艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

245 / 594
大本営の内情

「……ごほん、佐渡提督申し訳ありませんでした

お騒がせしてしまって」

 

 

「いいえ、特にこちらとしては?

何かあったか?叢雲?」

 

 

「さぁ?忘れたわ」

 

 

明石が落ち着きを取り戻し、現在明石と大淀が隣同士に座りその対面に先程と同じように座っているのだが明石の眼は赤く染まっている

 

 

「では、すみません話を戻しましょう

歴戦の空母棲姫 エアさんの事に関して」

 

 

大淀がそう言うと、場の空気が少し張り詰める佐渡達も真面目な面持ちになるのだがエアだけはお菓子を頬張っている

 

 

「彼女が私達に対し敵意が無いことは分かりました、そして彼女が提督殺しであることも間違いないでしょう

正直に申し上げますと彼女をこちら大本営に身柄を渡して頂くのが賢明であり、そうして頂きたいです

ですが、私個人としてはここに居て欲しいんですよね」

 

 

「……それは何故に?」

 

 

「確かに大本営は、彼女達三人を撃沈させることですので正直捕獲と言う点に置いてはほとんど考えていないんですよね

と言うよりも普通歴戦の姫が自ら来るなんてこと事が起こると言うこと事態可笑しいことですから……」

 

 

そう言うと全員の目がエアに集中し、それに気付いたのか佐渡の頬に煎餅をグリグリと押し付ける

 

 

「何見てるのよ提督風情が!!」

 

 

「痛い痛い!煎餅を押し付けるな!!」

 

 

その光景を見た大淀は深い溜め息を付くと眼鏡をくいっと上げ話を続ける

 

 

「それに、正直ここから彼女を連行したところで向こうで逃げられるかその道中に深海棲艦に囲まれるがオチだと思いますしーーー」

 

 

「ねぇ、取り繕うのは辞めたら?大淀

貴女の意見を聞きたいんだけど?」

 

 

「……貴女はどこまで大本営を知っているんですか?」

 

 

「大半は知ってるわ

何せ貴女達の所に潜入してたんだし?」

 

 

大淀はエアを見ながら溜め息をつくと明石に頷くと明石もそれを返すように頷く

 

 

「……佐渡提督、私は正直彼女を匿って欲しいんですよね」

 

 

 

「匿う?深海棲艦をですか?」

 

 

「えぇ、ここからは機密事項です

口外は禁止ですからね?貴方達を信じて話します」

 

 

大淀は先程より暗い顔になるとそれを察したのか佐渡も真面目な面持ちになる

 

 

「深海棲艦、それは私達の理解を外れた者達

そして、明確な敵意を持って私達を襲う謎の怪物達

見た目こそ、人間に近いものが多い

これは知ってますね?」

 

 

「あぁ、海軍でその話は聞いた」

 

 

「実際、この深海棲艦に立ち向かう術は我々艦娘が扱う艤装だけ

だが、これが使えるのは艦娘のみ

通常の人間には使えない

正直、海軍はこれにうんざりしているです

艦娘にも心があります、疲れれば人並みに休息が欲しいです、お腹が空けばご飯を食べたいです

兵器とは名ばかりの少女に戦わせてのには違いありません」

 

 

「まぁ、そうだよな?」

 

 

佐渡はそう言うと叢雲達を見ると確かにこれまで見ていてるがどうみてもただの少女にしか見えない

 

 

「だからこそ、大本営はある実験に手を染め始めました」

 

 

「……まさか、深海棲艦の人体実験?」

 

 

「はい、その内容も中々に酷な物です

生きた人形深海棲艦の解剖、投薬による実験、毒ガス、生きたまま燃やしたり等です」

 

 

その話に金剛達は困惑しているが、叢雲と佐渡はエアを見る

 

 

「言ったでしょ

そいつはごめんよ

あれ見たことあるけど正直きっついわよ?」

 

 

 

 

 





次回

捕まえた深海棲艦は


戦争をしているからとは言えど大本営もエグい事をやりますよねぇ
でも、そうまでしても勝ちたい戦争だと分かります



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。