艦隊これくしょん ー誰ガ為ノ戦争カー   作:霧雨鴉

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大本営の内情 五

「…………貴女、それをどこで?」

 

 

「昔、私達と対峙していたある姫級が『司令官』と呟いていたので、もしかしてと思ったんです」

 

 

先程まで余裕を保っていたエアの顔がひきつっており溜め息をつく

 

 

「ノーコメント」

 

 

「……それは居ると捉えても?」

 

 

「ノーコメント」

 

 

「……話したらどうなりますか?貴女と私達は」

 

 

「ノーコメント」

 

 

「……分かりましたではーー」

 

 

「大淀、勘違いしないでよ?

私は別に『暇潰し』の感覚でここに居たいのよ

だからこれ以上言うならばここを去ってこの事をクイーンに知らせるわ

そうなったらーー」

 

 

とエアが言いかけた瞬間大淀は制服のポケットから銃を取り出しエアの眉間に押し当てる

 

 

「大淀さん!!」

 

 

佐渡が動こうとした瞬間明石が工具を佐渡に突き付ける

 

 

「佐渡提督!すみませんがこれはこの戦争を終わらせるためでもあるんです!!

分かってください」

 

 

「良いわよ?撃ちなさい?」

 

 

エアは微笑みながらその銃を掴み自分の頭へと押し当てる

 

 

「……何のつもりですか?」

 

 

「別に撃って私を殺して見せなさい?

ただし」

 

 

エアは微笑みから更に頬を吊り上げ大淀を睨み付け笑いながら答える

 

 

「私を殺した時、お前達人間達は終わりだと思え

ユリ『如き』に苦戦を強いられてるのに他の姫や鬼を倒せるのかしら?

それに私の死は引き金よ、この戦争激化させるためのね

その覚悟と勇気がお前にあるなら、好きにしなさい?

私達の全戦力も何も分からない無知なお馬鹿さん達?」

 

 

しばらく、大淀は悩むのだか銃を放すとエアがその弾丸を全て抜き取り佐渡へと手渡す

 

 

「良い子ね、賢明な判断よ」

 

 

「……焦りすぎました、すみませんでした

以上で貴女に対する質問は終わりになります」

 

 

「やっと終わったね~

佐渡ーアイス無いー?」

 

 

「お前どんだけのんびりしてるんだよ……

そこの小さい冷蔵庫にあるんじゃないか?」

 

 

「一つもらうわよ~」

 

 

 

そう言うとエアは立ち上がり、冷蔵庫を開けカップアイスを取り出し美味しそうに頬張っておりその姿を横目に大淀が佐渡へ向き直る

 

 

「すみません佐渡提督と言うことで彼女を」

 

 

「はい、分かりました

ではうちで預からせて頂きます

ここなら特に何もないですからね」

 

 

立ち上がり大淀に手を差し出すと大淀もその手を取り握手を交わすのだが

 

 

「所で佐渡提督ここにもう一人、嫌一体深海棲艦が居ますよね?」

 

 

大淀に言われると小笠原面々は全員肩を動かし各々そっぽを向いたり汗を掻いたりしている

 

 

「は、はて?何の事でしょうかね」

 

 

「居ますよねぇ?確か駆逐のイ級が?」

 

 

「何のことですかねぇ?私は知らないなー?

そうだよな!叢雲!?」

 

 

「私は知らないわよ……古鷹知ってるんじゃない?」

 

 

「ちょっと叢雲!?私は知らないです!多分大井さんじゃないですかね!!」

 

 

「い、イムヤが知ってると思うわ……」

 

 

「ちょっと大井!?あ、この前グラーフがそんなこと言ってたような……」

 

 

「なっ!!私は知らんぞ!

そうだ!金剛ではないのか!?」

 

 

「What!?知らないデースよ!?」

 

 

 

大淀にバレているが何とか全員で誤魔化そうとするのだが、提督室の扉がゆっくりと開かれそこからイーちゃんがゆっくりとした足取りで入ってくる

 

 

 

 

 





次回

深海棲艦と艦娘と提督


はてさてイーちゃんはどうなるのでしょうか…


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