合図と共に全員はそれぞれおかずに手を伸ばしていき色々と食事をしていくがビスマルク達は困惑していた
「ね、ねぇグラーフ
ナイフとフォークはあるかしら?」
「ん、あぁすまない
……はい、これで良いか?」
グラーフは、戸棚からナイフとフォークを取り出しビスマルク達に渡していくと受け取り食べようとするのだが
「……お姉さま、一杯ありますね
しかも、全部暖かそう…」
「…そうね、ドイツのお昼補給より多いわ」
「……凄い、日本とドイツ違うね…」
三人が手をつけずにいると佐渡が気付き心配する
「あれ?三人共、もしかしてお腹空いてなかったですか?
それとももしかして、気に入らなかったですか……
すみません…料理下手で……」
「あ!いえ!違うのよ!アトミラール!!」
「アトミラール、向こうでは昼はしっかり食べるが夜はパン等の冷たい食事なのだ
日本とは違って保存食が多く合理的な食事なんだ」
「あ、そうなんだ
知らなかった……」
グラーフが、説明していると親方達妖精がポトフの皿をビスマルク達に持ってくる
「よう!ドイツ艦娘達!俺は工厰の責任者
親方妖精だ!」
「グーテンアーベント、私達はビスマルク、プリンツ、U-511よ
よろしく親方さん」
「おう!よろしくな!
ここじゃ直ぐに晩御飯なくなっちまうからな!
早めに手をつけな!!
このポトフは誰にも手を付けさせてないからな!好きに食え!
食べるんじゃねぇぞ!!そこの食いしん坊二人!!」
「人の食べ物取るほど食いしん坊じゃないわよ!!」
「そうデース!!私そこまで提督の料理に……うん沈んでません!!」
「本当かぁ?」
親方に言われると叢雲と金剛はギクッと身体を揺らし反論するが親方に茶化されていると大井達が笑っている
「食べてみてくれ、美味しいぞここのご飯は」
グラーフに進められ、ビスマルクは恐る恐る手を付けると勢い良く口の中に運ぶとゆっくりと噛み締める
「……お姉さま?」
「…ビスマルク?」
二人が心配しているが、ビスマルクは無言でいくつもジャガイモを取っていき噛み締めながら笑みを浮かべ頬を押さえている
「……何よこれ…
美味しいじゃないのよぉ!!」
その言葉を聞いたプリンツとU-511も次に続きポトフを食べていくと美味しいのか笑みを溢す
「本当だぁ!!美味しい!!」
「美味しい…それに味もそこそこに濃いから食べやすい…」
「ふぅ、口に合ったなら良かったよ…」
佐渡は安堵の溜め息をするとビスマルクが佐渡に詰め寄る
「ねぇ!アトミラール!!ここにあるのいくつも食べても良いのよね!!」
「え?あぁ、好きに食べなよ?君達への料理だしね?」
そう聞いたビスマルクは出された料理に次々と手を出していき勢い良く食べたのか喉を詰まらせるとグラーフが慌てて飲み物を渡すと一気に飲み干す
「美味しいわ!アトミラール!どれもこれも!!」
「はは、それは良かった」
「当然だ、アトミラールの作るご飯はどれも絶品だからな」
「ビスマルクお姉さま!この煮魚と言うのも美味しいですよ!!」
「うん…シュニッツェルも唐揚げも美味しい…」
三人が満足してくれたのが嬉しく佐渡もゆっくりと食べ進めていき楽しい晩御飯の時は過ぎていく
次回
平和で何にも無い鎮守府
小笠原は平和そのものです