艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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偽物探しーイムヤ編ー

「おーい、イムヤー?どうだぁ?」

 

 

『いい感じに取れてるよぉ!もう少し待っててね!

イーちゃんも結構取れてるって!』

 

 

佐渡とイムヤは、防波堤にて漁業をしていた佐渡は海側で釣りをしながらイムヤとイーちゃんは海中の岩に張り付いているサザエや貝類を取っている

無論無許可での密漁ではなく海軍の許可は得ている

一応この島で生きるための必要食料としてだが

 

 

「んじゃ、こっちも始めるか?」

 

 

佐渡は釣りを辞めると竿を仕舞うと近くに準備しておいた七輪に薪を入れて行き火を焚きながらのんびりとイムヤ達が帰ってくるのを待っていると防波堤の海から二つの影が上がってくる

 

 

「ぷはぁ!!司令官!取れたわよ!」

 

 

「おう、二人とも上がれ上がれどうだ戦果は?」

 

 

イムヤは防波堤の岩場に乗っていくとその胸にイーちゃんも飛び込み二人で登っていくと佐渡にその結果を見せる

 

 

「どう?凄いでしょ!」

 

 

「おぉ!こりゃすげぇ!サザエに伊勢海老にアサリ……大量だな!!」

 

 

えっへんと胸を貼る二人の頭を撫でながらもそれを網にのせ焼いていく

まずはサザエとアサリに醤油をたらし焼いていく

 

 

「んん!良い香りね!」

 

 

イムヤとイーちゃんが見つめる中佐渡は手際よく焼いていき二人に手渡していくとイムヤは「いただきます!」と言いイーちゃんは頭を下げる

 

 

「美味しい!!司令官流石ね!!」

 

 

イムヤが褒めるとイーちゃんも美味しかったのか佐渡の脚に頭を擦りながら頭を下げる

 

 

「良かった!じゃんじゃん焼いていくからな~?」

 

 

しばらく、すると取ってきた分を食べきるとイムヤとイーちゃんは満足したのかごろんと防波堤に転がりながら空を仰ぐ

 

 

「はぁ~満腹~」

 

 

「ほいほい、お粗末様」

 

 

佐渡は片付けをしているとイーちゃんがうとうとし始めイムヤのお腹の上に乗るとゆっくりと瞳を閉じる

 

 

「あら、イーちゃん寝ちゃった」

 

 

「ま、いつものことだな

にしても、イムヤも食べるようになったよなぁ……」

 

 

「どっかの誰かさんがいつも美味しいご飯御馳走してくれるからね?」

 

 

「ほーう?ならもっと頑張らないとな」

 

 

イムヤは晴天の空を見ながら静かに呟く

 

 

「……空って青いよね

でも海の青さと違って私は好き

あの頃にも同じ空を見ていたのに今は違うように見えるなぁ」

 

 

「はは、空は変わらねぇよ

それほど余裕が出来たってことだろ?」

 

 

「ねぇ、司令官

私は提督殺しに思える?」

 

 

「いんや?どうみても可愛いポニーテールの美少女だけど?」

 

 

「ふふ、ありがと司令官」

 

 

佐渡は片付けを終えるとイムヤの側に座りのんびりと海を眺める

 

 

「懐かしいなこの防波堤」

 

 

「そうね、貴方と会ったのもここだったっけか?」

 

 

「いやいや、お前意識合ったのか?沈んでたじゃんか?」

 

 

「あれ?そうだっけ……なーんてね

覚えてるわよ、初めてあったのはベッドの上だったわよね

あの時私はまた鎮守府に連れてこられて仕事と暴力の毎日って怯えてたっけ」

 

 

イムヤはイーちゃんを側に置くと起き上がり佐渡と共に海を眺める

 

 

「白鳥は死んだけどさ私本当に良かったと思うんだ

あいつのやり方は間違ってはなかった

私は早く死にたい生きていたくは無かった

でもあいつは殺されて私はここに来た

何かね、これが運命なら私は本当に良かったと思うの」

 

 

「イムヤ……」

 

 

「ねぇ、司令官

私ねかなり深くまで潜れるんだよ?

だから一緒に逃げない?

そうすれば提督殺しに……」

 

 

「バーカそんなことしたら明後日の回答が出来ないことになって捕まってる奴が殺されるだろうがって」

 

 

佐渡はそう言うとイムヤの頭を小突き頭を撫でる

 

 

「でも……私、司令官が死ぬのは嫌よ…

貴方と折角仲良くなれたのに、ここに来れたのに…」

 

 

「任せとけって、俺が必ず見つけ出してやるさ

提督殺しをな」

 

 

「……分かったわ司令官を信じる!!」

 

 

「おいおい、そりゃ俺を今まで信用してくる無かったのか?」

 

 

「違うわよ!!最初から信じてるけど司令官が怖がってないかなぁーとか思って!!」

 

 

「あはは!ありがとなイムヤ!」

 

 

佐渡はイムヤの頭を撫でながらも海を見ながらのんびりと過ぎていく

こうして、イムヤとの一日は過ぎていった

 

 

 

 

 




次回

貴方は他とは違う

ラスト一人になりました!!
さて貴方はだれか分かりますかね?


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