 

 

グラーフは立ち上がると部屋を出ていこうとする

 

 

「あの人に、もう一度想いをぶつけてはいかがですか?あの人なら全力で答えてくれますよ」

 

 

「………そうさせてもらうよ、ありがとう大井」

 

 

ドアを開き部屋をゆっくりと出ていくグラーフを見ると大井はベッドに寝そべりながら微笑みながら呟く

 

 

「……あーあ、ライバル増えちゃうかなぁ…

何してるんだろ私

でも負けるつもりは無いけどね…」

 

 

 

 

 





次回

私はどうすれば?

そろそろグラーフ編前半が終わります
え?まだあるのかって?
正確にはこのお話はかなり長い話になります
それこそ章を飛ばしてね?

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