「明石さん、大淀さん何ですか?それは?」
大淀が、その説明をしようとすると明石がそれを遮り頭を横に振るう
「実はですね、深海棲艦の姫級においては艦娘、人間に限りなく近いと言う研究データが出ておりましてね
それに着目した研究所の一人が人工的に深海棲艦を作り出せないかと実験を行っているんです」
「待って!それってまさか!!」
「はい、艦娘と人間に深海棲艦のコアを移植して適合させると言うものです」
その話に、イムヤ達はゾッとするが佐渡と叢雲は真面目に聞いている
「で、成功したのか?」
「いえ、ほとんどがコアに適合せず身体の組織を内部から破壊されドロドロに溶けたり、ずっと止まらない血液を流し続けたりです
一部成功した例がありますが深海棲艦のコアに支配され人間を殺すだけの化け物に成り果てたりです」
それを聞くと叢雲と佐渡は「はぁ」とガッカリした様子で項垂れる
「……まさかあんた達やる気だったの?」
「「嫌だって強くなりたいじゃん?」」
見事にハモった二人を見ると全員が溜め息を付く
「とりあえず、彼女をそんなことにしてしまうよりも情報を聞き出しておきたいですし無闇に殺したくないですよ」
「あら?情報全部話したら殺されるのかしら?」
「そんなことしませんよ、貴女は貴重な証人ですからね」
大淀が、ボイスレコーダーを取り出すと机に起きエアの顔を見る
「では、これから貴女にーー」
「ちょっと待った」
エアは大淀の言葉を遮るとボイスレコーダーを持ち上げると電池を取り除き床に投げ捨てる
「ちょっと!何をするんですか!?」
「悪いわね、あれで話す気はないわ
話なら貴女の頭で覚えてちょうだい
後、大井携帯貸して」
「……チッ分かってましたか」
大井は携帯を取り出しエアに手渡すと電源のスイッチを入れるとボイスレコーダーが起動しておりそれを切り胸にしまう
「私が証言したって事がバレたら私殺されちゃうし?
それにこれはあんた達の為にもなるのよ?」
「……どういう意味ですか?」
エアは一口お茶を飲むとふぅと息を吐くとゆっくりと続ける
「クイーンは裏切りを絶対に許さない
どこかで私が話した情報が漏れた場合必ず私を殺すわ
でも、私が貴方達に協力したと知れれば私よりも先に貴方達小笠原を優先的に殺す為にここを襲わせ私の奪還を図るわ
情報を途絶させるために
そして、次に貴方達大本営への大掛かりな攻撃を開始した後最後に私を殺すわ
その危険性を考慮してるんだけど、分からない?」
エアに言われると大淀は眉間にシワを寄せるが「しかたありませんね」と言うとメモ帳を取り出し
「これなら、文句はないですよね?」
「えぇ、私から聞いたと書かなければね」
「でしたら、始めましょうか
ではこれから空母棲姫 エアに対する尋問を始めます」
こうして、大淀による深海棲艦の歴戦種エアに対する尋問が開始される
この世界の真実に迫るために
次回
世界の真実を知る
次回からエアの尋問が始まります