艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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偽物はお前だ 二

提督殺しは悔しがり拳を握りしめると叢雲を誘拐したときの事を思い出す

 

 

「へぇ?あんたが提督殺し?

本当にそっくりね?」

 

 

叢雲は両足と両手に枷を付けられ捕まっており小笠原のとある小屋に連れられていた

その目の前には、提督殺しが叢雲に化けていた

 

 

「そうでしょ?これで貴方の司令官、提督を殺すわ残念だったわね

また新しい司令官を探しなさい?」

 

 

「ふーん、でも化けるなら私じゃない方がオススメよ?

何たって私と司令官は『誓い』で繋がっているからね

他の娘達より遥かに難易度が高いわよ

あんたの負けは見えてるわ」

 

 

提督殺しは余裕の表情と態度を取る叢雲を見下ろす

 

 

「私が負けるとでも?」

 

 

「間違いなくね、あんたは確実に負けるわよ

司令官なら絶体に見破ってくれるからね」

 

 

そう聞くと提督殺しは鼻で笑うとフードを被った仲間へと指示を出す

 

 

「そう言えばあんたに聞きたかったの

あんたたちの誓いって何?

それにあんたとあの佐渡って男の過去を探ってもなにも出て来なかった

こんなことは初めてよ

ただ、一つだけ気になるのは貴女が大本営へ来るのに『二ヶ月間の空白』がある

確かに貴女達、初期艦だけは特別に北海道の専用工厰で作られ大本営に送られてくる

でも過去一度として着任が遅れたことはない

しかも、同時に貴女と同じ時期に着任するはずだった

(さざなみ)、吹雪、電、五月雨はその着任予定時に死亡している

何か関連性があるのかしら?」

 

 

叢雲は、その言葉を聞くと微笑むと同時に提督殺しを嘲笑う

 

 

「あはは!!言うわけないでしょ!

私と司令官には絶対的な信頼があるわ!!

あんたなんかに断ち切れないほどにね!」

 

 

流石に余裕の態度を取る叢雲に苛ついた提督殺しは早足で小屋を出ていこうとする

 

 

「あ、そうだ一言アドバイスを上げるわ

あいつに、佐渡に対して一言でも言葉を間違えてみなさい?

佐渡はそれだけで気付くわよ、絶体に

アイツは私の司令官なんだもん、『私が選んだ司令官』なんだからね!!」

 

 

 

「ハッ!!言ってなさい!あんたの元にアイツの首でも持ってきてやるわよ!!

どうせ、あんた達の絆何てものはすぐに壊れるんだからね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉の、叢雲の言っていたことは真実であったことを提督殺しは実感していた

この男は今までの人間とは違う、最低でも叢雲とはかなり硬い絆で結ばれていると

 

 

「あいつに言われなかったか?

俺に対しては一言だろうと、間違えるなって

忠告は聞いておくもんだぜ、提督殺し」

 

 

「くそがぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

提督殺しは怒りのあまり佐渡に飛びかかるが、それを予期していたのか珈琲の中身をぶつけると提督殺しは急いで手でそれを拭おうとするが佐渡は提督殺しの頭を掴み床に叩きつけ押さえ付ける

 

 

「諦めろ、お前の負けだ

提督殺し」

 

 

「くそっくそっくそぉ!!

何なんだ!お前達は!!明らかに他の奴等と違う!

何でそんなにお互いを信じられる!!!」

 

 

「そりゃそうだろ

アイツは俺だけの『兵器』になると誓ったんだ

そして、俺はあいつだけの『司令官』になると誓った

俺達は二人で一つ、これからもそれは変わらない

だからこそ」

 

 

すると佐渡は提督殺しの頭を掴みながら力を込める

 

 

「返してもらうぞ、俺の相棒(バディ)を」

 

 

「……………くそがぁ!!」

 

 

提督殺しは佐渡の腹部を蹴るとその痛みで放してしまい少し距離を取り睨み付ける

 

 

 

 

 

 




次回

認めてやる


叢雲と佐渡の絆の話……今後書くつもりはある…のですがかなり長いので書こうか悩んでます()


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