三人は、食堂へと入ると古鷹が電気を付け、食器の準備をする
昨日のうちにご飯は炊いてあり、いつでも食べれる状態だ
佐渡は、頭に帽子を被ると、食堂の奥厨房へと向かおうとすると大井に大声に止められる
「提督が、作るんですか!?」
「お?おう?そうだけど……
何だ?嫌か?」
「い、いえ……
何でもありません…」
大井の発言に、流石に疑問に思うのだが、まぁ良いかと佐渡は厨房へと向かう
その様子に、古鷹はあー…と言わんばかりに顔をしながら、食器を並べていく
厨房からは、佐渡の鼻歌と料理の音が聞こえる中、大井は、古鷹に指示を貰いながら、料理の準備をする
「あの、古鷹さん
この鎮守府は、いつも提督様が作るのですか?」
大井からの発言に、古鷹は一瞬悩むが、微笑みながら答える
「そうですよ、提督のお料理は絶品ですからね!
大井さんも気に入ると思いますよ?」
「あんまり持ち上げるなよー
古鷹、悪いけど出来た奴持っていってくれー」
「はーい、あと持ち上げてないですよー
本当に美味しいですよ」
佐渡に呼ばれた、古鷹は厨房から皿を二枚ずつ持ってくる
その皿には、スクランブルエッグ、ウィンナーが三つ、焼けた人参が乗っており、朝食にはピッタリである
その光景に、ゴクリと喉を鳴らす大井を余所に、古鷹は料理を運んでいく
「大井さんー悪いんだけど来てくれないか~?」
「は、はい!!」
次は、大井が呼ばれ厨房へと向かう
厨房に入った大井は、佐渡の料理している姿を見ながら、佐渡に近付き敬礼をする
「何でしょうか!提督!」
「あぁ、悪いんだけどそこの戸棚から味噌汁のお椀取って入れてくれないか?
そこに味噌汁あるから」
佐渡は、片手で火にかけてある味噌汁を指差すと、すぐに火を消して蓋を開ける
「は、はい!!」
大井は、お椀を取り出すと、味噌汁をお椀に移していくがその時に味噌の香りが鼻孔を刺激する
「美味しそう…」
そう、無意識に言ってしまい瞬間我に返り、佐渡を見上げると佐渡はふふと笑っており、顔が熱くなる
「つまみ食いは許さないよ?大井さん」
「は、はい!!」
恥ずかしくなり、直ぐ様味噌汁をよそい、テーブルへと人数分持っていくと大井の見慣れない人が食堂へと入ってくる
「あら?良い香り……朝御飯?」
先程までお風呂に入っていた叢雲である
服は、何故かタンクトップであり、髪はキチンと乾かしてあるが、拭ききれてない、お風呂の水が鎖骨に流れている
「おはようございます!!
私は……」
「知ってるわよ、昨日着任した、軽巡の大井さんよね?
昨日は災難だったわね
そう言う堅苦しいのは良いから朝御飯食べましょ?」
大井は、敬礼をしながら挨拶をしようとするが叢雲が先に知っていたかの様に自己紹介を聞くと、軽く自分の自己紹介も済ませ、テーブルのいつもの席に座る
「は、はい…」
叢雲のいつものスタイルに、調子を崩された、大井は何故か一番遠い左恥に座る
「ちょっと?あんたどこ座ってるのよ?
あんたはここよ?」