「まぁ、戦争してるのだから仕方無いと言っちゃ仕方無い様な気もするけど結果は?」
そう聞くと大淀は首を横に振るう
「大したことは分かっていません
とりあえず分かったのが、深海棲艦には特殊な『コア』と呼ばれる心臓みたいなものがあるというだけです」
「何です?コアって?」
「それに関しては明石が説明してくれます」
すると、大淀が下がり明石が説明してくれる
「実は、深海棲艦を生きたまま解剖したときその研究所が爆発事故を起こしたんです
それを気にした大本営は、深海棲艦の遺体を調査する事にしました
幸い見付けたのが人形だった為解剖は容易く行われました
そして、心臓部分を見たとき見付けられたのが大人の成人男性並の真っ黒な球体でした」
「それが…コア?」
「はい、ただしこのコアは死んだ深海棲艦でもしっかりと鳴動しており複雑な血管が絡まり合っていて外すのは苦労しましたがこれが大きな発見になりました
これを外された深海棲艦がみるみるうちに溶けていったんです」
「溶けた??深海棲艦が?」
「はい、最初は艤装が壊れ始め次第にゆっくりと水に溶けるようにジワジワと溶けていき最後は真っ黒な液体になりました
そして、そのコアが深海棲艦を作り出していたことが分かったのですが……」
その言葉と同時に明石は溜め息を付きながら両手を上げる
「これが、簡単に壊れないですよ……
通常兵器おろか、艦娘の艤装を使っても戦艦並の砲撃がないと恐らく壊れないし下手に触れば研究所を破壊するほどの火力を秘めているため大した情報ではないと処理されました」
「成る程……」
「だ、だったら!そのコアを取り除けば奴等は倒せると言うことか!?」
グラーフが明石に詰め寄ろうとするが叢雲が深い溜め息をつく
「あんたねぇ、そんなの戦闘中にどうやって取り出すのよ
倒した後でも反撃される可能性があるしあいつらは沈むのよ?しかも爆弾何でしょ?逆に下手に狙えばこっちが被害出るわよ」
「む……それもそうか…」
叢雲に正論を言われてしまいグラーフは引き下がる
「まぁ、そんなところです
しかも姫級の歴戦種を捕まえたと大本営にバレれば彼女が何をされるか……」
「あら?もう一つの方じゃない?」
「エア、何だそれは?」
大淀はその言葉にピクッと反応し慌ててエアの口を押さえようとするがエアに頭を押さえられる
「人間を深海棲艦化
または人工的に艦娘を深海棲艦化させ
戦力を上げようとするやり方よ」
「……は?何だそれ?」
「だから、人工的に深海棲艦を作り出すのよ
人間達の言いなりになる忠実な駒を増やすって言うね?」
エアから言われたその話がにわかに信じがたい話だったが大淀と明石が嫌な顔をしているのを見るとそれが真実だと理解できた
次回
人工深海棲艦化計画
どんな兵器を作り出す為に犠牲は付き物ですよね~