艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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偽物はお前だ

二人の間に沈黙が流れる

だが、明らかに提督殺しが震えている小刻みに確実に

それを見ながら佐渡は微笑む

 

 

「さてと?提督殺し、どうなんだ?」

 

 

「………何で」

 

 

提督殺しはゆっくりと顔を上げるがその顔は怒りと憎しみに溢れ今すぐにでも佐渡を殺す勢いである

 

 

「何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何でぇぇぇえ!!!

 

分かりやがったぁ!!てめぇぇぇ!!」

 

 

「おーこわ

どうやらビンゴみたいだな?

そりゃそうだろうな?お前が間違えたのはその一回だけだ」

 

 

「どこだぁ!!お前が分かったのどこなんだぁ!?」

 

 

すると提督殺しの見た目が変わっていく巫女服は次第に叢雲が着ている制服に変わり髪も金から青に変わり体つきも小さくなり、頭のカチューシャも叢雲の耳型電探へ変わり完全な叢雲の見た目へと変わる

 

 

「はは、やっぱり叢雲だなこりゃ

全くもってそっくりだ、その単装砲も叢雲の艤装だな?

何となくそんな気はしてたぜ?」

 

 

「答えろぉ!!どこだ!!私がどこで間違えたと言うのだぁ!?

私の化けは完璧だ!声も見た目も性格も!

生活スタイルも口調も仕草も!!

ありえないありえない!!何故だぁ!!

何故分かったんだぁ!!貴様ぁぁ!!」

 

 

「良いだろう、答え合わせと行こうか?

と言ってもお前は一言、そうたった一言でお前を見抜いたよ」

 

 

「どこだと言っている!!答えろ!」

 

 

「……お前、『俺を疑ったな』?」

 

 

「…………はぁ?」

 

 

佐渡の一言に提督殺しは唖然としながらも佐渡は答えていく

 

 

「だから、お前は俺を疑った

一度だけな」

 

 

「嘘をつくな!!私は………まさかっ!」

 

 

提督殺しはここでようやく自らが犯したたった一つのミスに気付く

そう、提督殺しはたった一度だけ佐渡を疑っていたのだ

 

 

「お前、このゲームが始まった時俺に言ったよな?」

 

 

『提督殺しが今回、初めての予告をしてきた

 

即ち今回はいつもと違う方法で私達を殺しに来た

 

と言うことは、何もこの六人ではなく貴方の可能性もあるのよね?』

 

 

「って、お前は言った

そう誰も俺を疑っていないのにも関わらずお前は誰よりも先に俺と残り五人を疑わせた

これが、お前が提督殺しである確たる証拠になったんだよ

ここで、俺は確信したよ

『偽物は叢雲』だとな」

 

 

佐渡に言われると提督殺しは後退りをすると佐渡は珈琲を入れ直し熱いうちに少しだけ飲み始める

 

 

「たった……たった一言の冗談を……お前は真に受けたのか!!!

それだけで!!それだけで!」

 

 

「バーカ、お前舐めんなよ?

これでもこの鎮守府の提督だぞ、それぐらいで分かるわ

それに相手をしてるのが誰だか分かってるんだろうな?

俺はアイツ等を信じてる、だからこそアイツ等も信じてくれる

これが信頼だ覚えとけ

それにな」

 

 

佐渡は珈琲を強く机に置くと提督殺しを睨み付ける

 

 

 

 

「俺と叢雲は、『誓い』で繋がれている

万の一つとしてアイツが俺を疑うことはない

絶体にな」

 

 

 

 

 

 

 

 





次回

叢雲は俺の相棒(バディ)

さて、皆さんはこの間違いに気が付きましたか?
分かった方は凄いですね…


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