「ふぅ……今日も終わりか…」
佐渡は風呂に入りながらのんびりと、天井を眺めながら呟いた
ここは、男性用のお風呂である
ここの鎮守府には、昔何人かの男が在籍していたの、それとも、ただ先人の趣味なのかそこそこ広く、四人位なら同時に入れる程の浴室に、洗い場が二つある
皆の食事が終わり、妖精達は各々の仕事に戻り、叢雲は洗濯物を畳みに行き、佐渡も食器を片付け用としたのだが古鷹に「提督はお風呂にどうぞ?私がやっておきますから!」と言われてしまい、お言葉に甘えさせて頂き、風呂に入っている
「にしても……新人…かぁ……」
佐渡は、今日来た…と言うか流された新人に関して考えていた。
こんな所に飛ばされる艦娘何て言うのはよっぽどの問題を抱えた奴じゃないと飛ばされないからである
「さーて、何をやらかしたのかねぇ、あの子は」
けのびをしながら考え込んでいると、風呂場の扉が叩かれる
叢雲の声がする
「司令官、ここに替えの服置いておくわよ」
「あぁ、ありがとう」
叢雲は、更に一回ノックすると、少しだけ、扉を開ける
きちんと、佐渡が見えないように背中を向けてだが
「……何かあったか?」
叢雲の態度に違和感を感じた、佐渡は少し真面目な感じになり、叢雲に尋ねる
叢雲は、風呂場の外に顔だけだして、回りに誰もいないことを確認すると、本日全ての戦果報告をする
「今回、戦った戦艦ル級戦いなれてたわ、多分何回か他の艦隊と戦っては居たけど生き残った類いね
今回は不意打ちで、四体撃沈させたのが功をそうしたけど、あのまま二人で戦ってたら危なかったわ」
「……となると、例の『アレ』に成りかけてた奴だったのか?」
佐渡が、そう言うと叢雲は首を振り、否定する
「それはないわ、恐らくあいつが沈めてきたのは、駆逐艦だけだったみたいよ
あいつ、古鷹を見て警戒したけど、私を見た時余裕そうな表情してたからね。
だからこそ、あそこで私だけで戦ったのは正解だった見たいよ
前戦った、同じ形の奴とは、桁が違うもの」
そうかと、佐渡は呟くと顔に湯をかけ、ふぅとため息を付く
「以上が、戦果よ。
あと、あの新人、恐らく軽巡よ艤装を見るに
もしかして、雷撃よりの軽巡って奴じゃないかしら?」
「お、よく分かったな?
サンキューな叢雲~」
「じゃあ、私は寝るから
お休み、司令官」
「おう、お疲れ様。
いつも悪いな」
叢雲は、戦果報告をし終わると、扉を静かに閉め、風呂場を後にする
叢雲が居なくなったのを感じると、佐渡は窓を開け、外を見る
「……『歴戦種』では無い……か…」