艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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偽物はお前だ 三

「……良いだろう、認めてやろう

お前と、艦娘達の絆をな!!」

 

 

「おー、これは嬉しいねぇ

ならゲームは俺の勝利かなぁ?」

 

 

佐渡がニヤニヤと笑っておりそれにムカついたのか提督殺しは床に落ちていたクッションを投げつけると佐渡はそれを受けとる

 

 

「……明日の朝、嫌今日の朝に駆逐艦叢雲を砂浜に寝かせておく

約束は守ろう、お前の勝ちだ

ルールは守らねばならないからな」

 

 

「保証は?」

 

 

提督殺しは右手だけを変化させると小ビンを取り出し机に置く

すると自らの持っていたナイフを取り出し指を切りその血を小ビンにある程度入れると蓋を閉め佐渡に差し出す

 

 

「……私の血液だ

もし、帰ってこなかったらこれを大本営に渡すがいい」

 

 

「おいおい、そんなことしたらお前の正体が完全にバレるしキツいんじゃないか?」

 

 

「……お前達の絆を甘く見ていた

お前の様に艦娘を大事にしている者に託すのも悪くない

それに、そんなもので見付かるほど私は甘くない

それでも不安が残ると言うのであれば」

 

 

すると提督殺しは手錠を取り出し佐渡と自らの手に掛けると鍵を閉め佐渡に渡す

 

 

「…明日の朝までだ

かなり不服でもあるが、彼女が届けられたと言うまで私は拘束されてやろう」

 

 

「……おいおい、そんなことしたらお前が俺の仲間に殺されるぞ?」

 

 

「ふふ、ここは自分の心配ではないのか?

拘束されている間お前を殺すチャンスはいくらでもあるんだぞ?」

 

 

「いや、そいつは無いな

確かにお前は何人も人を殺しては居るが約束はどうやら守るみたいだしな?」

 

 

「………私を信じるの?」

 

 

「まぁ、六日間だがお前はうちに居たんだしな?

信じること位はしてやるよ」

 

 

そう言うと佐渡は手錠の鍵を開け外す

(ふふ、馬鹿な男こんな簡単に騙されるなんてさ

血液は偽物、後で提出されたのを回収すれば良いのよ

まぁ、実際あの娘は返してあげるんだけどルールを破るのはどうかと思うし)

そう思っていると佐渡は提督殺しの頭を触ろうとすると

 

 

「触るな!!」

 

 

「おっと、すまん

俺達提督嫌いだっけか悪い悪い」

 

 

佐渡は手を仕舞うと珈琲を二つ分用意し提督殺しに一つ差し出す

 

 

「ほれ、珈琲は嫌いか?」

 

 

「いや貰おうかな?」

 

 

急に友好的になった提督殺しに動揺もせず、佐渡はまるで客人にもてなすように珈琲を差し出すとニヤリと笑う

 

 

「その珈琲を俺に掛けて油断したところを殺す気か?

殺気を隠した方が良いぞぉ?」

 

 

「っ!!」

 

 

(読まれた!!嘘でしょ、確かにこいつが油断しているから行けるとは思ったけど)

佐渡に言われるとつかさず佐渡と距離を取ると笑いながら珈琲を口にする

 

 

「ははは!!俺には不意打ちは通用しないぜ?

残念だったな提督殺し」

 

 

「くそっ!!この提督風情が!」

 

 

 

 




次回

お前は違うのか?

そろそろこの提督殺しの前半が終わりになります
え?終わりじゃないのかって?
残念ながら今回はかなり長いんですよこれが



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