艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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消えない怨恨 ニ

いつもの穏やかな明石からは想像出来ないほどの怒りと憎しみに満ち溢れた声とその表情を見た瞬間エアが反応が遅れるのだがその瞬間叢雲が二人の間に入り込み艤装を使い明石のクレーンを何とか止める

 

 

「叢雲さん!退いてください!!」

 

 

「悪いわね、司令官が守るって決めたものを壊させる訳には行かないのよ」

 

 

「お願いだから!!邪魔をしないでください!!

ソイツは…ソイツだけは!!」

 

 

「グラーフ、古鷹!エアを下げろ!!

他全員は明石さんを止めろ!!」

 

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 

「明石!!辞めなさい!

彼女は大事な重要参考人なんだから!!」

 

 

大淀も明石が暴れるのを止めていると佐渡はエアの側に行くと睨み付ける

 

 

「……何をした正直に言え

五十嵐…さんを殺したのか?」

 

 

「まさか、殺してはいないわ

ちょっと……ね?」

 

 

「ちょっと!ちょっとだと!?」

 

 

その言葉に更に明石の怒りはヒートアップしてしまうが最後に金剛が無理矢理明石の頭をコンクリートに叩き付けるがエアへの睨みを辞めない

 

 

「明石!落ち着くネー!

らしくないヨー?」

 

 

「放してください!!アイツを殺すんです!!

仇を……仇を討たせてください!!!」

 

 

「え……?」

 

 

その言葉に金剛は油断したのか手の力を緩めてしまいそれを見た明石はその隙に四人の拘束を抜け再びエアに向かっていく

 

 

「死ねぇぇぇぇ!!!

提督の仇!!」

 

 

だが、次の瞬間叢雲が明石の足を払い体制を崩させた瞬間クレーンの隙間に艤装を入れ無理矢理曲げ使い物に出来なくさせると同時に首へ腕を回し締め付ける

 

 

「あ……が…う……」

 

 

「悪いわね、少し寝ていてもらうわよ

話は起きてから聞くわ」

 

 

「む……ら…く……も…」

 

 

しばらく叢雲が首を絞めていると明石は気絶してしまいとりあえずは騒ぎが抑えられた

 

 

「……金剛、明石さんを入渠施設へ

叢雲助かった」

 

 

「了解デース!」

 

 

「こんなの大したことないわよ」

 

 

「ごめんなさい!佐渡提督!!」

 

 

 

金剛が明石を抱き抱えるとゆっくりと鎮守府へ向かっていきその後ろ姿を見ながら大淀は頭を下げる

 

 

「あぁ、嫌良いですよ

それよりも、エアどう言うことか説明してもらおうか?」

 

 

「……良いわよ、と言うかそこの大淀も知ってるはずよ?」

 

 

大淀がエアの言葉にビクッと反応すると恐る恐る頭を上げ眼鏡を直す

 

 

「……えぇ、知っては居ました

ですがあそこまで引きずっているとは思わなかったんです…」

 

 

「エア、何の話なんだ?」

 

 

「ここじゃ何だし、鎮守府に行きましょ?

寒いのは嫌いよ

大丈夫、キチンと話すわよ」

 

 

エアが歩いていくと、その後ろから他の艦娘達も付いていくが大淀だけは浮かない顔をしている

 

 

「大淀さん、エアが五十嵐さんを殺したのですか?」

 

 

「…いえ、正確には『巻き込まれた』ですかね?」

 

 

「……成る程、そう言うことですか

と言うと明石さんは」

 

 

佐渡は何となくその意味を理解し大淀に訪ねると暗い顔をしているがしっかりと答えてくれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、彼女は明石は

私と同じ『大本営襲撃事件の生き残り』です

そして、彼女の提督五十嵐少佐は明石を庇って意識不明の重体なんです」

 

 






次回

恨み

エアの証言と明石の証言
食い違う二つの話の真実とは?


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