艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

218 / 594
疑いたくない
でも疑わないと自分が死ぬ
さぁ!謎解きのお時間です!!




偽物探しー叢雲編ー

「へぇ?昨日の夜会ったんだ?提督殺しに?」

 

 

「まぁ、会ったと言うより向こうが来た感じかな?」

 

 

佐渡と叢雲は共にランニングをしながら話をしていた

ランニングは叢雲の日課になっており一日暇なら二回はする

朝のランニングは鎮守府から街を駆け抜け戻ってくるルート

そして、今のランニングは砂浜の端から端まで往復する物だ

 

 

「にしても、久しぶりね?司令官とランニングなんて」

 

 

「そいや、最近してなかったな?」

 

 

「お肉弛んできてない?」

 

 

「まっさか!んなわけあるかよ!!

ほら!バッキバキの筋肉よ?」

 

 

佐渡が服を捲り上げると叢雲は少しだけ見るとすぐにそっぽを向く

 

 

「それなら、心配入らないわね

じゃあ、司令官たまには演習にも付き合ってくれない?」

 

 

「オッケー、近接格闘で良いか?」

 

 

「えぇ、久しぶりだからって負け惜しみは無しよ?」

 

 

佐渡と叢雲はお互い走るのを止めると準備運動をして身体を動かす

 

 

「勝負はいつもだよな?」

 

 

「えぇ、参ったと言うまでね」

 

 

二人が準備運動を終えると身体を構え深呼吸をする

 

 

「どうしたの?司令官、来ないの?」

 

 

「レディーファーストだぜ?相棒(バディ)?」

 

 

「なら!!行かせてもらうわよ!!」

 

 

叢雲は、走り出すと佐渡の懐に入り込もうとするが佐渡はその行動を先読みしバックステップを取ろうとする

 

 

「逃がさない!」

 

 

だが、叢雲もそれを予期しており直ぐ様砂浜を蹴り左へと回り込もうとするが

 

 

「甘いねぇ!!」

 

 

それすらも予期していた佐渡は左手で叢雲の頭を掴みそのまま砂浜に叩き付けようとするが

 

 

「食らえ!!」

 

 

「くそっ!お前なぁ!!」

 

 

叢雲は、右手に握り締めていた砂を佐渡にぶつけると佐渡の目に入り込みそれを拭おうと手を放してしまう

 

 

「貰ったぁ!!」

 

 

その瞬間を逃さずに佐渡の腹部に拳を当てようとするが

 

 

「よっこいしょ!!」

 

 

「いったぁ!!」

 

 

佐渡は頭を振りかざし叢雲のデコに向けて思い切り頭突きをすると痛みで叢雲は頭を押さえている隙に佐渡の視力は回復する

 

 

「チェックメイト!!」

 

 

そう叫ぶと叢雲の足を蹴り体制を崩した所に腰から水鉄砲を取り出し叢雲の顔に掛けるとそれが目に染み目を押さえる

 

 

「あぁ!!目がぁ!!目がぁぁ!!」

 

 

「ハーハッハッハッハ!!まだまだだなぁ?叢雲?」

 

 

水鉄砲の中身は墨汁であり目に入るとかなり痛い

叢雲は半泣き状態になりながらも佐渡を睨み付ける

 

 

「くっそぉ……まいったわ…」

 

 

「これで、125戦?」

 

 

「125敗よ……うぅ…」

 

 

「悪い悪い、頭大丈夫か?

ほれこれで顔拭け」

 

 

「ありがと、司令官」

 

 

叢雲は佐渡から貰ったハンカチを使うと顔を吹き終わるとついでに汗まで吹き始める

 

 

「で?私なりの証明だったんだけど、どう?」

 

 

「あぁ、お前だよ

相変わらず少し油断の癖が残ってたな?直していけよ」

 

 

「はーい」

 

 

叢雲は返事をすると砂浜に流れ着いている流木に腰掛けると佐渡に手招きすると佐渡も隣に座る

 

 

「ねぇ、司令官」

 

 

「何だ?」

 

 

「ここ、大分賑やかになったわね」

 

 

「そうだなぁ

最初は三人だけだったもんなぁ

大井に金剛、イムヤとイーちゃんとグラーフ

本当に増えたな」

 

 

「えぇ、本当にね

賑やかになったわ、当時では考えられないほどにね」

 

 

二人はのんびりと座っていると叢雲が再び話始める

 

 

「ねぇ、司令官

もしも私が偽物だったらどうする?」

 

 

「んー?どうもしなさいさ、でもそれなら困るなぁ

叢雲はうちのエースだし俺の相棒だからな」

 

 

「そう?それなら他の娘だったら?」

 

 

「そいつも困るなぁ、誰一人欠けてもここは成り立たないからな」

 

 

「ねぇ、司令官

もし、もしもよ?他の艦娘が偽物でもね

あんただけは私が守るからね

絶対に」

 

 

「おう、信頼してるぜ叢雲」

 

 

こうして、佐渡と叢雲の一日は特に変わりの無いように過ぎていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良し、これで良いかな?」

 

その日の夜、佐渡は全ての部屋の『点検』を済ませると自室へと歩いていく

 

 

「さてと、後五人か」

 

 

 

 




次回

私は本物ですよ?


今回は叢雲編でした!
後五人、誰が偽物でしょうか?


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。